東京市場はドル買い一巡するも、ミニ三角保ち合いは上放れ
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、133円台の推移となった。前日夜に行われた日銀の植田新総裁の就任会見にて、「現状の金融政策(イールドカーブコントロール(長短金利操作)政策とマイナス金利政策)を継続する姿勢」を示したことからドル買いが進み、約一か月ぶりの水準となる133円87銭までドルは上昇した。
東京市場では、ドル買い一服となったものの、日経平均が一時28000円台を回復するなど投資家のモメンタムが良好だったこともあり、ドルは133円台でのしっかりとした推移に。新たなドル買い材料に乏しかったことから上値は重くなったが、日銀新総裁のイベント通過で過度な警戒感が後退したことからドルしっかりの地合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:133円54銭
高値:133円70銭
安値:133円24銭
終値:133円26銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:145円09銭
高値:145円35銭
安値:144円88銭
終値:145円17銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:88円74銭
高値:89円05銭
安値:88円62銭
終値:88円97銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:165円41銭
高値:165円65銭
安値:165円21銭
終値:165円48銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:27895円90銭
高値:28068円39銭
安値:27854円82銭
終値:27923円37銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ユーロ圏小売売上高(前月比)、前回:0.3%、市場予想:−0.7%
18時00分、欧、ユーロ圏小売売上高(前年比)、前回:−2.3%、市場予想:−3.4%
22時00分、IMF世界経済見通し公表
26時30分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁がエコノミック昼食会に参加
31時00分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が討論会に参加
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、拡大するバンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は下げ渋っている。切り下がる20日MA(132円15銭)を上回ったほか、日足の一目均衡表でも、雲下限(132円16銭)を突破し雲に突入。1月16日安値(127円22銭)と3月24日安値(129円65銭)を結んだ下値支持線と、3月8日高値(137円92銭)と4月3日高値(133円76銭)を結んだ上値抵抗線をそれぞれ起点としたミニ三角保ち合いも上放れたことから、ドル買いが強まりそうな地合いとなっている。
足元、100日MA(133円38銭)でのもみ合いとなっているが、一目均衡表の雲上限(134円09銭)に迫っていることから、目先の上値抵抗水準として、雲上限が意識されよう。遅行スパンがまだ陰転したままのため、雲上限突破後も明確なトレンド転換とは言えないが、134円後半まで上がっていく雲上限に沿った動きとなれば、遅行スパン好転の可能性はある。14日(金)のミシガン大学消費者信頼感指数(CPI)発表後、来週の地合いに期待したい。
今晩の注目は、米金融当局関係者の要人発言以外では、IMFの世界経済見通し公表に注目したい。各国の政策といった局所的な話ではなくマクロな話で、約一週間前に、「今後5年の世界経済成長見通しは1990年以来の低さとなる」といった内容も伝わっているが、足元の欧米金融システム、インフレ、金利引き上げ等の影響を数値化することから、数値は押さえておきたい。もっとも、目新しい話は出てこないとの想定から、ドルを始め為替市場に対する影響は限定的と考える。
こうした背景から、今晩のドルは、しっかりではあるが材料難などから一段高の地合いは厳しいと想定。本日の上値メドは、本日の東京時間の高値133円70銭、下値メドは、心理的な水準でもある132円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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