抵抗上抜け、ドルの続伸期待高まる
〇本日のドル円、早朝高値を超え133.75レベルへ。16時現在そのままドル高値圏で推移中
〇OPECプラスが追加減産発表で、原油高からのインフレ高まりを警戒、米利上げに強気ムードへ
〇本日は米経済指標として、3月製造業PMI確報やISM製造業景況指数が発表予定
〇ドル高円安方向は東京高値133.75レベルが最初の抵抗、134円台目指しテクニカルは134.75ターゲット
〇ドル安円高方向は複数のテクニカルポイント集中する133円±20銭の攻防
〇移動平均21日線や90日線を上抜けたがNYクローズで維持できるか。超えれば135円もターゲットに
〇欧米時間のドル/円予想レンジは132.80-134.10
<< 東京市場の動き >>
週明け3日の東京市場は強含み。上値も重く当初は上げ渋ったものの、終盤に掛けては133円後半まで一時値を上げている。
先週末には、OPECプラスが、5月から日量100万バレルを上回る減産を実施すると発表したことが金融市場で物議を醸す。また、実施されたフィンランド総選挙でマリン首相率いる社民党は第3党となるなど敗北を喫し、マリン氏は辞任不可避とされていた。
そうした状況下、ドル/円は先週末のNYクローズ132.80円レベルよりもドル高、つまり下方向にギャップを空けて寄り付いた。そののち133.40円レベルまで続伸するも続かず。一時132円台まで押し戻された。しかし、再び買い戻されると早朝高値を超え133.75円レベルへ。16時現在ではそのままドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「露戦術核配備」について。
前者は、週末に政治的な動きが幾つか観測されている。ひとつはスペイン首相が中国主席と会談を実施、ウクライナとの対話を勧めたとされるほか、日本の林外相が訪中し秦外相や李強首相と会談を行ったという。また、肺炎罹患のため延期されていたブラジル大統領の訪中が11日から実施されると発表。また、フランス大統領府は5日からの訪中において「マクロン大統領が習主席に対し、ロシアへの軍事支援に警告を発する」ことを明らかにしていた。西側諸国の多くは中国との対立関係を深めたくないとする姿勢がうかがえるものの、果たして関係は好転するのか注目だ。
対して後者は、先週ロシアがベラルーシに戦術核兵器を配備する計画を表明したことを受け、週末に国連安全保障理事会が緊急公開会合を開催している。そのなかで米露を中心に激しいやり取りが観測されるなか、ロシアサイドは終始行動を正当化するコメントを発していたという。ちなみに、中国の国連大使代理はプーチン大統領の発言についてとくに言及しなかったようだ。一方、ベラルーシ大統領は、ロシアがベラルーシに「戦術核」を配備するとすでに決定しているが、必要に応じてロシアがベラルーシに「戦略核」である大陸間核ミサイルを配備できるようにすると発言したという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は上値が重い状況ながら、本日東京で早くも先週高値を更新。一時133.75円レベルまで値を上げている。それを受け、テクニカルにはザラ場ベースながら移動平均の21日線や90日線、一目均衡表の先行帯の雲の上限などをこぞって上抜けてきた。NYクローズで「しっかり」上回ったとは言えないだけに、油断は禁物ながらドル続伸への期待がかかると言えそうだ。いずれにしても、本日のNYが幾らで引けるのか、クローズレベルにも注意を払いたい。
金融市場は引き続き米金融政策への関心を取り戻してきた。金融システム不安の後退に加え、先でも取り上げた「OPECプラスが5月から追加減産」を発表したことで、原油高からのインフレの高まりを警戒する声も多くなってきた。つまり、米利上げに関して強気ムードが徐々に取り沙汰されはじめているだけに、本日発表される米経済指標の内容如何ではドルがさらに買い進まれる可能性も否定できない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本稿執筆時、東京16時現在で先週超えられなかった移動平均の21日線や90日線などを上抜けている。ザラ場の動きもさることながら、NYクローズでも上抜けた状態を維持できるのか否かに注目だ。しっかり超えれば、少し遠いが135円がターゲットになる。ただし、上値トライが失敗に終われば132円半ばを目指したドルの反落も。
本日は米経済指標として、3月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数が発表される予定となっている。先週発表された米指標はまだら模様。好悪が混在していただけに、今週は果たしてどういった内容の指標が発表されるのか注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.80-134.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値133.75円レベルが最初の抵抗で、抜けると134円台乗せを目指す。テクニカルには134.75円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表や移動平均で見た複数のテクニカルポイントが集中している133円±20銭ぐらいの攻防にまずは注目。先でも取り上げたように、NYクローズで維持できるのかにも注意したい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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