上値重くドルは続落、130円割れも意識(3/20夕)

週明け20日の東京市場はドルが大幅安。とくに大引けにかけて下げ幅を拡大させている。

上値重くドルは続落、130円割れも意識(3/20夕)

上値重くドルは続落、130円割れも意識

〇ドル円、一時132.65前後まで値を上げるも、一転して下値を探る動きとなり132円割れ
〇米金利低下もあり、終盤に掛けては下げ足を速める。131.00-05まで達しドル安値圏で欧米市場迎える
〇3/22FOMC政策金利発表とパウエル議長の会見に要注視。金融混乱の中、0.25%利上げ予想が多い
〇ドル高円安方向は131円半ばから後半が最初の抵抗。超えると本日東京高値132.65レベルがターゲット
〇ドル安円高方向は130円後半に位置する先行帯の雲下限を巡る攻防に注目。下回ると130円割れ再び意識
〇欧米時間のドル/円予想レンジは130.20-132.00

<< 東京市場の動き >>

週明け20日の東京市場はドルが大幅安。とくに大引けにかけて下げ幅を拡大させている。

先週末は、16日の大陸間弾道弾に続き19日にも北朝鮮が短距離ミサイルを発射したとして物議を醸す。一方、世界的な金融システム危機が取り沙汰されるなか「UBSがクレディ・スイス(CS)を30億スイスフランで買収することに同意した」と伝えられている。
そうした状況を受け、ドル/円は先週末NYを131.80円レベルで大引けるなか、早朝時間外取引で132円台を示現。その後の東京タイムも一時132.65円前後まで値を上げる局面が観測されていた。しかし、高値をつけたあとは一転して下値を探る動きとなり132円割れ。米金利の低下などもあり、ドルは下げ止まらず。終盤掛けては、むしろ下げ足を速めると131.00-05円まで達し、16時現在ではそのままドル安値圏、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「欧米銀の経営危機」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、スイス政府が記者会見を開き、「スイス金融大手UBSが、経営不安の広がるCSを約30億スイスフランで買収することで合意した」と発表した。そうした状況について、イエレン米財務長官とパウエルFRB議長が共同で「金融の安定を支援するための発表を歓迎する」とした声明を出したほか、ECBや英中銀からも同様のコメントが発せられていた。その一方、ブルームバーグは「NYコミュニティ・バンコープ(NYCB)が破綻したシグネチャー・バンクの買収で合意を目指している」、「米連邦預金保険公社(FDIC)が破綻したシリコンバレー銀行(SVB)の解体に向けて動いている」−−と報じていた。続報などに注意を払いたい。

対して後者は、前述したように16日の大陸間弾道弾に続き、「19日にも短距離ミサイルを発射」したようだ。それを受け、日米が3日連続の共同訓練を実施するなど、アジアをめぐる地政学リスクはさらに高まっている。なお、16日のミサイル発射についてG7外相が「ミサイル発射をもっとも強い言葉で非難する」とした声明を発表したほか、国連安保理は日米などの要請もあり20日にも「北朝鮮問題を協議する緊急会合を開催する」ことを明らかにしている。中露は今回も擁護することが予想されるなか、一枚岩の非難決議が発表されるのか注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日早朝の時間外取引を含め、一時ドルの戻り歩調がうかがえたものの続かなかった。夕方には一転して131円割れをうかがう様相を呈している。それを受け、年初来安値127.22円を起点にしたフィボナッチでは、上げ幅の61.8%押し131.30円もすでに下回っており、次なるターゲットは76.4%押しの129.75円。一足飛びに130円割れへと達するか否かは別にして、ドルはさらなる下値模索も否定できない。
日米金融政策への関心が依然として高く、そうした意味では22日に予定されているFOMCの政策金利発表とパウエルFRB議長の記者会見にまずは注目。10日に判明したSVB破綻などを受け、ブルームバーグが「金融混乱をめぐる懸念が続くなか、来週のFOMCでは難しい判断を迫られることになる」と報じていたが、果たしてFRBの判断は如何に。なお、足もとでは0.25%の利上げ予想が多いようだ。また、CS問題は買収という形で取り敢えず一服した感もあるが、SVB問題などは依然積み残し案件。まだまだ予断を許さない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京で直近安値を更新。フィボナッチポイントの131.30円を下回り、131円割れを意識した展開となっている。高値137.91円を起点と考えればわずか10日足らずで7円近い下げを記録している計算で、短期的にはやや行き過ぎか。とは言え、リスクそのものはドル安・円高にバイアスが掛かり、130円割れに向けたさらなるドルの続落にも注意を払いたい。
本日は目立った米経済指標の発表などは予定されていないものの、先で取り上げた国連安保理による「北朝鮮情勢協議の緊急会合」や、明日の首脳会談を前に「中露首脳による1対1の夕食会」が実施される見込み。政治ファクターにも要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.20-132.00円。ドル高・円安方向は131円半ばから後半が最初の抵抗。超えると本日東京高値の132.65円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、130円後半に位置する一目均衡表の先行帯の雲の下限をめぐる攻防に注目だ。下回ると130円割れが再び意識されかねない。

上値重くドルは続落、130円割れも意識

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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