東京市場のドル・円は弱い、CSのAT1債の影響見極めがマストな状況(23/3/20)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、UBSによるクレディ・スイス(CS)買収の影響を見極めたいとするムードが強まった。

東京市場のドル・円は弱い、CSのAT1債の影響見極めがマストな状況(23/3/20)

東京市場のドル・円は弱い、CSのAT1債の影響見極めがマストな状況

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、UBSによるクレディ・スイス(CS)買収の影響を見極めたいとするムードが強まった。欧米発の金融システムの不安定感が、株式市場、為替市場を覆っており、積極的なポジション取りは手控えられている。東京時間の午前は、UBSによる買収合意は好材料として見られていたが、午後、CSの「AT1債(銀行の財務が悪化した際、債券の保有者が損失を引き受ける債券のこと、市場規模は約2750億ドル)」が無価値になるとスイスの金融市場監督当局が公表したことから、投資家心理は悪化。

利回りが拡大していた米2年債利回りは先週末水準まで低下するなど、金融市場へのネガティブなインパクトを警戒するムードが優勢となった。なお、CSのAT1債で無価値になる金額は160億スイスフラン(約2.2兆円)と言われており、実際に「無価値」となった際、過去最大の損失規模になるとみられている。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:132円18銭
高値:132円65銭
安値:131円72銭
終値:131円84銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:141円04銭
高値:141円75銭
安値:140円57銭
終値:140円79銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:88円65銭
高値:89円25銭
安値:88円04銭
終値:88円19銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:161円04銭
高値:161円73銭
安値:160円49銭
終値:160円71銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:27253円73銭
高値:27367円18銭
安値:26945円67銭
終値:26945円67銭

【本日の海外市場の重要指標】日本時間 

23時00分、欧、欧州議会経済通貨問題委員会(ECON)出席
未定、欧州、EU外相理事会

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で推移している。日足の一目均衡表では、雲上限が132円70銭まで下がった。投資家のモメンタムが低下している状況下、この水準が上値抵抗ラインとして意識されそうだ。

3月17日の安値131円56銭を東京時間15時過ぎに下回った。明日21日は、東京市場が祝日である。取引量が少ない時間帯に、新たな金融機関への影響などネガティブなニュースが伝わった際、一気に値が崩れる可能性はある。その際、テクニカルでは分析できない地合いとなるので要警戒だ。

21日から22日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、目先のインフレ対応よりも、足元の金融システムの維持に力点を置く可能性、つまり利上げ見送りの話も市場関係者から出ている。当初のコンセンサス通り0.25%の利上げを実施した際、パウエル米準備制度理事会(FRB)議長は丁寧な発言が求められることとなろう。

東京時間の午後に伝わったCSの「AT1債」の無価値となる総額が過去最大の金額となる可能性であることを考慮すると、債券市場の混乱は数日ではクリアにならないだろう。アジア株や債券市場への影響は既に出ている。今晩の海外市場よりも、東京市場が休場となる21日の取引時間は要注意と考える。今晩のドル・円の上値メドは、本日の高値132円65銭、下値メドは心理的な節目である130円00銭とする。

東京市場のドル・円は弱い、CSのAT1債の影響見極めがマストな状況

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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