東京市場のドル・円は弱い、CSのAT1債の影響見極めがマストな状況
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、UBSによるクレディ・スイス(CS)買収の影響を見極めたいとするムードが強まった。欧米発の金融システムの不安定感が、株式市場、為替市場を覆っており、積極的なポジション取りは手控えられている。東京時間の午前は、UBSによる買収合意は好材料として見られていたが、午後、CSの「AT1債(銀行の財務が悪化した際、債券の保有者が損失を引き受ける債券のこと、市場規模は約2750億ドル)」が無価値になるとスイスの金融市場監督当局が公表したことから、投資家心理は悪化。
利回りが拡大していた米2年債利回りは先週末水準まで低下するなど、金融市場へのネガティブなインパクトを警戒するムードが優勢となった。なお、CSのAT1債で無価値になる金額は160億スイスフラン(約2.2兆円)と言われており、実際に「無価値」となった際、過去最大の損失規模になるとみられている。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:132円18銭
高値:132円65銭
安値:131円72銭
終値:131円84銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:141円04銭
高値:141円75銭
安値:140円57銭
終値:140円79銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:88円65銭
高値:89円25銭
安値:88円04銭
終値:88円19銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:161円04銭
高値:161円73銭
安値:160円49銭
終値:160円71銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:27253円73銭
高値:27367円18銭
安値:26945円67銭
終値:26945円67銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
23時00分、欧、欧州議会経済通貨問題委員会(ECON)出席
未定、欧州、EU外相理事会
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で推移している。日足の一目均衡表では、雲上限が132円70銭まで下がった。投資家のモメンタムが低下している状況下、この水準が上値抵抗ラインとして意識されそうだ。
3月17日の安値131円56銭を東京時間15時過ぎに下回った。明日21日は、東京市場が祝日である。取引量が少ない時間帯に、新たな金融機関への影響などネガティブなニュースが伝わった際、一気に値が崩れる可能性はある。その際、テクニカルでは分析できない地合いとなるので要警戒だ。
21日から22日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、目先のインフレ対応よりも、足元の金融システムの維持に力点を置く可能性、つまり利上げ見送りの話も市場関係者から出ている。当初のコンセンサス通り0.25%の利上げを実施した際、パウエル米準備制度理事会(FRB)議長は丁寧な発言が求められることとなろう。
東京時間の午後に伝わったCSの「AT1債」の無価値となる総額が過去最大の金額となる可能性であることを考慮すると、債券市場の混乱は数日ではクリアにならないだろう。アジア株や債券市場への影響は既に出ている。今晩の海外市場よりも、東京市場が休場となる21日の取引時間は要注意と考える。今晩のドル・円の上値メドは、本日の高値132円65銭、下値メドは心理的な節目である130円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2023.03.20
上値重くドルは続落、130円割れも意識(3/20夕)
週明け20日の東京市場はドルが大幅安。とくに大引けにかけて下げ幅を拡大させている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2023.03.20
ドル円 金融危機懸念が続きドルは戻り売り(週報3月第3週)
先週のドル円は、週を通して次々と金融機関の問題が発生しては当局が即日対応することを繰り返してきました。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。