ドルの上値展望広がる、続伸にも注意(2/15夕)

15日の東京市場はドルが小じっかり。とくに夕方上げ幅を拡大させ、昨日の戻り高値に面合わせする局面も。

ドルの上値展望広がる、続伸にも注意(2/15夕)

ドルの上値展望広がる、続伸にも注意

〇ドル円は、高値追いの流れに、昨日高値に迫る133.30前後へと上伸、16時現在ドルの高値圏で推移
〇ドルの基調は強く年初来高値である134.78視界内、さらなるドル高進行で134円台乗せうかがう展開も
〇ドル高・円安方向はテクニカルポイントがある133.75-80レベルが目先の上値メドか
〇ドル安・円高方向は一目均衡表先行帯の雲の下限をめぐる攻防に注目
〇再び下回ると逆に抵抗となり、その下の強いサポートは昨日安値の131.51
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.60-134.00

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場はドルが小じっかり。とくに夕方上げ幅を拡大させ、昨日の戻り高値に面合わせする局面も。

ドル/円は133.10円レベルで寄り付いたものの、当初は売りが先行。1月上旬以来の133円台ということで実需筋の売りも断続的に観測されていた。日中安値である132円半ば近くまで下押すも底堅く、反転すると「行って来い」。さらに夕方には逆に高値追いの流れになると、昨日高値に迫る133.30円前後へと上伸していた。16時現在ではそのままドルの高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「偵察気球問題」と「米金融政策」について。
前者のいわゆる「偵察気球」問題は、さらに泥沼化の様相を呈してきた。当初は「風に流され米国に到達した」などと下手に出ていた中国だったが、その後の米国による撃墜などを受け態度が大きく変化。昨日は「米国の気球が先に中国領空に不法侵入した」と繰り返したうえで、「米側は徹底調査し、中国側に説明すべきだ」と要求するなど徹底抗戦ムードだった。そうしたなか、日本は防衛省が2019年から2021年にかけて、日本の領空内で確認された「気球型の飛行物体」について、「中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定される」との公式見解を公表。それに対し、中国外務省は早々に日本側へ「客観的かつ公平的な立場を堅持し、米国に続いて騒ぎを煽り立てないよう要求する」との談話を発表していた。

対して後者は、昨日発表された注目の米消費者物価指数が前年同月比プラス6.4%となり、7ヵ月連続の鈍化となったものの市場予想を上回る結果に。ドル/円は指標発表後の乱高下を経たのち、ドルが大きく上昇する一因となっていた。そののち、米通貨当局者から強弱両サイドの発言が聞かれるも、市場はダラス連銀総裁の「ターミナルレート(政策金利の最終到達点)が現在広く予想されている水準を上回る必要があるかもしれない」、リッチモンド連銀総裁の「従来の想定より高い水準に政策金利を引き上げる必要性が生じかねない」などとした強気コメントにより反応していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、13日に抜けられなかった6日高値132.90円を昨日「しっかり」と上抜け。133.31円まで値を上げている。そして本日東京も一時下押しが入ったが、結局ドルの逆行高だ。ドルの基調は強いと言わざるを得ない。少し遠目ながら年初来高値である134.78円も視界内に捉えられており、さらなるドル高の進行。まずは134円台乗せなどをうかがう展開も。
日米金融政策が引き続き注目を集めるなか、東京時間には岸田首相が「アベノミクスを継承するか否かは日銀新体制がしっかりと判断」と明言を避けながらも、やや弱目のトーンのコメントを発していた。一方、米国サイドは発表された経済指標が良好で、要人発言もまだら模様ながら強気コメントへの市場反応が勝っているような状況だ。いずれにしても、本日も発表される米経済指標や要人発言に一喜一憂する展開を見込む向きが少なくない。

テクニカルに見た場合、ドル/円はまだしっかりと超えてきたとはいえ言えないものの、133円レベルに位置する一目均衡表の先行帯の雲の下限を上抜きかかっている。昨日報じたように、雲の下限は来週初めにかけて132円前後へとレベルを切り下げる見込みであるため、一連の動きのなかでこのあと雲の下限をハッキリと上抜けていく公算が大きい気もするがどうなるか。それに対するドルの強いサポートは昨日安値の131.51円。

一方、本日は米経済指標として、2月のNY連銀製造業景況指数や1月の小売売上高などが発表される見込みで、それら内容には引き続き要注意。市場では3日に発表された米雇用統計の好数字に続き、昨日発表された消費者物価指数も良好で米指標に対する期待感が強い。よって、逆に悪い数字が出た場合の反応に、より要注意かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.60-134.00円。ドル高・円安方向は目先の明確な上値メドを指摘しにくいのだが133.75-80円レベルに一応のテクニカルポイントが。超えていくと134円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の先行帯の雲の下限をめぐる攻防にまずは注目。再び下回ると、逆に抵抗となるのか否かが注視されている。それ以下で強いドルのサポートは昨日安値の131.51円。

ドルの上値展望広がる、続伸にも注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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