日銀総裁人事などにらみ思惑交錯した展開(2/10夕)

10日の東京市場は往来相場。131円台後半を中心とした一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

日銀総裁人事などにらみ思惑交錯した展開(2/10夕)

日銀総裁人事などにらみ思惑交錯した展開

〇本日のドル円、131.40-85といった50ポイント弱のボックス圏で上下に振れる展開
〇日銀正副総裁人事案の国会提示と米消費者物価指数の発表が予定される来週2/14は要注意
〇多少荒っぽい変動をたどる可能性はあるが、131-132円台を中心としたレンジ取引が続くか
〇ドル高・円安方向は本日ほぼ同レベルで上げ止まった昨日高値131.85前後が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は131円前後の攻防にまずは注目、しっかり下回れば昨日安値130.34が視界内
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.20-131.80

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場は往来相場。131円台後半を中心とした一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル/円は131.55円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。131.40-85円といった50ポイント弱のボックス圏で上下に振れる展開だった。途中、衆議院財務金融委に出席した黒田氏と雨宮氏、日銀の正副総裁からの発言が聞かれるも相場に大きな影響を与えるまでには至らず。16時現在では寄り付きに近い131.55-80円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本金融政策」と「偵察気球問題」について。
前者は、昨日欧米時間から本日早朝にかけて、S&Pグローバル・レーティングが、「日銀の利上げは、日本のソブリン債格付けに影響する可能性がある」と警告したとして話題に。また、「政府、日銀総裁らの人事案を14日に国会提示する方針」とした一部報道も思惑を呼ぶ。そうしたなか、前述したように黒田氏と雨宮氏、日銀の正副議長が衆議院財務金融委に出席。黒田氏からは「大規模緩和は効果が副作用を上回っている」、「2%の物価安定目標を出来るだけ早期に実現する考えは変わらない」、雨宮氏は「持続的・安定的な物価目標実現を目指す」、「2%の物価安定目標と金融政策は適切」などと述べていた。

対して後者は、引き続き「中国の偵察気球」をめぐり米中が激しい論戦を繰り広げる。米国務省は「中国がこれまでに、五大陸の40ヵ国超の上空に偵察気球を飛ばしていた」と指摘したうえで、「複数のアンテナなど通信傍受機器が搭載されていた」ことを明らかに。それに対し中国サイドは、「米国の主張は国際世論を動かすための情報戦だ」と反発。さらに、かつて同様の飛行物が観測されている日本に対しても「米国に追随するべきではない」とクギを刺していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日130.34円まで下落し、7日安値を一時下回るもそののち大きく買い戻されている。日足は陽線引け。したがってドルの下値余地が広がったとも言えそうになく、当初予想していた130.48-132.90円という2.4円レンジが少し広がっただけか。多少荒っぽい変動をたどる可能性までは否定できないが、それでも基本的には大きな意味ではレンジ内にとどまる見込みだ。
昨日、「材料面から考えると米消費者物価指数が発表される来週14日がとくに要注意」−−と報じたが、その14日に新たな注意事項が加わった。それは先でも取り上げ、また自民党の高木国会対策委員長が明らかにした「日銀正副総裁人事の提示」になる。もちろん人事案は、のちの衆参両院議運委における所信聴取などを経ての正式決定になるものの、それでも政府が一体誰を正副総裁に推すのか、14日の東京市場は激しい上下動をたどる危険性もないではない。なお、このあと欧米時間は、本日は発表される米経済指標ならびに要人発言に要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日もトータル1.5円ほどの変動をたどったものの、移動平均の21日線と一目均衡表の先行帯の雲の下限に挟まれる展開。下値は堅いが上値も重い、といった様相に変わりない。本日欧米時間に決して材料がないというわけではないが、前述した来週14日をにらみつつ、しばらくのあいだ131-132円台を中心としたレンジ取引が続く可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には発表された1月消費者物価などインフレ指標が思ったほど伸びなかった「中国情勢」。ゼレンスキー大統領がEU首脳会議に出席、それと絡め「幾つかの国が航空機提供を用意」と伝えられていた「ロシア・ウクライナ情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表される予定となっている。もちろん、その内容に注目だがここ最近は内容の良い指標が少なくないだけに、悪い数字だった場合には不意を突かれるようなことにもなりかねない。また、ウォラーFRB理事などによる講演にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.20-131.80円。ドル高・円安方向は昨日高値であり本日東京もほぼ同じレベルで上げ止まった131.85円前後が最初の抵抗。ただし上抜けたら132円台回復も。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の基準線が位置する131円前後の攻防にまずは注目。しっかり下回れば少し遠いが昨日安値130.34円が視界内に。

日銀総裁人事などにらみ思惑交錯した展開

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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