依然日銀総裁人事などが市場で思惑呼ぶ(2/7夕)

7日の東京市場はドルが小安い。ただ、132円を割り込むには至っておらず、昨日早朝に空けた下方向のギャップもいまだ埋めきれない。

依然日銀総裁人事などが市場で思惑呼ぶ(2/7夕)

依然日銀総裁人事などが市場で思惑呼ぶ

〇本日のドル円、132.60-65で寄り付き夕方132.05レベルまで値を下げるも、132円割れには至らず
〇ドル円の上値は重く133円には届かなかったもののリスクはドル高方向、133円台乗せの有無に注目
〇昨日早朝に空けた131円半ば以下のギャップを、いまだ埋め切れていないことが気掛かり
〇本日、パウエルFRB議長やバイデン米大統領の発言機会予定、波乱要因となる可能性も
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ131.40-132.90、ドル高・円安方向は132.70レベルなどが抵抗か
〇ドル安・円高方向は、昨日安値131円半ばをめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場はドルが小安い。ただ、132円を割り込むには至っておらず、昨日早朝に空けた下方向のギャップもいまだ埋めきれない。

ドル/円は132.60-65円で寄り付き、しばらくは底堅い展開をたどるもジリジリと下値を切り下げる展開。おおむね「寄り付き高・大引け安」といってよい値動きで、夕方には日中安値132.05円レベルまで値を下げている。本日も日銀総裁人事などに関する思惑が交錯するなか、16時現在ではドルは安値圏の132.15-20円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀総裁人事」と「米国情勢」について。
前者は、昨日日経新聞が報じた「政府、雨宮氏に日銀総裁就任を打診」について、鈴木財務相が「聞いていない」と早々と火消しに動くも、市場は思惑を引きずる格好に。また、共同通信などが「政府は日銀正副総裁案を来週国会提示へ」と伝えるなか、茂木自民党幹事長からは「総裁人事はまさにこれから最終局面に入っていく」との発言も聞かれていた。さらには、鈴木財務相から「今後とも為替市場の動向をしっかりと注視する」との口先介入が聞かれたうえ、改めて「雨宮氏に打診していない」と再度否定コメントが発せられていたようだ。

対して後者は、先週末に発表された米雇用統計が非常に強い内容だったこともあり、米地区連銀総裁などから発せられたコメントが思惑を呼ぶ。たとえば、アトランタ連銀総裁からは「予想以上の利上げが必要になる可能性もある」との発言が聞かれている。一方、それとは別に米債務上限問題について、与野党の攻防がさらに激しくなってきた感も否めず、双方からけん制コメントなども相次いでいた。なお、米NEC委員長によると、バイデン氏は7日の一般教書演説でもこの問題に触れ、「米議員は交渉の切り札として利用すべきではない」と主張。苦言を呈する見通しだという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場の上値は重く、結局昨日そして本日と133円にはとどかず。しかし、リスクは引き続きドル高方向にバイアスが掛かりそうで、本日はまず133円台乗せの有無に注目。しっかり乗せれば、ジリジリとレベルを切り下げてくる一目均衡表の先行帯の雲の下限が次のターゲットに。ただし、昨日早朝に空けていまだ埋め切れていない131円半ば以下のギャップをしっかりと埋めきるようだと、相場観を一旦ニュートラルに戻した方が良さそうだ。
共同通信やロイターなどが報じた「政府、日銀の正副総裁案を来週国会提示」をめぐり市場では思惑が交錯している。ちなみに、鈴木財務相は否定しているものの、それでも日経新聞が「打診した」と伝えている雨宮副総裁の総裁昇格見通しが有力視されているようだ。また総裁以外では、副総裁への女性就任の有無が関心を集めているようで、有力候補としては元日銀プロパーである翁日本総合研究所理事長の名前が取り沙汰されているが果たして如何に。そうしたなか、このあとはバイデン氏やパウエルFRB議長の発言に注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去2週間ほど形成していたレンジの上限131.58円を超え一時133円に迫る展開。リスクという意味ではドル高方向にバイアスか。しっかり乗せればさらなる上値展望が開けるものの、昨日空けた下方向のギャップをいまだ埋め切れていないことは気掛かりだ。本日東京のドルは緩やかな右肩下がりで一時132.05円レベルも。ギャップ埋めに向けた動きをたどっている可能性もある。

一方、本日は米経済指標として、12月の貿易収支や同消費者信用残高などが発表されるうえ、パウエルFRB議長のインタビューなども予定されている。また、バイデン米大統領による一般教書演説、スナク英首相が内閣改造を発表する見通しとの報道もあり、これらも波乱要因となりかねない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.40-132.90円。ドル高・円安方向は東京高値の132.70円レベル、そして昨日高値132.90円などが抵抗か。
対するドル安・円高方向は、昨日安値131円半ばをめぐる攻防にまずは注目で、下回るとギャップを埋め切れるかに否かに関心が移行しそうだ。

依然日銀総裁人事などが市場で思惑呼ぶ

ドル円日足


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