上下とも攻めにくく、短期的にはレンジか(1/20夕)

20日の東京市場はドルが小高い。ザラ場ベースで超えることはあっても定着できていない129円レベルの攻防に注目だ。

上下とも攻めにくく、短期的にはレンジか(1/20夕)

上下とも攻めにくく、短期的にはレンジか

〇本日のドル円、128.40-45で寄り付き一時129.30レベルまで値を上げるも、その後やや小緩む
〇底堅さが増しているものの129円台は重く、目先は128円台中心のレンジ取引をたどる可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.00-129.50
〇ドル高・円安方向は129.30レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、128.35レベル、あるいは128.25レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場はドルが小高い。ザラ場ベースで超えることはあっても定着できていない129円レベルの攻防に注目だ。

ドル/円は128.40-45円で寄り付いたのち、緩やかな右肩上がり。129円を超え、日中高値の129.30円レベルまで一時値を上げた。米金利の上昇などが材料になっていたという。しかし、129円台はやはり重く上げ渋ると夕方に掛けてやや小緩む。16時現在では129.10-15円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「露・ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、米独国防相が会談を実施し、ウクライナへのドイツ製戦車供与を議論するも結論出ず。しかし、ポーランド首相が「ドイツの承認なしで戦車提供することは可能」と述べたほか、独経済紙が「ドイツ企業、100台以上の戦車供給の用意」、フィンランド外相も「レオパルト2など主力戦車供与の用意がある」と指摘するなど、ウクライナへの武器支援の動きが顕著だった。そんな西側諸国の対応に苛立ちが募っているのか、ロシアのラブロフ外相からは「ロシアに対する厚かましく、植民地支配的な西側諸国高官の姿勢を正す」とした、ある種の暴言も観測されていたようだ。

対して後者は、ロイターが、イエレン米財務長官の訪中の準備を整えるため、「米財務省高官チームが2月に中国入りする計画」と報じ話題に。その前にはダボス会議開催に合わせ、中国副首相と米財務長官と対面会談が観測されるなど、関係改善に向けた動きは経済面において明るい材料と言えそうだ。ただ、そうしたなかWHOが発表した週次報告書において、1月15日までのあいだに「中国、新型コロナ感染で入院した人の数はコロナ禍が始まって以降で最高となった」と発表している。続報にも注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は再びドルが買われる展開となっているものの、129円台では頭も重そう。日銀による金融政策の結果が公表された18日の日足が2円を超える長い上ヒゲ。129円から上の水準は、その際の上ヒゲの部分に当たり、こなしていくにしても若干の時間が必要だろう。それよりむしろ、ドルの上値の重さから一転して下値を試す展開を警戒する声もある。16日安値127.22円を下回るようなら、下値は再び波乱含みに。
日米金融政策が注目されているが、発表される米経済指標などによって市場は一喜一憂。基調がこまめに変わる猫の目相場をたどっている。そうしたなか、本日も12月中古住宅販売件数が発表されるほか、ウォラーFRB理事による講演なども見込まれており、内容如何では予断を許さない。なお、それとは別に今週末22日、いよいよ中国が春節(旧正月)を迎えることもあり、来週以降は新型コロナの感染拡大が市場の波乱材料となる懸念も一部で取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円はなかなか悩ましい足形。先週末から昨日まで5営業日連続でドルの安値は127円台で、ドルの底堅さが増している感があるものの、18日の長い上ヒゲがドルの上昇を抑制しそう。つまり、それからすると目先は128円台を中心としたレンジ取引をたどる可能性も否定できない。2月1日に結果が発表される次回米FOMCをにらみつつ思惑が交錯。明確な方向性がしばらくは出にくい展開もあるか。

一方、本日は米経済指標として、12月中古住宅販売件数が発表されるほか、ウォラーFRB理事による講演など、最終日を迎えるダボス会議を含めた欧米要人の発言機会も多い。市場の変動要因として本日も一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.00-129.50円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる129.30円レベルが最初の抵抗。上抜ければ130円台乗せをうかがう。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の128.35円レベル、あるいはその少し下の128.25円レベルの攻防にまずは注目。下回ると、昨日安値127.77円がターゲットに。

上下とも攻めにくく、短期的にはレンジか

ドル円日足


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