依然相場は落ち着かず、荒い値動き継続も
〇本日のドル円、日中高値132.30到達後に1円近く下落、底値つけた後は再び132円台回復を狙う
〇先週は米経済指標を受け134.78まで上昇するが急反落、今週も思わぬ価格変動に注意
〇本日は米11月消費者信用残高発表や、バイデン氏らによる北米首脳会談を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.30-132.80、132.30レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は131.30-35をめぐる攻防に注目、割り込めば130円前後が視界内に
<< アジア市場の動き >>
週明け9日のアジア市場は、結果「行って来い」。一時ドル安が進行するも続かず、買い戻されている。
先週末8日、中国が入国時の隔離撤廃を発表し話題に。ただ、主要な欧米諸国などは入国制限などを設けており、旅行者が大きく増加するかは未知数だ。また、ロシアが一方的に宣言した「36時間停戦」が終了したものの、予想通り(?)約束が守られなかったことが明らかになっている。
そうした状況下、ドル/円は132円前後で寄り付いたのち、日中高値の132.30円レベルを示現。しかし、以降は逆にドル売りが優勢となり、131.30-35円まで1円近い下落をたどっている。ただ、目先底値を付けたのちはVの字型の回復で再び132円台回復をうかがう。結局、16時現在では131.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「国際政治情勢」と「中国情勢」について。
前者は、今年1月から日本がG7議長国に就任することもあり、岸田首相は9日に欧米歴訪へと出発した。一連の過程のなかでマクロン仏大統領、メローニ伊首相、スナク英首相、バイデン米大統領などと相次ぎ会談を行う予定だ。そして、日米首脳会談においては「次世代原子炉の開発協力で合意」する見通しとされるほか、首脳会談後に安保共同文書も発表するもよう。また、同じ日米では別途、11日に林外相らが出席し「日米安全保障協議委員会(2プラス2)」が開催される予定となっている。今週は注目の政治案件も多く、そちらも一応要注意。
対して後者は、前述したように中国が8日からの入国時隔離撤廃を発表し話題に。ただし、その一方で中国交通運輸省が、22日の春節(旧正月)前後40日間の旅客数が延べ20億9500万人になるとの予測を発表するなど、新型コロナの感染拡大懸念もそこここで声高に懸念されていた。そのため、日米欧などがいわゆる水際対策を強化しただけでなく、ドイツやベルギーは「中国への不要不急の渡航を見合わせるよう呼び掛け」措置を発令。一歩踏み込んだ動きも観測されている。一方、それとは別に、中国軍は台湾周辺で「パトロールと実践的な演習」と称した威嚇行動に動いていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
先週は発表された米経済指標に一喜一憂。ドル/円相場もなかなか激しい上下動をたどっていた。目先のレンジ上下限をともに確認した感も否めず、基本的には、居心地の良さげな131-133円程度を中心としたレンジ取引を見込む向きも。ただ、昨年からのボラティリティの高い状況はいまだ続いており、今週も油断は禁物か。思わぬ価格変動に対するリスクヘッジもしっかりしておきたい。
引き続き日米を中心とした金融政策への関心が高いなか、米国については強弱両サイドの意見が混在している。したがって、いま少し発表される米経済指標の内容や米要人の発言を見極めたいとする向きも多く、今週もそれら要因にまずは注目だ。一方、それとは別に8日に中国が入国時の隔離撤廃したことを受けた新型コロナの感染拡大が場合によっては相場のかく乱要因に。果たして各国の水際対策などで感染拡大に歯止めをかけることが出来るのだろうか。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末に一時134.78円まで上昇するも、そののち急反落。東京休場の本日アジア時間には131.30円台と、前記高値から3円を超える下落をたどっている。大きくとれば129.50-134.80円というワイドなレンジ内だが、依然として相場は落ち着かず価格変動はいまだ激しい。レンジ放れに向けた動きをたどるのか、それとも次の一手をにらみ少しずつ相場は落ち着きを取り戻すのか、まずは足もとの動意をしっかりと見極めたいところだ。
本日は米経済指標として、11月の消費者信用残高が発表される予定となっている。またアトランタ連銀総裁が討論会に参加、バイデン氏はメキシコのロペスオブラドール大統領らと北米首脳会談を開催するもようだ。後者も一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.30-132.80円。ドル高・円安方向はアジア高値の132.30円レベルが最初の抵抗。抜ければ133円台回復を目指す。
対するドル安・円高方向は、やはり本日アジア安値の131.30-35円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば130円前後が再び視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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