ドル円、先週末金曜日以降のドル売りの流れが継続し、一時131円台前半へと続落(1/10朝)

週明け9日(月)のドル円相場は冴えない動き。

ドル円、先週末金曜日以降のドル売りの流れが継続し、一時131円台前半へと続落(1/10朝)

ドル円、先週末金曜日以降のドル売りの流れが継続し、一時131円台前半へと続落

〇ドル円、先週末の米指標の不冴え等による米長期金利の急低下にアジア時間に131.32まで下落
〇欧州時間に一時132円台を回復するもNY連銀の期待インフレ率低下等に米国時間に再び132円割れ
〇ユーロドル、米金利低下受け一時7ヶ月ぶり高値1.0761へ急伸、そのまま高値圏で推移
〇ドル円主要テクニカルポイント下抜け、売りシグナルも複数点灯継続、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測からのドル買い円売り地合い強まる
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日、5・10日の公表ドル買いの動き要注意、予想レンジ:130.50ー132.50

海外時間のレビュー

週明け9日(月)のドル円相場は冴えない動き。(1)先週末金曜日に発表された米12月平均時給(結果+4.6%、予想+5.0%、前回+4.8%)が市場予想を大幅に下回ったこと(インフレ鈍化期待の高まり)や、(2)米12月ISM非製造業景況指数(結果49.6、予想55.1、前回56.5)が好不況の分岐点となる50を割り込んだこと、(3)上記1、2を背景に米長期金利が急低下したこと(米金利低下→米ドル独歩安)、(4)株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り再開)が重石となり、週明けアジア時間に、安値131.32(1/4以来の安値圏)まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)米長期金利の反転上昇や、(6)短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州勢参入後に、高値132.65まで反発する場面も見られました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)ニューヨーク連銀が公表した1年後の期待インフレ率が前回の5.2%から5.0%へ低下したことや、(8)上記7を背景とした米長期金利の再低下が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/10午前4時30分現在)では、131.62前後まで値を崩す展開となっております。尚、昨日はアトランタ連銀ボスティック総裁より「FF金利を5.00%ー5.25%にまで引き上げ、そこで一時停止することを望む」「5%超で金利を長期間維持することが望ましい」との発言が見られた他、サンフランシスコ連銀デイリー総裁からも「次回FOMCでは25bpと50bpの両方が議題になる」「ピーク金利は5.00%を超える水準になる可能性が非常に高い」との発言が見られましたが、ドル買いでの反応は限定的となりました。

週明け9日(月)のユーロドル相場は堅調推移。アジア時間早朝に、安値1.0636まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)先週末金曜日以降のドル売りの流れの継続(米12月平均時給および米12月ISM非製造業景況指数の市場予想を下回る結果→米ドル全面安)や、(2)中国政府による新型コロナウイルス感染対策を目的とした入国時隔離義務の完全撤廃(中国経済の回復期待→市場心理改善→株高→リスクオンのドル売り再開)、(3)ニューヨーク連銀公表の1年後の期待インフレ率低下(前回時点の5.2%から5.0%へ低下)、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、昨年6/9以来、約7ヵ月ぶり高値となる1.0761まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/10午前4時30分現在)では、1.0750前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は1/6に記録した直近高値134.79をトップに反落に転じると、週明け1/9に一時131.32まで急落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転やダウ理論の下落トレンドも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます(短期的な持ち直し期待が剥落→再び年初1/3に記録した約7ヵ月ぶり安値129.51が射程圏内に)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め休止観測(平均時給の伸び率鈍化や、ISM非製造業景況指数の50割れを受けて、市場では米FRBによる年内利下げ観測や年内QE再開観測が台頭→米金利低下・米ドル売りの流れが活発化)や、(2)日銀による金融緩和の修正観測(1/18に予定されている展望レポートで物価見通しが上方修正されるとの思惑→金融緩和・追加修正の布石との見方)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差縮小観測とそれに伴う円キャリートレード逆流懸念(投機筋のネット円ショートがもう一段縮小するとの思惑)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(本日は5・10日となるため、日本時間9時55分に予定されている公表相場決定にかけての一時的なドル買い・円売りに警戒。但し、その後は米金利低下に伴うドル売りと、株高に伴うリスクオンのドル売りの組み合わせでドル円には下押し圧力が加わる見通し)。尚、本日は特段目立った米経済イベントが予定されていないものの、スウェーデン中銀が主催するシンポジウムにパウエルFRB議長、黒田日銀総裁が出席するため、要人発言等のヘッドラインには注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:130.50ー132.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、先週末金曜日以降のドル売りの流れが継続し、一時131円台前半へと続落

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