ドル下値トライ機運は一旦仕切り直しか(01/04夕)

4日の東京市場はドルが小安い。ただ、前日一時的に割り込んだ130円を再び下回ることはなく、130円半ばでは取り敢えず底堅かった。

ドル下値トライ機運は一旦仕切り直しか(01/04夕)

ドル下値トライ機運は一旦仕切り直しか

〇本日のドル円、高値131.40-45到達後は円高進行、130円台後半を中心とした揉み合い推移に
〇昨日130円割れを示現するが2円近く戻す、129.50-131.50レンジをどちらに抜けるのかに注目
〇日銀総裁「金融緩和継続」を強調するが、市場は退任織り込み済み、政策変更に関する思惑根強い
〇本日は12月ISM製造業景況指数、FOMC議事録要旨公開を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.60-131.20、上方向は131円前後が最初の抵抗
〇下方向は130円前後をめぐる攻防に注目、下回ると129.51がターゲット

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場はドルが小安い。ただ、前日一時的に割り込んだ130円を再び下回ることはなく、130円半ばでは取り敢えず底堅かった。

ドル/円は131円前後で寄り付いたのち、当初はドル買いが先行し日中高値の131.40-45円へ。しかし、上値も重く反落に転じるとジリジリと130円半ば近くまでドル安・円高が進行している。その後は130円台後半を中心とした揉み合いをたどるなか、16時現在では130.75-80円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の要人発言」と「中国情勢」について。
前者は、ロイターが「岸田首相とバイデン米大統領が早ければ13日にワシントンで会談する見通し」と報じるなか、その岸田首相は本4日が仕事始め。伊勢神宮を参拝したのち年頭記者会見に臨み、「新たな挑戦をする1年にしたい」と意欲を示していた。また、「インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」、「今月8日から水際措置をさらに強化する方針」などといったコメントも発せられていたようだ。一方、黒田日銀総裁は全国銀行協会の賀詞交歓会で挨拶。そのなかで、賃金上昇をともなう物価目標を安定的に実現するまで、金融緩和を継続すると強調したという。

対して後者は、英紙FTが「EU、中国にコロナワクチンの提供を申し出」と報じ一時話題になるも、メンツを重んじる中国サイドはこれを拒否したもようだ。中国外務省からは「必要な人に接種する能力はある」といったコメントが発せられていた。また、同省はそれとともに、各国で広がる新型コロナ対策としての入国規制強化を「政治的な動き」だと非難。そのうえで、対抗措置をとる方針を示している。今後の動きにも一応要注意。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日、一時7ヵ月ぶりとなる130円割れを示現するも、終わってみれば日足は陽線。つまり、寄り付きよりも高いレベルでドルはNYを大引けている。予断を許さないが、これからするとドルの下値リスクが高まったとは言えそうになく、一旦相場観をニュートラルに戻し、いま一度相場の行方をじっくりと見極めたいところだ。129.50-131.50円といったレンジをどちらに抜けるのかにまずは要注目。
前述したように黒田総裁から「金融緩和継続」を示唆する発言が聞かれたものの、市場は今年4月上旬の退任をすでに織り込んでおり、むしろ日銀の政策変更に関する思惑が根強い。一方、米国については引き続き発表される米経済指標の内容や要人発言などに注目で、本日でいえば12月のISM製造業景況指数の内容如何で波乱含みかもしれない。また、昨日のNYダウなど米株全体としてはそれほど大きく下げなかったが、テスラやアップルなど一部個別企業に対する業績悪化懸念が聞かれていることは少し気掛かりだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は7ヵ月ぶりの130円割れを示現で下値リスクが強まったように見られたが、その後の展開などを見ると断定するにはやや早計かもしれない。下値トライが失敗したとは言えないものの、その後の本日東京時間には131.40円台と目先安値から一時2円近くも戻している。一旦は仕切り直しの感も。今週末に米雇用統計という注目の米経済指標の発表を控えていることもあり、しばらくは揉み合いのなか次の方向性を探る展開が続くか。

本日は米経済指標として、12月のISM製造業景況指数などが発表されるほか、12月13-14日に実施されたFOMCの議事録要旨が公開される。前者の数値はもちろん、後者の内容も警戒する向きは多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.60-131.20円。ドル高・円安方向は東京時間午後にかけて上値が重くなってきた感のある131円前後が最初の抵抗。抜ければ昨日高値131.40円レベルを目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日欧米安値の130円前後をめぐる攻防にまず注目。下回ると昨日安値129.51円がターゲットで、それも下回ると再び軽いフリーフォール状態に。

ドル下値トライ機運は一旦仕切り直しか

ドル円日足

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