主要欧米休場で基本は小動き予想
〇本日のドル円、一時132.30円台まで下げるが攻めきれず、欧米市場休場でレンジ内小動きに終始
〇12/20安値130.57以降は緩やかな回復傾向、131-132円台レンジを如何に放れるのか注視
〇ここ連日続くドル安値切り上げ、崩れた場合にドル下押し機運が再度強まる可能性も
〇本日午後の黒田総裁発言、新味に欠ける内容で影響は限定的
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.30-133.00、上方向は132.80-85の攻防に注目
〇下方向は132.30-35が最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
週明け26日の東京市場はレンジ取引。一時ドルの下押し機運が強まったが132.30円台までで、攻め切れなかった。
先週末は、中国国家衛生委が「25日から新型コロナの日次感染者数の公表を停止する」と発表したことが話題に。一方、ロシアによるウクライナ侵攻だが、ウクライナ側の発表によると「ロシア軍はクリスマスも各地でミサイル攻撃を実施」していたもようだ。
そうした状況下、ドル/円は132.75-80円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。本日はクリスマス明けの「ボクシングデー」などで、主要な欧米市場が引き続き休場となる先が多く、おおむね売買は見送られていた。なお、午後に注目の黒田日銀総裁の発言が伝えられるも新味に欠けることもあり影響は限定的。16時現在では132.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「日銀金融政策」について。
前者は、中国のコロナ状況については、前述した「日次感染者数の公表を停止」と発表され物議を醸すなか、英紙FTは中国保健当局幹部の内部推計をもとに、「12月1-20日の20日間に2億5000万人近くが新型コロナに感染した可能性がある」と報じていた。事実とすれば、かなりショッキングな内容と言えよう。一方、それとは別に中国外務省は、米国で成立した国防権限法に台湾への軍事支援強化が盛り込まれたことに「強い不満と断固反対」を表明。さらには、対抗措置とみられる台湾周辺の海空域で火力を用いる軍事演習を実施したことも明らかにしていた。
対して後者は、先週予想外の「事実上の利上げ」に踏み切った日銀の黒田総裁が本日昼過ぎに講演を行ったことが注目を集める。ただ、全体的には前述した「利上げ」観測を否定、火消しに動くような弱気なトーンが目に付き、為替市場でも若干ながら円売りに繋がっていた模様。ちなみに、具体的な発言としては「今回の措置、出口の一歩ということではまったくない」、「緩和的な金融環境をしっかりと維持していく」などと伝えられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は20日に130.57円まで下押しをしたのち、緩やかな回復傾向。先週末の23日には一時133円台を回復している。予断を許さないものの、ドルの下押しリスクが幾分軽減したようだ。ただ、先週末に示現したドルの戻り高値は133.14円で、これは起点を11月の高値142.25円と考えても、下げ幅の23.6%戻し(133.30-35円)にさえとどいていない状況だ。足もとの131-132円台を中心としたレンジをいつ、そしてどちらに放れるのかがまずは注視されている。
一般的には「事実上の利上げ参加表明」を行ったと考えられている日銀だが、黒田総裁は本日も「出口の一歩ということではまったくない」と明確な否定コメントを発していた。だとすると、意図するものは果たして何なのか、いまひとつよくわからないのだが、いずれにしてもまたしばらくこの問題は尾を引きそう。次期日銀総裁人事と絡め、来年にかけても折に付け市場の波乱として話題になる公算が大きいだろう。一方で、現行の米金融政策の転換についての市場の関心も極めて高い。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先日の130.57円で目先安値をつけた感があるものの、ドルの上値も重い。先週末高値の133.14円あるいはフィボナッチポイントの133.30-35円を超えれば、さらなる戻りも期待できるが果たして如何に。
しかし、ここ数日続いている連日のドル安値切り上げ傾向が崩れると、市場のムードが変化し再びドルの下押し機運が強まる可能性もある。そうした意味では先週末安値の132.16円をめぐる攻防にまずは注目だ。
本日は主要な欧米市場が休場ということもあり、目立った米経済指標の発表や要人の講演などの予定はなし。基本的には動きにくい雰囲気でレンジ取引の継続が見込まれている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.30-133.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値132.80-85円の攻防にまず注目。抜ければ先週末高値133.14円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値圏である132.30-35円が最初のサポートか。下回ると少し遠いが130.57円が薄っすらと視界内に入ってくる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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