シカゴポジション(CME)366
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年12月20日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週はNZドルが大きく動きました。その他3通貨は従来の相場観を維持していますが、豪ドルと円はシカゴ相場観の岐路にきているのか否かの微妙な位置にいます。
まず豪ドルですが、ややショートを縮小し、ネットで34,000枚のショートを維持していますが、総枚数では何と11,800枚減ですので、いよいよ次の一手が重要になりそうです。高値は13日締日の0.6895(終値0.6853)、20日締日終値が0.6677ですので、かなり高いところでショートを多めに手仕舞いしたことになります。現在のスポットは高値から200ピップス程度豪ドル安になっており一安心ですが、もし相場観通りに豪ドル安になった場合、一段と手仕舞いしてくるのか、売り増してくるかに注目したいと思います。
その1材料として、NZドルはポジションを一気にひっくり返してきました。オセアニア通貨では対照的な動きになっています。しかも目安となる7,000枚に乗せてきているので、様子見とは言えないポジションです。前回損切りの可能性を書きましたが、その流れになっており、再度ひっくり返しの損切りもあり得ます。13日締日高値が0.6515付近、終値が0.6462、14日〜20日のレンジが0.6300〜0.6471ですので、ひっくり返しのコストも悪く、現在のスポットは20日締日終値から更に100ピップス程度NZドル安です。もし明日の締日で押し目買いしていたら、豪ドルとの整合性の観点から豪ドルはショートを手仕舞いしてくる可能性がでてきます。
円はショートを12,300枚減少し、2週間で25,000枚のネットショート減です。6日締日終値が137円00銭、20日は131円73銭、この日の底値が130円58銭でしたので、この間6円強の円高ですが、まだ4万枚を越えるネットポジションを維持しています。目安となる5万枚以下になりましたので、場合によりひっくり返すことも想定しておく必要があります。長期間に亘るドル高相場の転換点になるかを見極めます。日銀ショックの円高でもドルロングを我慢しているので、まだドル先高観を捨てていない様ですが、今年8月以来の4万枚(8月時最低はネット25,000枚ショート)ですので、新年度に入ってもドル先高を見ているか注目されます。
ユーロはネットロング17,500枚増で、次の目安15〜16万枚近くになってきています。ここでの積み増しですので、ユーロは一段高を見ていることになります。当面は最低でもこのまま維持していくかを見ます。
先週のシカゴは、ロング6,300枚減、ショート20,100枚減となり、差し引き13,800枚のショート減で、ポジションはNZドルロングにひっくり返してきました。総枚数は2万枚まで減らしているので、このロングポジションもこのまま維持するかは不透明です。今後2〜3週間で少なくともNZドル買いサイドが2万枚越えるか否かをみます。
直近シカゴがNZドルショートを積み上げ始めたのが11月上旬で、その時点の終値が0.5841〜0.5954でした。その後13日の締日終値が0.6462、14日〜20日のレンジが0.6300〜0.6471で、NZドルが下がってきたところで手仕舞いし、買い下がってロングに切り替えているので、かなりの確率で損切りと思われます。下図のチャートを見ると、チャート内の黒のNZドル安トレンドラインが0.5810〜0.6530にあり、前回よりはNZドル安ですが、ロングに切り替えているので、相場観としてはこのトレンドライン上限を抜けるとみているはずです。にも関わらず相場はNZドル安になっているので、本当に買い下がっていくのか注目したいと思います。
さて実際の相場は、先週「…流れは豪ドルと同じで、NZドル高トレンドラインが0.6170〜0.6570(1週間で70ピップス上昇)にあり、この中間にある0.6350が目先のサポートになり、レンジ間の上下を隔てています。現状のスポットがこの0.6350に近いので、やはり週初で守れるか否かとなります」としましたが、中間にあるサポート0.6350を切ってしまい、NZドル下値トライが続いています。今週はこのトレンドラインが0.6170〜0.6640にあるので、現状のスポットは下限近くなっています。もし切れたら、0.6150〜60、0.6080、0.6000〜10の順にあるサポート狙いになります。シカゴはこの場合に再度ロングポジションの損切りをしてくる可能性があります。逆に押し目買いした場合は相当の上値を見ていることになります。そして後者の場合はオセアニア通貨の括りから豪ドルショートを手仕舞いしてくる可能性も高まります。尚、上値は0.6310、0.6350、0.6390にある抵抗線をこなしながら、最後の抵抗線をクリアできれば12月13日高値の0.6515までの上値トライに繋がります。(1NZドル=0.6285米ドル、12月26日14:10)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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