ドル円、下落後に持ち直すも方向感見出せず。休暇明けの海外勢の動きに要注目
○ドル円、黒田総裁講演を控えた警戒感が重石、アジア時間朝方にかけて132.32まで下落
○しかし、黒田総裁が改めて金融引き締め観測を否定したことなどで、欧州時間朝方に133.21まで反発
○ユーロドル、1.0605まで下落後、米国時間朝方に1.0634まで反発するも方向感に欠ける展開
○ドル円、上方に複数のレジスタンスポイントが並ぶなど、テクニカル的に見て上値余地は乏しい
○ファンダメンタルズも、日米金利差縮小観測などドル円相場の下落を連想させる材料増加
○本日からクリスマス休暇明けの海外勢が復帰、ボラティリティの拡大に要注意
○本日の予想レンジ:132.00ー133.75
海外時間のレビュー
週明け26日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。本邦輸出企業の実需のドル売りや、黒田総裁講演を控えた警戒感が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値132.32まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、黒田総裁が「先週のYCC見直しは出口の一歩では全くない」と改めて市場で燻る金融引き締め観測を否定したことや、それに伴う短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値133.21まで反発しました。もっとも、その後は、米国・カナダ・欧州・英国など大半の国が休場となる中、動意に乏しく、本稿執筆時点(日本時間12/27午前2時00分現在)では、132.95前後で推移しております。
週明け26日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。黒田総裁講演を控えた警戒感(ドル円下落→ユーロ円下落→ユーロドル連れ安)が重石となる中、アジア時間朝方にかけて、安値1.0605まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、オランダ中銀クノット総裁による「ECBの金融政策正常化はまだ道半ば」とのタカ派的な見解が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0634まで反発しました。もっとも、その後は、米国・カナダ・欧州・英国など大半の国が休場となる中、動意に乏しく、本稿執筆時点(日本時間12/27午前2時00分現在)では、1.0629前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は12/15に記録した直近高値138.18をトップに反落に転じると、12/20に約4ヵ月ぶり安値となる130.57まで急落しましたが、その後は自律反発主導で底堅さを取り戻し、昨日は133円絡みまで持ち直す展開となりました。但し、上方に複数のレジスタンスポイントが並んでいることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が成立していること、ダウ理論の下落トレンドが完成していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しい(一巡後の反落リスクに要警戒)と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の先行きに関する方向性が乖離しつつあること(既に利上げ最終局面に突入しつつある米国と、これから出口戦略・利上げ開始を見据える日本との政策タイミングの違い)や、上記を背景とした日米金利差縮小観測(円キャリートレード解消の思惑)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日よりクリスマス休暇明けで海外勢が戻ってくるため、ボラティリティの拡大および下落トレンドの再開に注意が必要でしょう(※海外勢はクリスマス休暇明けのタイミングで来年の戦略に基づく仕込み=ポジション構築を始める傾向にあるため、年末・年始に向けて、円キャリートレードの大規模解消を狙ったドル売り・円買いや、欧米金利差縮小を見越したユーロ買い・ドル売りが強まる恐れあり)。
本日の予想レンジ:132.00ー133.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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