目先は落ち着きどころ探す、まだ波乱含みか(12/21夕)

21日の東京市場はドルが底堅い。前日に最大で7円近くもドル安が進行したことの反動もあってか下値は堅い。ただ、上値も重かった。

目先は落ち着きどころ探す、まだ波乱含みか(12/21夕)

目先は落ち着きどころ探す、まだ波乱含みか

〇本日のドル円、131円半ばを安値にじり高推移、132円台回復するが上値重く16時現在132.05-10で推移
〇昨日ドル円は7円の大暴落、市場はサプライズ反応を示す
〇日銀は「金融緩和策修正」を表明するが、事実上の利上げと報じられる
〇円高第二波の動きにも要注意、130円割れ方向に向けた備えが必要か
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.30-132.80、132.65-70をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は131円半ばが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場はドルが底堅い。前日に最大で7円近くもドル安が進行したことの反動もあってか下値は堅い。ただ、上値も重かった。

ドル/円は131.70円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。131円半ばで日中安値を示現したのちは逆にドルがじり高推移となり132円台を回復。しかし、132円半ばにはとどかないなど上値も重く上げ渋りの様相も。結局、132円台前半を中心とした一進一退をたどるなか、16時現在132.05-10円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、昨日東京時間の「日銀ショック」あるいは「黒田ショック」とも言われる事実上の日銀利上げ実施余波をその後も引きずるなか、神田財務官からは「為替はファンダメンタルズを反映し安定的に推移すべき」とした逆に急速な円高を懸念する発言が聞かれていた。また、松野官房長官は「日銀の修正は物価安定目標の実現目指すもの」、自民党の世耕参院幹事長も「アベノミクスの基幹である金融緩和の姿勢には変化がないと理解している」と火消しに動くなど、市場の反応が予想以上だったことが強くうかがえる内容だ。なお、昨日欧米時間はドル/円は130円半ばまで下落したのち、ようやく小反発へと転じるなど円高の第一波は終了した感もあるが、ブルームバーグは外資系大手のソシエテ・ジェネラルが「日本の投資家に外貨建て資産でのヘッジを促す圧力を強め、一段の円上昇につながる可能性がある」と指摘していたと報じていた。このあとの第二波にも要注意だ。

対して後者は、中国が西側諸国と相次ぎ会談を実施。関係改善に向けた動きを活発化させている。実際、19日に仏中外相がオンラインで会談したことに続き、昨日は習国家主席がドイツのシュタインマイヤー大統領と電話会談を行ったという。また、こののちも豪中外相による会談や、日本についても「林外相が12月下旬の中国訪問を調整」などと伝えられている。いったいどういった協議になるのか注目だ。ちなみに、林外相の訪中に関しては、閣議決定されたいわゆる「安保関連3文書の内容について説明する方針」だとされていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日だけで7円近く下落。一連の過程のなかで、14日の134.52円だけでなく2日安値の133.63円も下回ると、一時8月2日の130.40円に接近する局面も観測されていた。リスクは間違いなくドル安方向ながら、起点を年初来高値151.94円と考えれば20円強、11月21日の142.25円であっても10円を大きく超えるドル安の進行だ。そろそろ一旦は終了を迎えても不思議ではないだろう。目先は落ち着きどころを探す動きで、追随的なドル売りにも慎重さを求めたい。

昨日、日銀が表明した「金融緩和策の修正」について、そののち黒田日銀総裁や前述した自民党の世耕参院幹事長などは「金利の引き上げではない」と声高に指摘しているが、本日付け主要全国5紙すべてで「事実上の利上げ」と報じている。バイアスを掛けずに冷静にみても、そうとしか捉えることは出来ず、金融市場の反応もまさに「利上げ実施」の反応だった。いずれにしても、本日すぐに円買いの動きが再燃するかはわからないが、来年に向けた動きのなかでは130円割れ方向に向けた備えをしておいて損はない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日だけで7円近い下落。そのなかで、移動平均の200日線など下方向に位置したテクニカルポイントを割り込んできた。しかし、安値の130円半ばは8月安値にも極めて近く、かなり強いサポートか。したがって、取り敢えずは130円半ばをボトムにやや底堅い値動きを見込む声も聞かれるが、逆に言えば下回ってしまうと、さらになし崩し的なドル安進行も。具体的には5月安値126.36円を目指す展開も想定できる。

本日は米経済指標として、11月の中古住宅販売件数や12月の消費者信頼感指数が発表されるほか、ウクライナのゼレンスキー大統領が訪米し、議会指導部や与野党の安全保障委員会トップと会談する予定とされている。前者の指標発表はもちろん、後者についても一応注視しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.30-132.80円。ドル高・円安方向はまず東京高値の132.65-70円をめぐる攻防に注目。抜けても133円前後が再び抵抗で上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の131円半ばが最初のサポート。下回ると強いサポートは昨日安値130円半ばが再び視界内に。

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ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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