ドル円、暴落後の反動で持ち直すも戻りは鈍い。一巡後の下落相場再開に要警戒(12/22朝)

21日(水)のドル円相場は「暴落後の反動」で持ち直す展開。

ドル円、暴落後の反動で持ち直すも戻りは鈍い。一巡後の下落相場再開に要警戒(12/22朝)

ドル円、暴落後の反動で持ち直すも戻りは鈍い。一巡後の下落相場再開に要警戒

〇ドル円、欧州時間に131.55まで下押しするも米国勢参入後買い戻し強まり132.52まで上昇
〇暴落後の自律反発、米長期金利の上昇、実需のドル買い等が背景
〇ユーロドル、1.06近辺、狭いレンジで方向感に欠ける動き
〇ドル円、2ヵ月で21.35円の大暴落劇、主要テクニカルポイント下抜けテクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも日銀が出口戦略に踏み出したとの見方からキャリートレード解消の思惑強まる
〇本日の予想レンジ:131.25ー133.25

海外時間のレビュー

21日(水)のドル円相場は「暴落後の反動」で持ち直す展開。日銀ショック(12/20に開催された日銀金融政策決定会合でイールドカーブコントロールの見直しをサプライズ的に決定)を背景に、アジア時間未明にかけて、安値130.60(8/2以来、約4ヵ月ぶり安値圏)まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)短期間で下落した反動(自律反発)や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)本邦輸入企業の実需のドル買いが支援材料となり、日本時間14時過ぎに、一時132.36まで反発しました。その後は、(4)本邦長期金利の更なる上昇や、(5)日米名目金利差縮小を意識した円キャリートレードの逆流懸念、(6)株式市場の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)を背景に、欧州勢参入後に一時131.55まで下押しする場面も見られましたが、米国勢が参入すると、再び「ドル買い」の動きが活発化し、日本時間23時過ぎに、高値132.52まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/22午前4時50分現在)では、132.30前後で推移しております。

21日(水)のユーロドル相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力(一時3.72%まで上昇した米10年債利回りが3.62%へ急低下)や、(2)欧州株の堅調推移、(3)短期筋のショートカバーが支援材料となり、日本時間22時過ぎに、高値1.0644まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米金利上昇(米10年債利回りが3.62%から3.69%へ再び上昇)に伴うドル買い圧力や、(5)クリスマス休暇前のポジション調整が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0589まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/22午前4時50分現在)では、1.0610前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は10/21に記録した約32年ぶり高値151.95をトップに反落に転じると、12/20に約4ヵ月ぶり安値となる130.60まで急落しました(僅か2ヵ月で21.35円の大暴落劇)。この間、主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線や基準線、雲上限や雲下限、短中長期移動平均線)を軒並み下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます(昨日は暴落後の反動で持ち直す動きとなりましたが、ここからの更なる上昇は容易では無く、一巡後の反落リスクに要警戒。8/2に記録した安値130.40を下抜けできれば、ダウ理論の上昇トレンド完全崩壊に繋がることから地合いが一段と悪化する恐れあり)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め休止観測(インフレ鈍化フェーズでの積極利上げ継続は、実質金利上昇を通じて米経済のオーバーキルに繋がることから、市場ではドットチャートで示されているようなタカ派的なパスを辿ることは到底出来ないとの見方が主流)や、(2)日銀による金融緩和脱却観測(10/20に開催された日銀金融政策決定会合でYCCの見直しをサプライズ的に決定。黒田総裁は否定するも市場では日銀が出口戦略の一歩を踏み出したとの見方が主流)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差縮小観測(円キャリートレード解消の思惑→ドル円ロングの手仕舞い加速)、(4)原油価格下落に伴う本邦貿易赤字の縮小期待(構造的な円売りの減退)など、ドル円相場の続落を連想させる材料が増えつつあります。

こうした中、本日は米7ー9月期GDP確報値や、米11月シカゴ連銀全米活動指数、米新規失業保険申請件数、米11月景気先行指数、米カンザスシティ連銀12月製造業活動指数などに注目が集まります。市場予想を下回る結果が示される場合には、上記1の見方(米経済の先行き懸念を背景に積極的な利上げを進めることができないとの見方)を通じて、米金利低下→米ドル売り→ドル円下落の流れが再開する恐れもあるため、本日海外時間帯はドル円相場の下落に注意が必要でしょう(クリスマス休暇前で市場参加者の減少が顕著となっているため、流動性低下の隙をついたフラッシュ・クラッシュに引き続き警戒が必要)。

本日の予想レンジ:131.25ー133.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、暴落後の反動で持ち直すも戻りは鈍い。一巡後の下落相場再開に要警戒

ドル円日足

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