米消費者物価に注目、数字如何で乱高下も
〇本日のドル円、137円後半を中心とした一進一退、一時138円寸前まで値を上げるも行って来いの展開
〇12/7高値137.86を一時的に上抜ける局面も、ドル高方向のリスクがやや高くなっている感
〇本日の11月米消費者物価指数発表への関心高い、内容によっては為替に限らず金融市場全般に波乱も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.70-138.40、ドル高・円安方向は138円レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、目先のサポートとして育ちつつある137円前後を割り込めるか否かが鍵か
<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場は一時ドル高に振れるも行って来い。138円に迫るも惜しいところで届かなかった。
ドル/円は137.65円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。137円後半を中心とした一進一退をたどるなか、一時138円寸前まで値を上げている。しかし、惜しいところでとどかず小緩むと結局寄り付きレベルへ。16時現在では137.60-65円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、ロイターが「厳格な新型コロナ規制が緩和されている中国では病院に検査を受ける長い行列が見られた」と伝えるような状況下、中国の駐米大使からは「規制がさらに緩和され、渡航がより容易になる」との見通しが聞かれていた。事実上の「ゼロコロナ政策」の崩壊だが、こののちクリスマスや年末年始などで人の移動がさらに増えることが予想されるなか、感染拡大はやはり心配だ。一方、それとは別に中国商務省が半導体規制めぐり、米をWTOへと提訴したことを明らかにした。「典型的な保護主義の手法だ」などと米国を非難している。
対して後者は、G7首脳がオンライン会合を開き、ウクライナ支援での連携を表明している。そうしたなか、ウクライナ軍がロシア軍の物流拠点である南部メリトポリを攻撃、奪還に向けた下準備が出来たなどとなる現地報道も確認されていた。今後の動静にも注目だ。一方、ひとつ気になるニュースとして、ペスコフ報道官が、今年はプーチン大統領が毎年恒例の年末の記者会見を行わないことを明らかにしたという。昨年はひとりで4時間も記者からの質問に答えたマラソン会見だっただけに、今後様々な思惑を呼びそうだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は依然として大きな意味ではレンジ内。しかし、昨日は7日高値137.86円に一時面合わせし、本日東京時間には一時的に上抜ける局面も観測されていた。まだレンジをしっかり抜けたとは言えないものの、再びドル高方向のリスクがやや高くなっている感も否めない。このあと欧米市場で注目の材料を控えていることもあり、ドルの上値再トライには一応要注意だろう。ちなみに、上抜けた場合には138.40円レベルに位置する移動平均の21日線がターゲットに。
今週もっとも注視されているのは明14日の米FOMC金融政策発表だが、本日の11月の米消費者物価指数発表も市場筋の関心はかなり高い。もちろん発表される数字によるが、その内容如何では為替に限らず金融市場全般が波乱含みだ。ちなみに、11月消費者物価の事前予想値は前年比でプラス7.3%、前月比同0.3%程度が予想の中心か。前月はプラス8.0%予想が同7.7%でも相場の波乱材料となっただけに、今回もちょっとした差異で市場が大きく振れる危険性も取り沙汰されていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的な相場観は引き続きニュートラル。しかし、昨日から本日東京の動きをみると、再びドル高方向へのリスクに注意すべきかもしれない。ちなみに、本日東京高値の137.95円レベルが最初の抵抗で抜ければ21日線を目指す。それも超えると、いよいよ140円がターゲットとなりそうだ。
逆に上値トライが失敗に終わった場合には137円レベルの攻防にまず注目。
一方、本日は米経済指標として、11月の消費者物価指数が発表される予定で、その内容によっては波乱も否定できない。そのほか、米財務省による30年債の入札、15日までの日程で始まる米アフリカ首脳会議、13-14日の米FOMCにも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.70-138.40円。ドル高・円安方向は本日東京で抜けられなかった138円レベルの攻防にまず注目。抜けると21日線を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、目先のサポートとして育ちつつある137円前後を割り込めるか否か。基本底堅そうだが、それでも勢いがつけば135円前半の200日線を視界内に捉えた展開も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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