ドル円、米金利上昇を背景に137円台後半へと急上昇。本日は米CPIがメインイベント
〇ドル円、米国時間午後にかけて高値137.85まで急伸
〇米10年債利回りは12/2以来の高水準となる3.62%へ急上昇
〇ユーロドル、米国勢参入後に高値1.0580まで上昇するも1.0522前後まで値を崩す動き
〇ドル円、上方に複数のレジスタンスポイント控え、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が継続
〇本日発表の米11月消費者物価指数要注視、ダウンサイドリスクに特に警戒が必要か
〇本日の予想レンジ:136.50ー138.50
海外時間のレビュー
週明け12日(月)のドル円相場は急上昇。アジア時間早朝に、安値136.51まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)本邦輸入企業の実需のドル買いや、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力(先週末金曜日に発表された米11月PPIや米12月ミシガン大消費者信頼感指数の市場予想を上回る結果→米利上げ長期化観測再燃→米10年債利回りが12/2以来の高水準となる3.62%へ急上昇→対主要通貨でドル買い再開)、(3)米ゴールドマン・サックス社による12/9付けのドル円ロング推奨レポート、(4)12/8高値137.25突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り、(5)重要イベント(米CPIや米FOMC)を控えたポジション調整、(6)原油先物価格の急反発(本邦貿易赤字の縮小期待後退)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値137.85まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/13午前5時00分現在)では、137.79前後で推移しております。尚、昨日はイエレン米財務長官より「2023年末までにインフレは大幅に鈍化するだろう」との見解が示されましたが、市場の反応は限定的となりました。
週明け12日(月)のユーロドル相場は上昇後に全値押し。アジア時間朝方にかけて、安値1.0507まで下げ幅を広げるも、売り一巡後に下げ渋ると、(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)ECB理事会を控えたポジション調整、(3)短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国勢参入後に、高値1.0580まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)重要イベント(米CPIや米FOMC)を控えたポジション調整や、(5)米長期金利の急上昇、(6)欧州株の冴えない動きが重石となり、本稿執筆時点(日本時間12/13午前5時00分現在)では、1.0522前後まで値を崩す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は12/2に記録した約3ヵ月半ぶり安値133.62をボトムに反発に転じると、昨日は一時137円台後半まで急伸しました。米FRBが利上げペースを鈍化させるとの楽観的な見方が後退しつつあることが背景と考えられます。但し、上方に複数のレジスタンスポイントが控えていることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます(138円台では戻り売り圧力が強まる可能性大)。こうした中、本日は上記(米FRBのスタンス)を見極める上で重要となる米11月消費者物価指数が日本時間22時30分に発表されます。
12/2に発表された米11月雇用統計の平均賃金が市場予想を上回ったことや、12/9に発表された米11月生産者物価指数が市場予想を上回ったこと、クリーブランド連銀が提供するInflation Nowcastingで強い結果がされていること等から、市場ではやや上振れを警戒する向きが増えていますが、当方では引き続き、インフレ鈍化が再確認される結果(住居費に大きな反動が見られず、結果としてCPIが市場予想を下回り、利上げ効果が着実に出始めていることが再確認される内容)になることを想定しております。この為、米11月消費者物価指数発表後は、「米長期金利低下→米ドル売り」の経路で、ドル円に強い下押し圧力が加わるものと推察いたします。状況次第では、137円の大台を再び割り込む恐れもあるため、本日米国時間帯はダウンサイドリスクに特に警戒が必要でしょう。尚、通貨オプション市場では円コールオーバーの拡大傾向が継続するなど、ドル円相場の下落を織り込む動きが進んでおります。
本日の予想レンジ:136.50ー138.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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