米FOMC注目、足もとのレンジ放れにも要注意(週報12月第2週)

先週のドル/円相場はドルが小高い。しかし上値も重く、137円台に定着することは出来なかった。

米FOMC注目、足もとのレンジ放れにも要注意(週報12月第2週)

米FOMC注目、足もとのレンジ放れにも要注意

〇先週のドル円、安値134.14示現後に137.86まで上昇、高値圏は維持できず136.60前後で越週
〇生産者物価指数、消費者信頼感指数速報が良好結果、タカ派の勢いを促す要因に
〇米FOMC「0.5%利上げ」で予想固まる、短期的には安値133.63、高値137.86としたレンジ取引か
〇指数発表後の変動に注意、23年の金利見通し、ターミナルレートに関して意見分かれる
〇今週は11月米消費者物価指数にも要注意
〇今週のドル/円予想レンジは135.00-139.00、137.86をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は135.61が最初のサポート

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場はドルが小高い。しかし上値も重く、137円台に定着することは出来なかった。

前週末は、G7とEUなどが、ロシア産原油の上限価格を「1バレル=60ドルとすることで合意」。また、コロナ感染が高止まりをたどるなか、中国が北京や深センなどでコロナ規制の断続的な緩和に動いたことも話題となっていた。
そうした状況下、ドル/円は134.40円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り先行。週間安値の134.14円を示現したのち、週央にかけてはドル買いが目に付く展開となった。3円を超える上昇で週間高値の137.86円を記録している。しかし、ドルは高値圏を維持できず、週末にかけて再び小緩む。135.50-137.00円といったなかで乱高下をたどるなか、週末NYは136.60円前後で取引を終え越週となった。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「中国情勢」と「米ファンダメンタルズと金融政策」について。
前者は、中国全土に広がるデモを抑えるという意味もあり、前述したように中国政府が北京や深センなどでコロナ規制の断続的な緩和に動いたことが話題に。行動制限の解除や、陰性証明書・外出の際のPCR検査を原則不要にするなどの対策を次々に打ち出していた。ただ、肝心のコロナ感染者数は高止まりしていることに加え、今後クリスマスや年末・年始そして来月21-27日と決定した春節(旧正月)などで人の移動が増えることにともなう感染再拡大を懸念する声もあった。当局の対応に注目だ。また、それとは別に習国家主席が2016年1月以来約7年ぶりにサウジアラビアを訪問。中東諸国との関係深化で、米国を中心とした西側諸国との対立強化を狙う構えをみせていた。

対して後者は、今週13-14日の米FOMCなどをにらみつつ、先週は米ファンダメンタルズや金利情勢に一喜一憂する展開。週明け5日に発表された11月のISM非製造業景況指数の改善は市場で大いに歓迎され、ドルの買い要因となったものの、米金利の低下もあり勢いは続かなかった。ただ、そののち週末に発表された2つの指標、11月の生産者物価指数と12月のミシガン大学消費者信頼感指数速報も良好な内容となるなど、一時期鳴りを潜めていたタカ派がやや勢いを増している。今週の米FOMCには十分な注意を払いたいところだ。

<< 今週の見通し >>

足もとのドル/円は2日の133.63円を目先安値、7日の137.86円を同高値としたレンジ取引。4円強でややワイドながら、次の方向性を探る展開となっている。今週も取り敢えずはそんなボックス相場が続くと予想されるものの、週の半ばに注目の米FOMCの結果発表を控えていることで、前後に掛けては荒っぽい変動も。均衡が崩れ、レンジ放れを試す値動きとなることを予想するとともに、仮に抜けるとするなら上方向の公算が幾分高いか。
13-14日の米FOMC、そして11月の米消費者物価指数が「年内最後の大きな市場変動要因」などとして市場では注視されている。うち前者については、「0.75%の利上げ」見通しが完全に後退。「0.5%の利上げ」で見方はほぼ固まっているが、問題は2023年の金利見通しについて。ターミナルレート(利上げの最終到達地点)をめぐり、市場は様々な思惑が交錯し、クリスマスをにらんだ薄商いのなか大きく値が飛ぶような動きにも十分注意しておきたい。いずれにしても週半ばを中心に波乱含みの様相か。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先々週と先週に目先の上値と下値を確認。短期的にはそのなかでの往来相場となっている。基本的に米FOMCまでは、多少荒っぽい変動にせよレンジ取引が続くと予想するが、問題は発表後。レンジ上限である7日の137.86円を上抜ければ140円を目指す反面、底割れし2日の133.63円を更新すれば8月安値130.40円がターゲットになりそうだ。

今週は、11月の消費者物価指数や12月の製造業PMI速報値などの米経済指標の発表が予定されている。なかでも前者のインフレ指標には注意をしておきたい。また、前述したように米FOMCは当然要注意だが、15日に予定されている英中銀そしてECBによる金融政策発表にも警戒を要する。

そんな今週のドル/円予想レンジは、135.00-139.00円。ドル高・円安については、先週高値137.86円をめぐる攻防にまずは注目。超えれば移動平均の21日線を目指す。ちなみに週明けには138円半ばに位置し、緩やかな下降をたどることが予想されている。
対してドル安・円高方向は、先週末安値の135.61円が最初のサポート。下回るとやはり移動平均の200日線(週明けは135円レベル)が意識されかねない。それも割り込むと、いよいよレンジ下限の133.63円がターゲットに。

米FOMC注目、足もとのレンジ放れにも要注意

ドル円日足

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