ドル安リスクくすぶるも一旦仕切り直しか
〇本日のドル円、底値136.30確認後は反発、137.40近くまで急伸し16時現在高値圏を維持
〇米経済指標は総じて好結果、特に11月ISM非製造業景況指数の改善がドル買い要因に
〇来週の米FOMCが注目材料、一時0.75%利上げ見込みが後退するも経済指標が展開左右するか
〇本日は10月貿易収支、週間ベースのレッドブック小売売上高など発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.60-138.00、137.40レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は136.80前後の攻防に注目、抜けると136.30レベルを目指す展開
<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場はドルが堅調裡。前日の欧米時間を中心にドルが急反発した流れを継ぎ、ドル買いの動きが優勢だった。
ドル/円は136.75円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。136.30円レベルまで下押しが入ったものの底値確認後は反発へと転じている。終盤に掛けては137.40円近くと、安値から1円程度も値を上げ、16時現在ではそのまま高値圏を維持。欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「米金融政策」について。
前者は、G7などが合意した「ロシア産原油の上限価格設定」が早速5日から実施されたことが話題に。そうしたなか、ペスコフ報道官から「世界のエネルギー市場を不安定にする」といった不満が聞かれたうえ、ウクライナにおける戦闘での活動継続能力には影響しないとの主張が聞かれていた。一方、戦闘についてロシア国防省は「空軍基地がウクライナ軍からのドローン攻撃を受けた」と発表したが、事実だとすれば、国内のかなりの距離まで侵入を許したわけで、別の意味で思惑を呼んでいたようだ。
対して後者は、昨日発表された10月の製造業受注指数などの米経済指標はこぞって好数字。なかでも、11月のISM非製造業景況指数の改善は市場で大いに歓迎され、ドルの買い要因となっていた。13-14日の米FOMCに向けたブラックアウト期間入りということで、米通貨当局者からのコメントは聞かれなかったが、米債利回りが大きく上昇するなど利上げ期待が再浮上してきた。本日以降も、発表される米経済指標の内容などには引き続き要注意。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は猫の目相場の様相。先週末2日には8月16日以来の安値となる133.63円まで下落し、ドルの下値余地拡大が懸念されたものの、結果的にはドルの逆行高をたどっている。その流れを継ぎ本日東京では137円台を示現するなど、目先安値からは実に3円を超える反発だ。ドルの下値トライが終了したとまでは言えないが、一旦仕切り直しになったことは間違いないだろう。また137.50-00円を超えれば、140円が意識されかねない。
来週13-14日の米FOMCが市場の注目材料であることは間違いないなか、見方については強弱が交錯している。0.75%利上げ見通しが後退するなど、一時は弱気派が大勢だったが、ここ最近発表される米経済指標の良好さもあり、強気派がジリジリと巻き返している状況だ。依然として予断を許さない。本日以降も引き続き発表される米経済指標に一喜一憂する展開が続く可能性もある。
テクニカルに見た場合にも、ドル/円は二転三転。それほど大きく下回ったわけではないが、先週末のNYクローズで134円に半ばに位置する移動平均の200日線を割り込んできたときには「勝負あった」と思ったが、昨日あっさりと回復している。そして本日東京時間にドルは続伸だ。予断を許さないものの、ドルの下値トライは一旦出直しか。ただ、強い抵抗と目される137円半ばから138円を超えられないと、再び下値リスクが高まることも考えられ、その場合にはまずは136円、それを割り込むと135円レベルが再び視界内に。
本日は米経済指標として、10月の貿易収支や週間ベースのレッドブック小売売上高などが発表される見通しだ。正直、あまり注目度は高くないが、先でも取り上げたように、昨日発表された11月のISM非製造業景況指数が市場の波乱要因となっていただけに一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.60-138.00円。ドル高・円安方向は東京高値の137.40円レベルが最初の抵抗。上抜ければ137円半ばから138円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、136.80円前後の攻防にまずは注目で、抜けると本日東京安値の136.30円レベルを目指す展開か。それほど下値リスクが強くないものの、それでも崩れたら足は速そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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