豪州中銀金融政策記者発表(22/12/6)

2022年12月6日開催分

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豪州中銀金融政策記者発表(22/12/6)

豪州中銀金融政策記者発表

(出所:豪州中銀HPから)

本日の会合で、中銀金融政策は従前の予想通り、0.25%の利上げを実施し、OCRは3.10%になりました。今後の利上げに関しても継続する見込みであるものの、予め決めていないと条件付きになりました。
これで年内の会合は全て終了、次回会合は2023年2月7日(火曜日)に予定されています。

以下は今回の要旨です。

(金融政策決定)

本日の会合で、委員会はキャッシュレート(OCR)の目標を25ベーシス上げ3.10%への引き上げを決定した。同時に為替決済残高に関しても25ベーシス上げ、3.00%に引き上げた。

豪州のインフレは非常に高く、10月までの1年間で6.9%になった。世界的要因がこの高インフレの大部分を説明しているが、需要を満たす経済の能力に比較して強い内需もまたその役割を演じている。インフレを目標値に戻すにはより持続的な需給間のバランスを必要としている。

インフレの更なる上昇がこの先数ヶ月予想されている。現在は12月までの1年間で、約8%付近でピークになると予想している。その後、世界的な供給サイドの問題が継続的に解決され、幾つかの商品価格の下落、需要のより緩やかな伸びなどで、インフレは来年に下がると予想している。中期インフレ期待は確りと留まっており、これがそのままであることが重要である。中銀のCPIインフレ見通しの中央値は今後2・3年で下がり、2024年には3%を少し越えると予想している。

豪州経済は堅調に成長を続けている。経済成長は、世界経済の減速、サービスに関連した支出の跳ね返りが目立ち、家計消費の伸びが金融情勢引き締めにより減速することで、今後1年間で緩やかになると予想されている。中銀の成長見通しは2023年と2024年には1.5%の伸びを予想している。

労働市場は依然として非常にタイトなままであり、多くの企業は労働者の雇用に苦労している。失業率は10月に3.4%まで下がった。これは1974年以降で最も低い数値である。求人と求人広告は共に非常に高水準であるが、最近はやや下がった。また雇用の伸びは、労働市場の余剰能力が吸収されたことにより鈍化した。賃金の伸びはここ数年間の低い割合から持ち直し続けており、タイトな労働市場やより高まるインフレにより、更なる上昇が予想される。物価・賃金のスパイラルを避ける重要要素として、委員会は労働コストの今後の展開や企業の価格設定行動の双方に細心の注意を払い続けることになる。

5月以降、金利の累積的引上げがあった。これは高インフレの期間が本当に一時的であると確信するのに必要なことである。高インフレは我々の経済に損害を与え、人々の生活をより困難にする。委員会の優先事項は低インフレを達成し、暫くしてインフレを2〜3%に引き戻すことである。

委員会は金融政策の作用が遅れて出ることを認識しており、利上げの完全な効果が住宅ローン払いにはまだ感じられないことも認識している。家計消費はこの先減速していくことが予想されるが、そのタイミングや減速の範囲は不確実である。もう1つの不確実性の要因は、悪化した世界経済の見通しである。委員会はインフレを目標値に戻すべく経済を安定的に維持することに努めている。しかし、これらの不確実性は潜在的シナリオの範囲内にあることを意味している。インフレを必要とされるまで下げることや経済のソフトランディングを達成する道のりは非常に狭いままである。

委員会はこの先も更なる利上げを予想しているが、これは予めセットされたコースではない。世界経済、家計消費、賃金、あるいは価格設定行動を注意深く見守ることである。将来の利上げに関する幅やタイミングは今後入手するデータ、あるいはインフレや労働市場に関する委員会の査定により導かれる。委員会はインフレを目標に戻すために断固とした決意のままであり、それを達成するために必要なことを行うつもりである。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:豪州中銀HP

豪ドル米ドルは公表前に0.6725〜30付近で推移していましたが、予想通りの内容にほとんど相場に影響がありませんでした。
昨日のシカゴポジション363時は0.6840付近でしたが、予想を上回るISM非製造業景況指数に豪ドル売りとなり、0.6730のサポートを切って、昨日は0.6696で引けました。
流れはまだ豪ドル高を維持しており、0.6730〜40サポートを切れてはいますが、0.6680、0.6560に2つのサポートがあり、後者を切れない限りはまだ上値トライの目を残しています。そして目先は0.6680〜0.6860レンジの豪ドル高トレンドラインを形成しています。上値抵抗線などはシカゴポジション363を御参照願います。

(2022年12月6日15時15分、1豪ドル=0.6728米ドル)

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