ドル/円は値動き軽い、荒っぽい変動継続も
〇本日のドル円、138.70-75まで下落後に一時140.30まで上昇、ただし140円台には定着せず
〇1日を通して2-4円の上下動続く、安値/高値共に切り下げ傾向
〇本日は米10月小売売上高、同鉱工業生産発表予定、相場波乱要因となる可能性もあり注目度高い
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-140.40、140.30レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は138.70-75をめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場はドルが強含み。一時140円台を回復する局面も見られたが、定着することは出来なかった。
ドル/円は139.25-30円で寄り付いたのち、当初は売りが先行。138.70-75円へと値を崩すも、その後は緩やかな右肩上がり。140.30円レベルまで、1円を超える上昇を見せた。しかし、目先高値を示現後はドル上げ渋り。140円台に定着は出来ず、ジリジリと値を崩すと16時現在では139.75-80円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「米国情勢」について。
前者は、インドネシアでG20サミットが開催されているなか、「ロシアのミサイルがポーランドに着弾、死者も」などと伝えられ、一時話題が集中。ロシア国防省は「ミサイル着弾報道は意図的な挑発」と否定するなか、G7首脳やNATOは16日にも緊急会合を開催する旨を発表している。なお、その後の報道によると、ポーランド着弾ミサイルはロシア製であったことが明らかになったものの、ロシアが発射したものか否かは依然不明。ただ、バイデン米大統領は「ロシアから発射された可能性は低い」と指摘するなど、ウクライナが迎撃したミサイルの残骸がポーランドに落下した可能性が高まりつつあるようだ。
対して後者は、8日に投開票された米中間選挙の完全決着は依然としてつかない状態だが、それでもさすがに大勢が判明していることで、幾つか新しい動きが観測されている。そのひとつはロイターが報じた「バイデン氏、ペロシ下院議長に民主党指導部残留を要請」とのニュースであり、それに対し共和党サイドは事前予想どおり「トランプ氏、次回の米大統領選に正式な出馬表明」をしていた。すでに2024年の米大統領選に向けた戦いははじまったのかもしれない。一方、それとは別に米議会の超党派諮問委員会は、公表した対中国政策の提言にWTOルールに基づく関税待遇の停止を盛り込んだことを明らかにしている。
<< 欧米市場の見通し >>
ここ最近のドル/円は一日を通した値幅は2-4円となかなかの変動だが、それでも徐々に落ち着きを取り戻しつつある。ただ、過去2週間ほどドルは安値を連日切り下げており、リスクという意味ではドル安方向にバイアスがかかりそう。テクニカルには、何度かレポートしている一目均衡表の先行帯の雲の下限(138.15円レベル)をめぐる攻防に引き続き注目で、しっかり下回るとドルの下値余地がさらに拡大しかねない。
なんだかんだと言いつつも、日米金利状況に対する市場筋の関心は高い。昨日も発表された米卸売物価指数が予想を下回ったことを受けて一時ドル売りが大きく進んだことも、その証左と言えそうだ。本日も引き続き発表される米経済指標や要人発言、あるいは米長期金利の行方などには要注意。また、G20サミットをはじめとする重要な国際会議も多く、ロシアや中国、北朝鮮を対象とした政治ファクターにも注意をしておく必要がある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は138-140円台を中心になかなか激しい往来相場。レンジそのものはだいぶ収斂されてきたが、活発な上下動は続いているようだ。なお、前述したようにドル/円は「過去2週間ほどドルは安値を連日切り下げている」だけでなく、実は高値も同様にレベルを少しずつ切り下げてきている。この連鎖から脱するか否かにも、目先は注意しておきたい。
本日は米経済指標として、10月の小売売上高や同鉱工業生産などが発表される見込み。決して関心が極端に低かったわけではないが、それでも昨日発表された10月の生産者物価指数が相場の波乱要因になったことから、本日も米指標に対する注目度は高まっている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.70-140.40円。ドル高・円安方向は本日東京高値の140.30円レベルが最初の抵抗。上抜ければ昨日高値140.62円、一昨日高値140.80円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、同様に東京安値の138.70-75円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと一目の雲の下限などがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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