ドルの下値リスク強まる、続落にも注意(11/9夕)

9日の東京市場は結果行って来い。一時145.20円レベルと、10月27日安値(145.11円)に接近する局面も見られたが、そののち買い戻されている。

ドルの下値リスク強まる、続落にも注意(11/9夕)

ドルの下値リスク強まる、続落にも注意

〇本日のドル円、一時145.20レベルまで値を下げる、下落リスク抱えつつ16時現在145.80前後で推移
〇10月27日安値145.11を下回ると144円半ばがターゲットに、ドル大幅安の可能性も
〇本日は米9月卸売売上高、財務省10年債入札を予定
〇引き続き開票作業中の米中間選挙、明日発表の米10月消費者物価指数を注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.10-146.40、146円前後の攻防に注目
〇ドル安・円高方向は145.20、あるいは145.11などが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場は結果行って来い。一時145.20円レベルと、10月27日安値(145.11円)に接近する局面も見られたが、そののち買い戻されている。

ドル/円は145.65-70円で寄り付いたものの、基本的には145円半ばを中心としたトータル60ポイントほどのレンジ取引。しかし、一時は145.20円レベルまで値を下げるなど、下落リスクを内包した動きでやや冴えない環境だった。16時現在では145.80円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、本日夕方に北朝鮮からミサイルと飛翔体が発射されたと伝えられたが、ここまで目立った影響はみられない。

一方、材料的に注視されていたものは「暗号資産大幅安」と「中国情勢」について。
前者は、代表的は暗号資産(仮想通貨)ビットコインが2万ドル以上のレベルから、一時17000ドル台まで15%を超える下落をたどったことが、為替などほかの金融市場でも話題に。また、ビットコイン以外の暗号資産もなかなかの荒れ模様だった。材料になったのは、交換業大手FTXトレーディングの財務不安。また、救済を要請された同業最大手のバイナンスが、前述FTXトレーディングの米国以外の事業を買収することを明らかにしている。ただ、事態がこれで収束するのかは未知数だ。しばらくは動静を見極めたい。

対して後者は、米紙WSJが「中国指導部がほぼ3年にわたり実施してきた厳格なゼロコロナ政策の解除を検討している」と報じたこともあり、市場からの期待感も高まっていたが、そののち複数報道で「中国の複数都市で新型コロナウイルス感染者が急増」などと伝えられている。解除もなかなか一筋縄ではいかない環境にあることで、引き続き続報には要注意。一方、それとは別に広東省ではじまった国際航空宇宙ショーにおいて、偵察と攻撃に対応する国産新型無人機の「翼竜3」を初めて展示。習指導部が軍事力を誇示し、日米や台湾をけん制する場になっていると思惑を呼んでいたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は形成していた小さな保ち合いの下限を割り込んでおり、続落が気掛かり。日経新聞も報じたように、東京では個人投資家と思しきビッドが厚く、ドルの下支えになっているものの欧米市場は果たして如何に。本日東京時間には割り込めなかったが、10月27日安値の145.11円を下回ると同21日の円買い介入後安値144円半ばがターゲットとなりかねない。ドルが大幅安をたどる可能性もある。

日米金利差への関心は依然として高い状況に変化はなく、そうした意味では明10日に発表される10月の米消費者物価指数が注視されている。ただ、短期的には現在も開票作業中である米中間選挙が引き続き注目を集めている。ちなみに複数報道によると、上院が接戦となるなか、下院は共和党が多数派を奪還する勢いにあるという。いずれにしても、与党・民主党の敗北により対ウクライナ政策が変化するのかなど、国内外様々なファクターに今後は注目だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円の日足は3日続けての陰線引け。直近では10月25-27日にも一度見られたが、翌28日は陽線引けで4日連続は回避されている。今回は果たしてどうなるのだろうか。ともかく、10月21日の高値151.94円を示現後は、それまでとだいぶ市場を取り巻くムードに大きな違いがうかがえることは間違いない。積極的なドル買いにも慎重さが必要になってきたか。

本日は米経済指標として、9月の卸売売上高などが発表されるものの、市場の関心はさほど高くない。ただ、米財務省による10年債の入札や、現在開票作業が進められている米中間選挙に絡む動きには引き続き要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.10-146.40円。ドル高・円安方向は146円前後の攻防にまず注目。抜けると147円近くまで戻る可能性はあるが、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の145.20円レベル、あるいは145.11円などが最初のサポートに。割り込めば144円半ばを目指す。

ドルの下値リスク強まる、続落にも注意

ドル円日足

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