底堅そうだがリスクはわずかにドル安有利か
〇本日のドル円、一時146.30-35まで値を下げるも、146円後半の30ポイント程度のなかでのレンジ取引
〇リスクは若干下方向か、まずは昨日安値146.09をめぐるドル安方向の攻防に注目
〇材料的には、中間選挙を中心とした米政治ファクターに引き続き要注意
〇ドル/円は昨日ザラ場ベースで一時移動平均の21日線(147.80前後)に接近するもとどかず
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.20-147.50、147円を超えると昨日高値147.55がターゲットに
〇ドル安・円高方向は本日東京安値146.30-35、そして昨日安値146.09などの攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場はレンジ取引。多くの時間を146円後半、わずか30ポイント程度のなかで一進一退をたどるという展開だった。
ドル/円は146.60-65円で寄り付いたものの、基本的には動意薄。ただ、一時ドル売りが強まると146.30-35円まで小幅に値を下げるも、勢いは続かなかった。本邦勢のビッドは厚く元のレベルへと回帰すると、その後は146円後半での保ち合い推移に。結局、16時現在では146.70円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「当局の介入実績」と「中国情勢」について。
前者は、財務省が発表した「7-9月分の外国為替平衡操作の実施状況(日次ベース)」で、24年ぶりに行った9月のドル売り・円買い介入は、実施を公表している22日の1回のみだったことが明らかになった。市場では、若干怪しい動きも別途観測されたことで、介入を公表しない「覆面」介入実施も一部で噂されていたが、結局のところ噂は噂に過ぎなかったようだ。ただ、周知のように政府・財務省は10月に入ってからも数回の円買い介入を実施しているもようで、今後明らかになるそちらの詳細も気になるところだ。
対して後者は、先週末からの流れで、中国のコロナ新規感染者が半年ぶり高水準に達していることが明らかになるなか、衛生当局者が「ゼロコロナ政策堅持の方針は揺るがない」発言したと伝えられたことが話題に。しかしそののち、ロイターが北京市政府報道官の発言として「新型コロナ感染防止対策の運用を改善すると方針」と伝えたほか、米紙WSJは「中国指導部がほぼ3年にわたり実施してきた厳格なゼロコロナ政策の解除を検討している」と報じていた。真偽を含め、続報には是非とも注視しておきたい。
<< 欧米市場の見通し >>
週明けのドル/円は高寄りしてスタートしたのち続伸。ロンドン早朝には147円半ばへと達したものの、以降は冴えず逆に下値を試す展開となった。9月円買い介入後安値144円半ばにとどかなかっただけでなく、146円も割り込めないなどドルの底堅さも感じさせたが、リスクという点では若干下方向にバイアスがかかりそう。まずは、昨日安値146.09円をめぐるドル安方向の攻防に注目だ。
日米金利差への関心は依然として高い状況に変化はないものの、ここのところその金利差と為替の感応度が少し落ちているように見えるところが気に掛かる。いずれにしても、もう少し状況をしっかりと見極めたいところだ。一方、それとは別に中間選挙を中心とした米政治ファクターにも引き続き要注意。なかには「民主党の敗北は確実。問題は負け方で、大敗すればバイデン氏再選が遠のく」などといった分析も。国内はもちろん、今後の対外政策への変化にも繋がりかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日ザラ場ベースでドル高が進行。一時移動平均の21日線(147.80円前後)に接近するも、結局とどかず。引き続きドルの抵抗になっていたとも言えそうだ。いずれにしても、今回はダマシではなく「しっかり」と21日線を下回ってきた感を否めず、そのためテクニカルにはさらなる下値模索の動きにも要注意。現状90日線は141円前半とかなり遠いが、時間を掛けつつそれらをうかがう展開も否定できない。
本日は米経済指標として、10月のNFIB中小企業楽観指数などが発表されるものの、市場の関心は低く基本的にはノーインパクトか。しかし、米財務省による3年債の入札や、投開票が行われる米中間選挙などにはしっかりとした注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.20-147.50円。147円を超えると、昨日高値147.55円がターゲットに。それも抜けると21日線が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の146.30-35円、そして昨日安値146.09円などの攻防に注目。割り込めば145円台、145.67円などを目指す展開か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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