ドル円、米金利低下を横目に145円台前半へと急落。本日は米中間選挙結果に注目(11/9朝)

8日(火)のドル円相場は上昇後に急反落。

ドル円、米金利低下を横目に145円台前半へと急落。本日は米中間選挙結果に注目(11/9朝)

ドル円、米金利低下を横目に145円台前半へと急落。本日は米中間選挙結果に注目

〇ドル円、米金利上昇等に欧州朝方146.96まで上昇後に145.32まで急落
〇米中間選挙や米10月消費者物価指数を控えたポジション調整、米長期金利低下が背景
〇ユーロドル、ECB関係者のタカ派発言と米金利低下に米国時間に一時高値1.0096まで急伸
〇本日米中間選挙結果に注目、上院も民主党敗北の場合はドル売り強まるか
〇米中間選挙後のドル円下落をメインシナリオとして予想
〇ただし、米CPI発表控え米中間選挙後の「ドル売りの賞味期限」は短命に留まるか
〇本日の予想レンジ:144.75ー146.75

海外時間のレビュー

8日(火)のドル円相場は上昇後に急反落。日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが10/24以来となる4.24%へ急上昇)、本邦輸入企業の実需のドル買い、中国の新型コロナウイルス感染再拡大を巡る警戒感が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値146.96まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと(節目147.00をバックに戻り売り圧力が強まると)、重要イベント(米中間選挙や米10月消費者物価指数)を控えたポジション調整や、米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが4.24%から4.12%へ急低下)、上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、前日安値146.10を割り込んだことに伴う仕掛け的なドル売り・円買い、米主要株価指数の急上昇(リスク選好のドル売り圧力)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値145.32まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/9午前4時45分現在)では、145.57前後で推移しております。

8日(火)のユーロドル相場は下落後に急上昇。米金利上昇に伴うドル買い圧力や、中国の新型コロナウイルス感染再拡大を巡る警戒感、欧州株の冴えない動き、上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(パリティ割れに伴う失望感)が重石となり、欧州勢参入後(日本時間18時過ぎ)に、安値0.9973まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、ユーロ圏9月小売売上高(結果▲0.6%、予想▲1.1%、※前年比)の市場予想を上回る結果や、デギンドスECB副総裁による「量的引き締めは遅かれ早かれ実施されるが2023年には確実に開始される」とのタカ派的な発言、ドイツ連銀ナーゲル総裁による「例え景気に打撃を与えるとしても、私はECBが金融政策の正常化を推進し続けるよう全力を尽くす」「金融政策の正常化は金利だけではなくバランスシート圧縮も含む」とのタカ派的な発言、米金利低下に伴うドル売り圧力、重要イベント(米中間選挙や米10月消費者物価指数)を控えたポジション調整、欧州株の持ち直しが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0096まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/9午前4時45分現在)では、1.0068前後で推移しております。

本日の見通し

本日は米国の中間選挙結果に注目が集まります。開票時間は、日本時間午前8時頃から始まるインディアナ州やケンタッキー州を皮切りに、日本時間14時頃に予定されているアラスカ州やハワイ州まで継続するため、開票結果の全貌が明らかとなるのは早くとも日本時間午後以降となりそうです(尚、今回は郵便投票を用いた有権者が増加しているとの報道があるため、結果判明が夕方以降にずれこむ恐れあり)。尚、マーケットが反応し易い時間帯は、上院の激戦州として注目されている「ジョージア州の開票が始まる午前9時以降」「ペンシルバニア州の開票が始まる午前10時以降」「ネバタ州の開票が始まる正午以降」と予想されます。

今回は下院での民主党敗北が確実視されているため、注目は上院で民主党が死守できるか否かとなります。民主党が上院を死守できる場合は、上院と下院の政党が異なる「ねじれ議会」となるため、共和党が公約に掲げる「財政支出抑制」を通じて、米金利低下→米ドル売りの流れが強まりそうです。また、上下両院で民主党が敗北する場合も、バイデン米政権のレームダック化を通じて、米ドルには強い下押し圧力が加わりそうです。一方、上下両院で民主党が勝利する場合は、米金利急上昇→米ドル急騰のサプライズが見込まれますが、ここまでの世論調査結果を見る限り、その蓋然性は極めて低いと考えられます。以上を踏まえ、米中間選挙後のドル円下落をメインシナリオとして予想いたします(起こり得るシナリオは「ねじれ議会」発生か「上下両院での民主党敗北」)。但し、今週のメインイベントは米中間選挙ではなく、11/10に予定されている米10月消費者物価指数であるため、米中間選挙後の「ドル売りの賞味期限」は短命に留まると見られ、市場の関心はすぐに米10月消費者物価指数に移りそうです(突っ込み売りには要警戒)。

本日の予想レンジ:144.75ー146.75

ドル円、米金利低下を横目に145円台前半へと急落。本日は米中間選挙結果に注目

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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