ドル高基調変わらず、ただ調整の動き継続も(11/1夕)

1日の東京市場は、ドルが弱含み。「寄り付き高・大引け安」の様相で、とくに大引けにかけて下げ幅を拡大させている。

ドル高基調変わらず、ただ調整の動き継続も(11/1夕)

ドル高基調変わらず、ただ調整の動き継続も

〇本日のドル円、148.70で寄りつくも、一時147.65レベルをつけ本日高値から1円超の下げ幅を記録
〇日本の9/29-10/27為替介入実績は6兆3499億円、単月のドル売り・円買い介入としては過去最大を更新
〇ドル円は本日東京時間に失速、一過性の動きなのか、再び下値を試すのか、動静を見極めたいところ
〇テクニカルには、147円台まで値を上げてきた移動平均の21日線をめぐる攻防に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.10-148.40、148.30-40に位置する弱い抵抗の攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値の147.65レベルが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場は、ドルが弱含み。「寄り付き高・大引け安」の様相で、とくに大引けにかけて下げ幅を拡大させている。

ドル/円は148.70円で寄り付いたのち、しばらくはドル強保ち合い。148円半ばでは底堅かったが、割り込むと緩やかな右肩下がり。さらに、大引けにかけては148円前後でストップロスを巻き込むと一時下げ足が加速。147.65円レベルと、本日高値から1円を超える下げ幅を記録している。16時現在では小戻した147.95-00円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、そうしたなか豪中銀が0.25%の利上げを実施、また声明で「今後さらなる利上げを見込む」考えを示したものの、豪ドルは対円などで上値は重くやや冴えない。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「日本の金融緩和と為替政策」について。
前者は、ロシア国防省が発表した「穀物輸出4者合意」への参加停止が引き続き思惑を呼ぶ。国連が、ロシアの「穀物運搬船が攻撃を受けた」との主張を否定したほか、国連安全保障理事会では、米欧の理事国を中心に参加停止への非難が相次いだという。ただ、一方でロシアは合意で設定された回廊を船舶が通過することは「容認できない」と改めて発表するなど、基本的なスタンスに変化はないようだ。動静には引き続き要注意。また、それとは別に、ロシア国防省は、ウクライナ各地の軍事およびエネルギー施設を攻撃したと発表している。

対して後者は、昨日欧米時間から本日東京にかけてドル/円相場が148円台後半で推移したこともあってか、比較的早い時間帯から要人の口先介入など幾つかのコメントが聞かれていた。たとえば、鈴木財務相は「過度な為替変動には適切な対応を取りたい」と発言している。それに対し黒田日銀総裁は「現在の金融政策、誤っているとは考えていない」、「金融緩和で経済を下支えする必要がある」と述べていたようだ。なお、昨日欧米時間の早朝に明らかになった日本の9月29日-10月27日の為替介入実績は6兆3499億円。単月のドル売り・円買い介入として過去最大を更新していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は9月21日に円買い介入後安値144円半ばと、27日安値145.11円でダブルボトムをつけた感もあり、ドルは再び高値トライの様相がうかがえたが、本日東京時間に急失速となっている。これが一過性の動きであるのか、それとも再び下値を試す展開となるのか、まずは動静をしっかりと見極めたいところだ。テクニカルには、ついに147円台まで値を上げてきた移動平均の21日線をめぐる攻防を注目したい。
昨日発表された日本の9月29日-10月27日の為替介入実績は6兆3499億円。事前にロイターや日経新聞などが推計した数字に近い内容だったが、金額の大きさが改めて明らかとなり、政府・財務省の本気度合いが再確認されたと言えるだろう。また、市場では150円レベルを「ドル高シーリング」と見る参加者が少なくないものの、本日東京をみると148円後半から警告が発せられている。ひょっとすると、149円前後から上値を徐々に追いにくくなる可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は148.85円レベルまで順調に上値を伸ばしてきたが、本日東京で急失速。高値から1円以上も値を下げてきた。一時はだいぶ上放れた21日線だが、気づけば間近(147.10-20円)に迫っている。ドルが続落した場合には、その攻防に要注意。ザラ場はもちろん、NYクローズでの攻防にも注目だ。それに対するドルの抵抗は、まず148.30-40円となる。

本日は米経済指標として、10月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などが発表される予定となっているほか、依然として米企業決算の発表も多く注意を払いたい。また、米中間選挙まで残り1週間ほど。米選挙に関する各種話題への関心も徐々に高まりつつあるようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.10-148.40円。ドル高・円安方向は148.30-40円に位置する弱い抵抗の攻防に注目。超えると昨日高値148.85円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の147.65円レベルが最初のサポート。下回ると21日線を目指したドルの続落も。

ドル高基調変わらず、ただ調整の動き継続も

ドル円日足


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