ドル円、振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。本日はいよいよ注目の米FOMC(11/2朝)

1日(火)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。本日はいよいよ注目の米FOMC(11/2朝)

ドル円、振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。本日はいよいよ注目の米FOMC

〇ドル円、米FOMCを控えたポジション調整等に米国時間朝方にかけて、安値146.99まで急落
〇売り一巡後は米指標の好調に米長期金利が上昇、ドル円も148.23まで回復
〇「バイデン氏はFRBの政策転換を指示した」との報道あるも為替市場の反応は限定的
〇ユーロドル、米国時間朝方にかけて高値0.9953まで上昇後一時0.9853まで急落
〇ドル円、ポジションを一方向に傾けづらいボラタイルで難易度の高い相場展開
〇本日は今週のメインイベントでもある米FOMCに注目
〇次回以降の利上げペース鈍化の可能性が示唆される場合、ドル円下落で反応する公算大
〇一方でファンダメンタルズ的ドル優位変わらず、一巡後はドル円相場が急上昇に転じるシナリオか
〇FOMC通過後のドル高・円安トレンド再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.00ー150.00

海外時間のレビュー

1日(火)のドル円相場は急落後に急反発。アジア時間朝方にかけて、高値148.82まで上値を伸ばすも、昨日記録した戻り高値148.86をバックに伸び悩むと、本邦輸出企業による月初の実需フロー(ドル売りフロー)や、豪中銀ロウ総裁による「中銀は必要に応じて利上げペースを調整する用意がある」とのハト派的な発言(世界的な金融引き締めペース鈍化を示唆)、米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りは前日10/31も記録した4.11%から3.92%へ急低下)、米FOMCを控えたポジション調整が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値146.99まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、米10月ISM製造業景況指数(結果50.2、予想50.0)の市場予想を上回る結果や、米9月JOLT雇用動態調査(結果1071.7万件、予想975万件)の力強い結果、米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが3.92%から4.07%へ急上昇)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間11/2午前4時50分現在)では、148.23前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日はバイデン米大統領の経済対策アドバイザーより「バイデン氏はFRBの政策転換を指示した」との発言がありましたが、市場の反応は限定的となりました。

1日(火)のユーロドル相場は上昇後に急反落。米金利低下に伴うドル売り圧力や、ラガルドECB総裁による「インフレ高進を抑制するために利上げを続ける必要がある」とのタカ派的な見解、米FOMCを控えたポジション調整、欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値0.9953まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと(一目均衡表雲上限をバックに戻り売り圧力が強まると)、米経済指標の良好な結果や、それに伴う米長期金利の反転上昇が重石となり、米国時間午後にかけて、安値0.9853まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/2午前4時50分現在)では、0.9877前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は10/27に記録した約3週間ぶり安値145.11をボトムに反発に転じると、週明け10/31に戻り高値148.86まで持ち直しましたが、昨日は一転して146.99へと反落後に148円台前半まで値を戻すなど、振れを伴う不安定な値動きが続いております。ローソク足も主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドなど)を挟んで往来するなど、ポジションを一方向に傾けづらいボラタイルで難易度の高い相場展開が繰り広げられています。こうした中、本日は今週のメインイベントでもある米FOMCに注目が集まります。

直近では、米ウォールストリート・ジャーナル紙のニック記者や、サンフランシスコ連銀デイリー総裁、セントルイス連銀ブラード総裁が相次いでハト派的な発言を行っている他、米経済指標もこのところ冴えない結果が続いているため、市場では本日発表される声明文(11/3午前3時00分)や、パウエル議長記者会見(11/3午前3時30分)で、次回以降のFOMCでの利上げペース鈍化(今回のFOMCで75bp利上げに踏み切った後、次回12月FOMCで50bpの利上げにペースダウンし、来年1月FOMCでは25bpへと更にペースダウンさせること)の地均しが行われるのではないかとの見方が広がっています。この為、市場予想通り、本日のFOMCで次回以降の利上げペース鈍化の可能性が示唆される場合には、米金利低下→米ドル売りの流れを通じて、直後はドル円下落で反応する公算が大きいと考えられます。

とはいえ、「日米金融政策の方向性の違い」といった根本的なファンダメンタルズ格差(日米名目金利差に着目したキャリートレードの優位性)が解消されるわけでは無い他、米金利低下・米ドル売りの流れは株高を通じてリスク選好の円売りにも繋がる材料であるため、一巡後は材料出尽くしに伴う安堵感も相俟って、ドル円相場が急上昇に転じるシナリオが想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、米FOMC通過後のドル高・円安トレンド再開をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:147.00ー150.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。本日はいよいよ注目の米FOMC

ドル円日足

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