ドルはじり高、当局の対応にも注目集まる(10/10夕)

週明け10日の東京市場はレンジ取引。東京休場などもあり全般的に動意は乏しく、値幅も限られた。

ドルはじり高、当局の対応にも注目集まる(10/10夕)

ドルはじり高、当局の対応にも注目集まる

〇本日のドル円、145.65レベルまで上昇するも東京休場などもあり全般的に動意乏しく、値幅も限られる
〇直近の戻り高値を更新し年初来高値145.90まであと20数ポイント、今日明日にもトライする可能性
〇依然として市場の主役はユーロやポンド、材料次第では年初来安値をうかがう展開となる可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.70-145.70、ドル高・円安方向は145.65レベルが最初の抵抗
〇ドル安(←訂正×ドル高)方向は145.15-20円に弱いサポート

<< 東京市場の動き >>

週明け10日の東京市場はレンジ取引。東京休場などもあり全般的に動意は乏しく、値幅も限られた。

先週末、9日未明に北朝鮮が懲りずに弾道ミサイルを再び発射。その一方、ロシア軍がザポロジエ原発に新たな砲撃を行い「電源供給が断たれた」と伝えられ一時物議を醸すも、そののちIAEAから「非常用のディーゼル発電機が起動した」との発表がなされている。
そうした状況下、ドル/円は145.30-35円で寄り付いたものの、さほど大きな動きはなし。ただし、一時ドル買い機運が高まると、薄商いのなかストップロスを巻き込み直近の戻り高値を更新する145.65円レベルまで吹き上がる局面も観測されていたが、動きはすぐに収束している。その後は145.30-50円といった極めて狭いボックス相場をたどるなか、16時現在では145.30-35円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、北朝鮮が9日未明、弾道ミサイル2発を東方向へ発射したことが思惑を呼ぶ。弾道ミサイルを発射するのは9月25日以降、2週間で実に7回目のこと。そうしたなか、北朝鮮国防省から米原子力空母ロナルド・レーガンも動員した米韓の合同海上機動訓練を行っていることへの懸念が聞かれたうえ、中国外務省も「米国の言葉と行動は一致すべきで、北朝鮮に悪意を持たないという姿勢を行動で示すべき」とし北朝鮮を擁護。むしろ、一連の原因のすべては米国にあるとの考えを示していた。なお、北朝鮮の行動を受け、日米そして日韓高官が個別の電話協議を行い、「差し迫った脅威で国際社会への明白で深刻な挑戦」との認識を共有したもようだ。

対して後者は、前述したようにザポロジエ原発をめぐり緊迫した情勢がいまだ続いている。実際、IAEA事務局長からは、「外部電源は復旧したが厳しい状況下の一時的な救いに過ぎない」などとしたやや悲観的なコメントも聞かれていた。ちなみに、同局長は週内にロシアを訪問し原発保護区設置をめぐり協議すると発表しているが、果たして進展はあるのだろうか注目だ。一方、それとは別にロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島と露本土を結ぶ「クリミア大橋」で爆発が行ったことが様々な憶測を呼ぶ。10月7日、プーチン氏の誕生日に合わせたウクライナ側の反撃との見方もあるなど、ロシア国内では衝撃と動揺が広がっているという。

<< 欧米市場の見通し >>

スピードは非常に緩やかで、「じり高」といった様相ながら、ここ数日のあいだドル/円は連日戻り高値を更新。本日も東京休場のアジア時間に一時145.65円レベルまで値を上げている。145.90円の年初来高値まであと20数ポイント、完全に射程圏内に捉えたことは間違いなく、早ければ今日明日にもトライする可能性を否定できないだろう。仮にそうなった場合、日本の政府・財務省が再び円買い介入に動くのか、それとも静観するのか、当局の対応にも注目だ。
前記したように、年初来高値を視界内に捉えたドル/円もなかなか興味深いが、欧米市場の動意を見ると、依然として市場の主役はユーロやポンドか。材料的にも英国の政治情勢やウクライナ侵攻を中心としたロシア情勢、欧州のエネルギー供給危機など注目要因は多い。ユーロ/ドルがパリティ(1ユーロ=1ドル)レベルを超えられず、再び軟落へと転じている状況下だけに、伝えられるニュースによっては一気に年初来安値をうかがうような展開をたどる可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円はまったく過熱感のないドルじり高。本日アジア時間には145.65円レベルまで値を上げている。9月22日に日本の当局が円買い介入を実施したレベルにすでに到達しているものの、ここまで口先介入はともかく、追加の実弾介入は観測されていない。市場では、当局の出方をにらみつつ、ドル高・円安傾向は続くとの見方が有力で、次の実弾介入実施レベルを注視しているとの声も聞かれている。

本日は東京の休場に続き、米国市場も休場となり米経済指標の発表は予定されていない。そのほかの材料も全般的に乏しいが、16日までの日程でIMF・世銀の年次総会が行われる予定で、そちらなどには一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.70-145.70円。ドル高・円安方向は本日アジアの高値でもある145.65円レベルが最初の抵抗。超えるといよいよ145.90円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、145.15-20円に弱いサポートあり。それを割り込むと144円台突入、144円半ばから後半を目指す展開か。

ドルはじり高、当局の対応にも注目集まる

ドル円日足


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