ドル円、上昇基調継続で介入前の水準へ急接近。政府・日銀の動きに要警戒(10/11朝)

週明け10日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、上昇基調継続で介入前の水準へ急接近。政府・日銀の動きに要警戒(10/11朝)

ドル円、上昇基調継続で介入前の水準へ急接近。政府・日銀の動きに要警戒

〇ドル円、米国時間に145.84まで上昇、そのまま高値圏で推移
〇FRBのタカ派傾斜観測、直近高値突破によるストップ買い等が背景
〇ユーロドル0.97近辺で軟調推移、米長期金利上昇、ウクライナの地政学リスクの高まりが背景
〇ドル円、介入直前の高値145.90に急接近、テクニカルの地合い強い
〇但し、アップサイドに政府・日銀の介入警戒ライン控え上昇余地乏しいか
〇ドル円相場の反落リスクに要警戒
〇本日の予想レンジ:144.00ー146.50

海外時間のレビュー

週明け10日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間早朝に安値145.17まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@先週末金曜日に発表された米9月雇用統計の良好な結果(非農業部門雇用者数が市場予想を上回った他、失業率が大幅改善)や、A上記@を背景とした米FRBによるタカ派傾斜観測(一部で広がっていた米利上げ休止観測が後退→米長期金利上昇→ドル買い再開)、B10/7高値145.46を突破したことに伴う短期筋のストップBUY、CブレイナードFRB副議長による「金融政策はしばらくのあいだ制限的になる」とのタカ派的な発言、D資産現金化需要のドル買い圧力(市場心理悪化→リスクアセット下落→ドル買い)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値145.84(9/22以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/11午前5時00分現在)では、145.73前後で推移しております。

週明け10日(月)のユーロドル相場は軟調推移。アジア時間朝方に高値0.9752まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@米FRBによるタカ派傾斜観測(良好な米9月雇用統計を受けて米利上げ休止観測が後退)や、A上記@を背景とした米長期金利の上昇とそれに伴うドル買い圧力、Bロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(プーチン大統領はクリミアとロシアをつなぐ橋で起きた爆発について「ウクライナ側によるテロ行為」と非難→ロシアは報復措置としてウクライナの首都キエフや、東部ドニプロ、西部リビウなどへミサイル攻撃実施)、Cドイツを巡る政局不透明感(10/9に開催された独ニーダーザクセン州の議会選挙でショルツ首相率いる社会民主党が勝利しつつも連立を組む自由民主党が議会入り出来ず)、Dユーロ圏10月投資家信頼感指数(結果▲38.3、予想▲34.7)の冴えない結果、E欧州株の軟調推移が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値0.9682まで下落しました。

その後は、Fドイツがエネルギー危機緩和を目的にEU共同債発行を支持しているとの報道で一時0.9743まで持ち直す場面も見られましたが、Gドイツ政府が上記Fを否定するとすぐに失速し、本稿執筆時点(日本時間10/10午前5時00分現在)では、0.9705前後で推移しております。尚、昨日は英中銀が緊急国債買い入れ措置の1日当たり上限額の倍増(50億ポンドから100億ポンド)を発表したことで一時英ポンドが急伸する場面も見られましたが、今週末金曜日(10/14)に到来する緊急国債購入措置の期限を予定通り終了する方向性を示したため、英ポンドが一巡後に急落する荒々しい値動きとなりました。

本日の見通し

ドル円は10/5に記録した直近安値143.52をボトムに反発に転じると、昨日は一時145.84まで急伸し、9/22の介入直前の高値145.90に急接近する動きとなりました。この間、主要レジスタンスポイントを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。但し、アップサイドには強力なレジスタンスとして意識されている「政府・日銀の介入警戒ライン(神田シーリング145.90)」が控えている為、ここからの続伸は容易では無いと考えられます。

特に本日は本邦3連休明けとなるため、政府・日銀による円安牽制が活発化する恐れもあるため、ドル円相場の反落リスクに警戒が必要でしょう。また、明日より始まるG20財務相・中央銀行総裁会議でドル高牽制を滲ませる発言が出てくる恐れがある他(10/6にイエレン財務長官が「ドル高に伴う為替変動がもたらす潜在的な影響に留意している」と発言したことが背景)、10/13に予定されている米9月消費者物価指数に向けてのポジション調整も警戒されるため、本日はドル円相場の反落リスクに警戒したいと考えています(神田シーリングの145.90を上抜けし、146円台に乗せる局面では政府・日銀による円安牽制やレートチェックに留まらず、第二回目の実弾介入が決定される恐れも出てくることから、要人発言に振り回されるボラタイルな相場展開を想定)。

本日の予想レンジ:144.00ー146.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、上昇基調継続で介入前の水準へ急接近。政府・日銀の動きに要警戒

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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