米雇用統計注視、発表前後は波乱含みか
〇本日のドル円、NY時間の米雇用統計発表を控え、145円を挟んだ30ポイント程度のレンジ取引に終始
〇昨日欧米時間などにドルの上値を試すも145.15レベルまで、10/3高値を上抜くことは出来ず
〇米雇用統計の内容次第では年初来高値145.90に迫る可能性も、その際の日本の当局の対応にも注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.40-145.80
〇ドル高方向は本日高値145.15レベルが最初の抵抗、ドル安方向は東京安値144.85レベルの攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場はドルが底堅い。介入警戒などで上値も重いが、下値も堅く145円挟みでの一進一退に。
ドル/円は145.10円レベルで寄り付いたものの、いわゆる「円安シーリング」に位置していたうえ、本日NY時間に注目の米雇用統計発表を控え、一段の上値を取りに行く気配なし。ただ、下値を積極的に攻めに行く雰囲気にも欠け、結局は145円を挟んだ30ポイント程度のレンジ取引に終始している。16時現在では145.00-05円で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「米金融政策など」について。
前者は、ロシアが一方的に「併合」したウクライナ東部のヘルソン地域に送り込んだストレモウソフ次官が、自国のショイグ国防相を痛烈に非難したとして話題に。「前線で発生している問題を理解していない」としたうえで、「将校として自ら命を絶つ人も多い」などと述べたという。ウクライナ戦で劣勢が伝えられるロシア内部での崩壊が始まっているのかもしれない。なお、そうしたなか昨日プーチン氏が「国有化の大統領令に署名した」と報じられたサポロジエ原発について、IAEAのグロッシ事務局長は「同原発をウクライナの施設とみなしている」と述べていた。
対して後者は、クリーブランド連銀総裁が「インフレ抑制が最優先事項」、シカゴ連銀総裁も「政策金利は来春までに4.50-75%に達する可能性が高い」との認識を示すなど、昨日から本日早朝にかけて複数の米要人からタカ派コメントが目に付く格好。これがドル高の一助になっていたことは間違いないが、一方でイエレン米財務長官が「為替変動がもたらす潜在的な影響に留意している」と述べ、過度なドル高に警戒感を示したことが思惑を呼んでいたようだ。風向きの変化だろうか。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日欧米時間などにドルの上値を試すも高値は145.15円レベルまで。3日高値を上抜くことは出来なかった。ただ、ドルはその後も145円挟みと高値圏で推移しており、いまだレンジ内ではあるものの、リスクはドル高方向か。もちろん数字次第ながら、このあと発表される米雇用統計の内容如何では3日高値を超え、145.90円の年初来高値に迫る展開などを否定できない。
為替市場の動きを見ても、依然としてユーロやポンドの動意が活発。市場の関心も引き続き高いようだ。広義の欧州関連ニュースには本日も要注意。それに対して、日米は一時期後退していた米金利先高観が復活し、ドル高を支援している感を否めない。本日は米雇用統計が発表される見込みで、その内容如何ではドルがさらに続伸する可能性もある。その際、日本の当局が如何なる対応をするのか、実弾介入の有無も含め注目しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は依然としてレンジ取引。昨日欧米時間や本日東京時間に145円前半を記録するも、3日高値にはとどかなかった。ただ、このあとは注目の米雇用統計発表を控えていることもあり、現状のようなレンジ取引が続くといった見方をする向きは少数派か。足もとのレンジを上放れた際には年初来高値の145.90円、逆にレンジ底割れなら少し遠いが9月22日安値の140.35円がターゲットに。
本日は米経済指標として、9月の雇用統計などが発表される予定となっている。ちなみに、市場の関心が高い非農業部門雇用者数はプラス22.5万人、失業率は3.7%程度が予想されているようだ。先日発表されたADP雇用統計はほぼ予想の範囲内であったが、本日は如何に。いずれにしても、発表前後の市場はやや荒っぽい変動をたどる可能性も否定できない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.40-145.80円。ドル高・円安方向は昨日そして本日高値でもある145.15円レベルが最初の抵抗。超えると145.40円レベル、さらには145.90円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の144.85円レベルの攻防にまずは注目。割り込むと144.40円レベルを目指す。それも下回ると143.90円レベルの移動平均21日線が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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