ドル円145円挟み、今晩の米雇用統計発表控え神経質な動き
7日午前の東京市場でドル円は145円を挟んでの一進一退。昨晩海外市場でドル円が上昇した流れを受け、朝方、高値圏の145.14レベルで取引の始まったドル円は、東京時間の介入を警戒して寄付きを高値として小反落。しかし、144円台での買い意欲も強く、145円を挟んで144.85-145.10の狭いレンジでのもみ合いに終始しました。東京時間正午現在は144.95レベルで取引されています。
日経平均株価は、昨晩米株式市場で主要株価指数が下落したことから売りが先行、序盤の下げ幅は300円を超えました。しかし、その後は運輸系株等を中心に買い戻しの動きが強まり、161円安まで下げ幅を縮めて午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、FRB関係者のタカ派発言が相次ぎ、米長期金利が上昇。ドル円は欧州序盤の144円台半ばからほぼ一方向で上げて、米国市場終了間際に高値145.14をつけ、そのまま高値圏でアジア時間を迎えています。
テクニカルにはドル円は9月中旬から続く、141.50-145.00レンジの上限付近で推移。144.41レベルの転換線、143.92付近を上昇中の21日線にサポートされドル買い地合いです。
市場は今晩の米雇用統計待ち。9月雇用統計は前月比弱めの非農業部門雇用者数の予想等、全般的にマイルドな市場予想となっています。
もし、雇用統計で強い数字が出て米長期金利が上昇した場合には、9/22の高値145.90を試す動きとなることは避けられないものと思われます。その際には当然、政府・日銀の為替市場介入を警戒することとなりますが、まず、上記の通り既に約1か月間レンジ相場にとどまるドル円相場が、現在「急速で一方向な円安」や「過度の投機的動き」に該当するのかという疑問があります。もちろん、雇用統計後に2円も3円も円安が急激に進む場合には市場介入する十分な理由となるでしょうが、その際の介入ポイントは必ずしも前回介入ポイントとされる145.90レベルとは一致しないかもしれません。また、海外時間であることから、政府・日銀が、あまり介入に乗り気でないはずの米FRBに委託介入を行うのかというのも気になるポイントです。もし、海外時間の介入を見送るのであれば、当日の市場のオーバーシュートをある程度許したうえで、週明け介入ということにもなりかねず、週明けが本邦祝日で市場が薄いことも考えれば、相場の乱高下が懸念される状況となります。
一方で、雇用統計が弱めに出るケースもやはり波乱含みです。今週半ばまで、米FRBの先々の引き締め観測が一時緩和し、米長期金利の低下からドル売りとなった流れは見逃せません。ここへきて米国のマスコミにもFRBのあまりにも急激な利上げ行動と景気への影響を懸念する内容がちらほら目立つようになってきています。市場自体にも、米国の金利先高を過度に織り込みすぎたのではないかとの警戒感が生じており、弱めの雇用統計をきっかけに、金利、通貨、株式等の市場に一気に巻き戻しが入る可能性は否定できません。いずれにせよ今晩雇用統計前後の動きには十分な注意が必要です。
ドル円日足
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