上下ともトライ失敗、目先はレンジ継続か
〇本日のドル円、一時143円半ばまで値を下げるが反発、16時現在144.20前後で推移
〇短期的な143.90-144.90レンジ、上下ともトライ失敗か、週末の米雇用統計控え揉み合い続く
〇本日は米9月ADP雇用統計、8月貿易収支、9月ISM非製造業総合指数など発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.60-145.00、昨日高値144.94が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、143.70レベル移動平均21日線の攻防に注目、NYクローズで上回れるか
<< 東京市場の動き >>
5日の東京市場はドルが冴えない。一時9月26日以来となる安値143円半ばを示現するも、終盤に掛けてはやや下げ渋りの様相だった。
ドル/円は144.10円レベルで寄り付いたのち、ドル売りが先行。前日安値を下回り、143円半ばまで一時値を崩している。しかし、定着はせず反発に転じると、Vの字型の戻りとなり144円台をあっさり回復。その後は144円台前半での一進一退をたどるなか、16時現在では144.20円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、前日にこの10日間で5回目となる弾道ミサイル発射を行った北朝鮮に対する非難の声が世界中から噴出。国連事務総長や米国防総省報道官、EU大統領などのほか、実施された日米首脳会談や日米韓外相会談でも「国連安保理決議を無視し、地域の安定を大きく揺るがした」などとする非難声明が観測されていた。しかし、中国は依然として甘い対応で、同国外務省が「関係各国は話し合いと協議を通じて解決するよう望む」と指摘するにとどまったほか、米国が要請した国連安保理の公開会議開催に対し拒否権を発動。ロシアとともに反対を表明していたようだ。
対して後者は、ここ数日戦闘における巻き返しの動きが目に付くウクライナのゼレンスキー大統領がイタリアの次期首相候補をはじめ、バイデン米大統領、モディ印首相らと積極的な首脳会談を行い、さらなる支援を求めていたようだ。その一方、英紙が「ロシアはウクライナとの紛争をめぐり核兵器を使用する意思を示す準備をしている」と報じ、それについてはロシアのペスコフ報道官が一応否定したものの、まだまだ予断を許さない気もしている。
<< 欧米市場の見通し >>
週明け3日にドル/円は目先レンジの上限145円を上抜けしたものの、結果として上値トライに失敗。それに続き、今度は一転して同下限の143.80円レベルを本日東京で一時割り込む展開となっている。ただ、まだ断定はできないが、こちらもトライは失敗した感があり、だとすると週末の米雇用統計発表を控え、目先は144円台を中心とした揉み合いか。次の方向性を探る動きとなる可能性がある。
市場の関心は引き続きユーロやポンド、英国やロシアを含めた広義の欧州情勢に依然高い状況だ。本日も関連ニュースには要注意。しかし、そうしたなか一時的に蚊帳の外といった様相を呈していたドル/円の動意が復活しつつあり、実際今週に入ってから3日、4日と終日の変動が1円を超えている。材料的にも、週末に発表される米雇用統計の前哨戦になるADP雇用統計が発表される見込みであり、まずはこちらの数値に注目か。場合によっては波乱もありうる。
テクニカルに見た場合、ドル/円は短期的に形成していた143.90-144.90円というレンジの上下ともにトライするも失敗し、結果としてレンジを少し広げただけか。つまりは、143.50-145.30円といったレンジで、一旦は仕切り直し。いましばらくは新レンジなかでの一進一退をたどる可能性もある。ただ、週末には注目の米雇用統計発表が予定されていることもあり、平穏な展開が長続きすることはないとの見方が有力だ。
本日は米経済指標として、9月のADP雇用統計や8月の貿易収支、9月のISM非製造業総合指数などが発表される予定で、それらは当然要注意。またOPECプラス閣僚級会合や、北朝鮮のミサイル発射を受けて開催される国連安保理緊急会合などにも注意する必要がありそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.60-145.00円。ドル高・円安方向は昨日高値144.94円が最初の抵抗。超えると145.40円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、143.70円レベルまで切り上がってきた移動平均21日線の攻防にまずは注目。本日東京でもザラ場ベースで一時下回るも、ここまで定着は出来ていない。NYクローズで上回れるのか否かにも注目だ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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