ドル/円はレンジ続くか、欧英情勢に要注意(9/30夕)

30日の東京市場はおおむね揉み合い。144円半ばを中心としたレンジ取引で方向性は乏しかった。

ドル/円はレンジ続くか、欧英情勢に要注意(9/30夕)

ドル/円はレンジ続くか、欧英情勢に要注意

〇本日のドル円、積極的な動意に欠け144円半ば中心のレンジ取引、全体を通せばドル高・円高の様相
〇ポンドに市場の関心集まる、本日対円で一時1円強も急落と不安定、対してドル円は落ち着いた値動き
〇144円台中心のレンジ取引が続く可能性もあるが、月末最終日の駆け込み的な需給要因にも要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.80-144.90、3日続けて上げ止まった144.80-90が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、3日連続下げ止まっている144円前後(143.90-10)レベルの攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はおおむね揉み合い。144円半ばを中心としたレンジ取引で方向性は乏しかった。

ドル/円は144.40-45円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。144.30-75円といった狭いレンジ内での往来相場に終始した。ただ全体を通せばドル高、円高の様相。円は対ドル以外、ユーロやポンドなどでは小高く推移している。16時現在、ドル/円は144.45-50円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「英国情勢」について。
前者は、天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」の損傷発生について、果たしてテロなのか否か様々なところで議論が続くなか、運営会社は公式な許可が得られ次第、被害状況の調査を開始することを明らかにしている。一方、それとは別に、ロシアが実効支配するウクライナ4地域のロシア編入について、米国務長官をはじめとする各国要人からの批判が相次いだものの、プーチン氏は法令への署名を強行。これを持ち、ロシア編入発表に向けた手続きが今後開始されることになる。また、本30日にプーチン氏が4地域の併合を宣言する見通しだと報じられていた。

対して後者だが、ポンド相場は依然として不安定。昨日は対円、ドルなどで大きく続伸したものの、本日東京では対円で一時1円強もの急落をたどるなど、下値の脆弱さを再び露呈している。材料的にも、引き続き英国の経済対策への不信感が指摘されるなか、発起人であるクワーテング財務相を擁護する政権そのものへの不満にも繋がっており、英国の世論調査大手ユーガブの発表によると与党保守党の支持率はわずか「21%」しかないという。果たして内閣が無事に維持し続けられるのか、続報を含めポンド相場への影響も要注意だ。

<< 欧米市場の見通し >>

市場動意の主役をポンドに譲り、ドル/円はよく言えば落ち着いた値動き。実際、昨日の変動も終日を通し1円にとどかなかった。油断は禁物だが、144円台を中心としたレンジ取引がいましばらく続く可能性もある。ただし、本日は週末と同時に月末最終日に当たるため、ロンドンフィキシングをはじめとする駆け込み的な需給要因が波乱要因となりかねない。予想外の乱高下などもあり得るか。
日米を中心とした金融政策への関心が依然として高いなか、米株の動きに目をやるとNYダウは一昨日500ドル以上の上昇をたどったものの、昨日は450ドル安とその多くを吐き出している。まだまだ下値は不安定で、株価の値動きにも引き続き注意しておきたい。なお、本日は日本の財務省が発表する「外国為替平衡操作の実施状況」、つまりは22日の政府・財務省が行った円買い介入額を注視している向きも少なくないようだ。すでにロイターが推計として、「3.6兆円規模」と伝えているが、実数値との乖離によっては一時的な上下動も予想されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は小康状態が続く。短期のチャートを見ると、144円台を中心とした新レンジを形成しつつあるようだ。市場の関心がポンドを中心としたものになっていることからすれば、このまま落ち着いた値動き、レンジ継続と考えたいが果たして如何に。
なお、本日で9月の月足が決定することになることから、NYクローズのレベルを注視している声も多く聞かれていた。

本日は米経済指標として、8月のPCEデフレーターや9月のミシガン大消費者物価指数確報値が発表されるほか、ブレイナードFRB副議長をはじめとする講演や挨拶なども引き続き数多い。そのほか、ノルドストリームの損傷めぐる「国連安保理会合」や、前述したプーチン氏による4地域併合宣言なども場合によっては相場の変動要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.80-144.90円。ドル高・円安方向は昨日を含め3日続けて上げ止まった144.80-90円が最初の抵抗。超えると当然145円台乗せから、当局介入が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、こちらも3日連続で144円前後(143.90-10円)でドルは下げ止まっており、そのレベルでの攻防にまずは注目だ。底堅いイメージだが、しっかり割り込めば下げが加速する可能性もあるだろう。

ドル/円はレンジ続くか、欧英情勢に要注意

ドル円日足


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