明日の米FOMC発表控え、基本はレンジ継続
〇本日のドル円、143円台中心の50ポイント程度のレンジ取引、積極的な動意に欠ける展開
〇短期的には142.50-143.80といった小さなレンジを形成、そのなかでの往来相場
〇米FOMCを前に、しばらくは143円台を中心とした一進一退が続く展開か
〇今週は日米英などの金融政策発表の予定、FOMCは利上げの予想
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ142.80-143.90、ドル高・円安方向は引き続き143.80が強い抵抗か
〇ドル安・円高方向は、東京安値142.95レベルの攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場は揉み合い。143円台を中心にした50ポイント程度のレンジ取引で、方向性も乏しかった。
ドル/円は143.20円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。日米株価の動きなどをにらみつつ、調整と思しき円買いが一時先行したものの続かなかった。結果として、米FOMCなどを見極めたいとの雰囲気から、143円台を中心としたレンジ取引に終始。16時現在では143.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「英女王の国葬」について。
前者は、不安の後退していたザポロジエ原発について、再び危険視されるような状況となっているようだ。たとえば、IAEAも「近隣の火力発電所から送電するための予備送電線が切断された」と発表している。また、ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは、「ロシア軍が南部ミコライウ州にある南ウクライナ原発を攻撃した」と発表し、こちらも別途話題に。そうしたなか、プーチン大統領の最側近パトルシェフ安全保障会議書記が、中国で外交担当トップの楊共産党政治局員と会談。合同演習を含む軍事協力を今後も継続することで一致したという。
対して後者は、当初一部の英メディアが「新疆ウイグル自治区の人権問題などを背景に、英議会が中国の代表者の弔問申し出を拒絶した」と伝えていたものの、結果として中国の王国家副主席が、国葬参列に先立ち、エリザベス女王のひつぎが安置されていたロンドンの議会議事堂のウェストミンスターホールを弔問のため訪れたことが明らかとなった。なお、天皇陛下も参加された一連の儀式はつつがなく終了、両陛下は帰国の途についたと伝えられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、依然としてレンジ内での乱高下。短期的には142.50-143.80円といった小さなレンジを形成、そのなかでの往来相場が続いている。予断を許さないが、今週最大の注目要因とされている21日の米FOMC金融政策発表などをにらみ、いましばらくは143円台を中心としたレンジ取引、一進一退が続く展開か。「嵐の前の静けさ」をたどる可能性もある。
各国金利情勢への関心が高いなか、今週は前述したように21-22日に日米英などの金融政策が発表される予定だ。そうしたなか、ブルームバーグはFOMCの見通しについて「3会合連続となる0.75Pの利上げを決める」としたうえで、「FF金利の誘導目標を最終的に4%超の水準まで引き上げ、その後は据え置くことを示唆する方向」などと報じていた。事実とすれば、発表後の市場はドル買いで反応するだろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円は短期的に142.50-143.80円といった小さなレンジを形成しているが、期間を狭めればレンジはさらに小さくなる。いずれにしても、まずは143円台を中心とした足もとのボックス圏を如何に、そしてどちらに放れるのかにまずは注目。上抜ければ144円台乗せから144.95円が再び視界内に捉えられる反面、底割れすれば前回安値141.51円を目指す展開が見込まれている。
本日は米経済指標として、8月の住宅着工件数が発表されるほか、米財務省による20年債の入札が実施される予定となっている。また、明日結果が公表されるFOMCが本日から始まるうえ、NYで国連総会の一般討論が実施される予定だ。とくに後者は出席者による2国間会談などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.80-143.90円。ドル高・円安方向は引き続き15日高値143.80円が強い抵抗となっている感。ただし超えれば144円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、まず東京安値の142.95円レベルの攻防に注目で、下回ると昨日安値142.65円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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