シカゴポジション(CME)352
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2022年09月13日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションはユーロを除き、米ドルロングを積み上げてきました。ユーロがスクエアに近いポジションとなったので、シカゴはドル全面高の相場観とはなっていません。
まず豪ドルですが、総枚数を減らしてのネットショート増ですので、豪ドル先安観は維持していますが、ここからの大きな豪ドル安をみていない様です。このまま行けば下押しではポジションを利確先行の動きとなりそうです。一方、NZドルは総枚数増やしてのNZドルショート増になりました。まだ目安の8,000枚越えをしていないので、NZドル安の相場観を形成中です。今日の締日以降にショートを増やしていけば、オセアニア通貨安に繋がります。万一豪ドル安時にシカゴがポジションを利確していく動きになれば、NZドルも再度スクエア方向に戻される可能性が高いと思われます。
円は先週目安の5万枚乗せから、更に22,000枚程度ショートを積み上げ、次の目安8万枚越えになりました。6月7日締日週のネット円ショート91,000枚(総枚数は129,000枚)以来の8万枚台乗せになりました。一気にドル先高の相場観を強めています。しかしながら、ポジションはこの内の16,600枚が円ロングの手仕舞いによるドルロング増ですので、総枚数は減っており、押し目で円ロングの損切り(?)をした様子です。相場は6日締日終値が142円80銭、13日が同144円58銭ですので含み益が増えていると思いますが、ドル先高観が強いなら、ドル買いし、高値で一部円買いによる利益確定の動き(ポジションを膨らます)となるので、現状では新高値でドルロングを手仕舞いしてくる可能性あります。
前回の6月9日時点ではその後の2ヶ月間は総枚数120,000〜140,000枚で推移し、ネットのドルロングを減らしています。ユーロは完全にスクエアとなり、パリティからの大幅なユーロ安は見ていないと思われます。今後はユーロロングにするチャンスを待つのか、底割れしてからのショート積み上げになるかをみます。このままいけば、ユーロ円ではユーロ高円安を見ていることになります。
先週のシカゴは、ロング800枚増、ショート3,300増となり、ネットショート2,500枚増となり、やっとネット5,000枚のネットショートになりました。下図のチャートを見ると、黒の大きなNZドル安トレンドライン0.6040〜0.6760の下限を抜けてから一段とNZドル安になっています。戻りは終値ベースの0.6040を見ておきます。仮にここまで戻りネットショートが目安の8,000枚を越えていれば、シカゴのNZドル安相場観を確認できます。
さて実際の相場は、先週「…今週は新たに、8月25日高値から抵抗線が今日0.6150にあり、金曜日には0.6110まで下がります。もしこの抵抗線を越えれば、0.6160、0.6190〜00までの上値が見られそうです。下値は0.6060〜70、0,6030〜40、そして大台代わりの0.6000になります。流れはNZドル安トレンドが継続しています」としましたが、先週12日高値が0.6158、13日高値が0.6162と綺麗に抵抗線で止められ、反落しました。13日には一気に0.5986まで下落し、終値も0.5996で0.60の大台割れになっています。豪ドル同様に新たな底値を模索する流れになっています。目安となるサポートは底値を結んだラインが0.5920(金曜日に0.5890)にあります。もう少し長めに結んだものが0.5890(金曜日に0.5870)になります。全てをクリアして下抜けると、豪ドル同様に2020年3月の底値0.5470が視野に入ります。上値は最低でも0.60の大台回復、この上は0.6060、0.6150に抵抗線あります。(1NZドル=0.5935米ドル、9月20日15:00)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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