予断を許さないが、基本ドルは強保ち合いか(8/30夕)

30日の東京市場はレンジ取引。138円半ばを中心とした中段保ち合いで、明確な方向性はうかがえなかった。

予断を許さないが、基本ドルは強保ち合いか(8/30夕)

予断を許さないが、基本ドルは強保ち合いか

〇本日のドル円、138円半ばを中心とした一進一退、明確な方向性うかがえず
〇昨日139.00まで上昇し年初来高値139.39が視界内に入るも、とどかずに小反落へ転じる
〇週末の米雇用統計発表をにらみ、138円台を中心としたレンジ内で強保ち合いをたどる可能性
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.00-139.10、昨日東京高値139円が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた138.30-35の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はレンジ取引。138円半ばを中心とした中段保ち合いで、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル/円は138.70円レベルで寄り付いたものの、上値も重く上げ渋り。日米株価や金利の動きをにらみつつ、ドルの頭は138.80円前後で抑えられている。ただ、ドルの下値も堅いようで、安値は138.35円レベルまで。結局、138円半ばを中心とした一進一退をたどるなか、16時現在では138.50-55円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「欧州金融政策」について。
前者は、ロシア国営ガスプロムが31日から3日間、欧州に運ぶ天然ガスを運ぶパイプライン「ノルドストリーム1」の稼働を停止する予定としており、引き続き動静をめぐり思惑を呼ぶ。昨日はドイツ経済相が「ガス供給を再開しない『厳しい現実』に直面している」などと思わせぶりに発したコメントが不安感を煽っていたという。一方で、ロシアが実効支配する「ザポロジエ原発」をめぐる動きも活発。ただ情報が錯綜するなか、「IAEAの原発調査団がウクライナに到着、31日から調査開始予定」との報道も観測され、真偽とともに続報なども注視されていたようだ。

対して後者は、日米の金融政策に対する関心が高いなか、昨日は欧州の金融情勢が市場で話題に。31日と9月2日にユーロ圏の物価指標発表が予定されているうえ、来週8日にECBが理事会を行い利上げに動くと見られていることが影響していたようだ。たとえば、ブルームバーグは、市場で台頭している「来週の会合で0.75%の大幅利上げ議論」との見方について、レーンECB理事が慎重姿勢を示したとして火消しに動いたと報じている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日139.00円まで一時上昇。年初来高値139.39円も視界内、あと39銭へと迫ったが、とどかずにそののちは小反落へと転じている。ドルの上値トライが失敗したわけではなく、むしろリスクという意味では引き続きドル高にバイアスが掛かりそうだが、週末に注目の米雇用統計発表をにらみ、目先は小康か。138円台を中心としたレンジ内でドルは強保ち合いをたどる可能性も否定できない。
引き続き各国の金利情勢に対する関心が高い環境下、米国については前述した米雇用統計発表、そして欧州は来週8日のECB理事会が注視されている。それもあり、市場の関心もドル/円よりユーロ/ドルなどに移行しつつあるようだ。幸か不幸か、欧州についてはいわゆるウクライナ情勢や、先でも取り上げたエネルギー供給問題、ジョンソン後・英与党党首決定などの注目材料も多い。しばらくは欧州通貨主導の展開の可能性もあるか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日一時139円まで上昇。つまり、139.39円を起点とした下げ幅は、ほぼ100%近い戻しを達成したことになる。個人的には、前回高値139.39円と今回高値139.00円でダブルトップを示現し反落する公算は低いと予想しているものの、リスク管理だけはしっかりとしておきたいところだ。昨日も報じたように、139円前後などでもたつき、なかなかドルの高値更新ができないようなら、弱気派の見方が少しずつ有力視される可能性もある。

一方、本日は米経済指標として、6月のS&Pケースシラー住宅価格指数や8月の消費者信頼感指数が発表されるほか、NY連銀総裁などによる講演も予定されており、そちらも一応要注意。また政治ファクターも含めたうえでの、広義欧州情勢も気掛かりだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.00-139.10円。ドル高・円安方向は昨日東京高値に当たる139円が最初の抵抗。抜ければ139.39円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた138.30-35円の攻防にまずは注目。割り込めば当然続落が懸念されるものの、それでも取り敢えずは底堅いイメージ。

予断を許さないが、基本ドルは強保ち合いか

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