ドル円、堅調推移が継続中。本日は改定後初めてとなる米ADP雇用統計に注目(8/31朝)

30日(火)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、堅調推移が継続中。本日は改定後初めてとなる米ADP雇用統計に注目(8/31朝)

ドル円、堅調推移が継続中。本日は改定後初めてとなる米ADP雇用統計に注目

〇ドル円米指標の好調と米長期金利の反転上昇に米国時間に139.07まで急伸
〇引けにかけて反落するも底堅く138円台後半での推移
〇ユーロドル、欧州時間朝方、高値1.0054まで急伸するも伸び悩み1.0挟みでの取引継続
〇ドル円、下方向に複数のサポート控え、買いシグナルも点灯、テクニカルの地合い強い
〇本日ADP雇用統計要注目、新手法導入で週末雇用統計との相関強まるか
〇ドル円のアップサイドリスクに特に警戒が必要
〇本日の予想レンジ:138.00ー139.50

海外時間のレビュー

30日(火)のドル円相場は下落後に急反発。@上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(7/14高値139.40トライ失敗に伴うロング手仕舞い)や、A米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが一時3.05%へ低下)、B対オフショア人民元でのドル売り圧力(中国人民銀行による対ドル基準値の人民元高設定)が重石となり、日本時間20時過ぎに、安値138.05まで下落しました。しかし、心理的節目138.00をバックに下げ渋ると、Cリッチモンド連銀バーキン総裁による「インフレが予測通りに低下するとは思わない」とのタカ派的な発言や、D米8月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果103.2、予想97.6、前回95.3)の力強い結果、E米7月JOLT雇用動態調査(結果1123.9万件、予想1045.0万件、前回1069.8万件)の市場予想を上回る結果、

F米長期金利の反転上昇(米10年債利回りが3.05%から約2ヵ月ぶり高水準となる3.14%へ急上昇)が支援材料となり、米国勢参入後(日本時間23時過ぎ)に、高値139.07(7/15以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/31午前4時00分現在)では、138.66前後で推移しております。尚、米国時間午後にかけては、アトランタ連銀ボスティック総裁より「インフレ鈍化は利上げペースを緩める理由になる可能性」とハト派的な発言が聞かれた一方、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁からは「FRBが来年利下げする可能性は非常に低い」とのタカ派的な発言が聞かれるなど、強弱まちまちの結果となった為、ドル円相場の方向性を決定づけるには至りませんでした。

30日(火)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。アジア時間朝方にかけて、安値0.9981まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@前日海外時間にフォンデアライエン欧州委員長が「電力市場への緊急介入を準備している」と発言したことや、A上記@を背景に欧州経済を巡る過度な悲観論が後退したこと(オランダTTF天然ガス先物価格の下落もユーロの支え)、B次回ECB理事会での75bp利上げ観測(独債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力。昨日はオランダ中銀クノット総裁やエストニア中銀ミュラー総裁より75bp利上げを議論すべきとの発言あり)、CレーンECB専務理事兼チーフエコノミストによる「金利引き上げを継続する必要がある」とのタカ派的な発言が支援材料となり、欧州時間朝方(日本時間18時過ぎ)にかけて、高値1.0054まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、D米経済指標の良好な結果や、E米長期金利の反転上昇が重石となり、米国勢参入後に一時0.9983まで反落する場面も見られました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/31午前4時00分現在)では、1.0018前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時139.07まで反発するなど、7/15以来、約1ヵ月ぶり高値圏へと上昇しました。ダウンサイドに複数のサポートポイントを控えていること(下がった際に押し目買いが出やすい。昨日も心理的節目138.00で確りサポート)や、強い買いシグナルが複数点灯していること(一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダー、強気のバンドウォーク、ダウ理論の上昇トレンド)などを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長はタカ派的なスタンスを強調。一方、黒田総裁は同会議で金融緩和の継続方針を強調)や、米政府・米当局によるドル高容認スタンス、本邦貿易赤字拡大に伴う円売り圧力など、構造的な「ドル買い・円売り」要因が重なる中、ドル円は7/15高値139.13や、7/14高値139.40に向けて上伸するシナリオが想定されます。

こうした中、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米8月ADP雇用統計、米8月シカゴ購買部協会景気指数、クリーブランド連銀メスター総裁講演に注目が集まります。特に米雇用統計の前哨戦として期待される米8月ADP雇用統計(日本時間21:15発表予定。新たな分析手法導入後はじめての公表となるため、週末の米雇用統計との相関性が高まるとの期待感あり)への注目度が高く、仮に市場予想を上回る結果となれば、9月FOMCでの75bp利上げを織り込む形で、米長期金利上昇→米ドル買いの流れに拍車がかかると考えられます。状況次第では7/14に記録した年初来高値139.40を一気に上抜け、心理的節目140.00を試すシナリオも想定されるため、本日海外時間はドル円のアップサイドリスクに特に警戒が必要でしょう(本日は月末となるため、本邦公表相場決定やオプションカットオフ、ロンドンフィキシングに絡む特殊フローにも要注意)。

本日の予想レンジ:138.00ー139.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、堅調推移が継続中。本日は改定後初めてとなる米ADP雇用統計に注目

ドル円日足

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