ドルの堅調推移継続、米株の動きには要警戒
〇本日のドル円、137.70レベルまで一時値を上げ前日高値を更新するも急反落、137円前半での一進一退
〇上げ足が鈍ってきたものの連日下値を切り上げる展開、リスクは依然としてドル高方向
〇短期的にはやや行き過ぎの感もあり、ジャクソンホール会合を前に調整への警戒も
〇ジャクソンホール会合でのFRB議長の講演、米経済指標、米株の動きにも注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.70-137.90、137.70レベルが最初の上値メド
〇ドル安・円高方向は、136.70の攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場はドルが小安い。ザラ場ベースでは前日高値をわずかに更新する局面も見られたが、勢いは続かなかった。
ドル/円は137.45-50円で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。前日高値をわずかに超える137.70円レベルまで一時値を上げた。しかし、高値を示現後は急反落。一転して137円をうかがう様相となり、結果として割り込めなかったものの137円前半での一進一退に。16時現在では137.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、前日のNY時間に「パリティ(1ユーロ=1ドル)」を割り込んだユーロ/ドルは、その後も冴えない。むしろ、東京時間にはユーロ安値を更新する格好で推移していた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ゼレンスキー大統領が24日の「ウクライナ独立記念日」に向けた、ロシア側からの一段の攻撃強化への警戒を呼び掛けるなか、「ロシア軍がウクライナ国境近くに戦闘機とヘリコプター、計約800機を集結させている」などとした報道も。一部では緊張感がさらに高まってきた感もある。一方、そうしたなかロシア通信は、ロシアサイドが「ウクライナ東部にあるザポロジエ原子力発電所に関する会合を23日に国連安全保障理事会で開催するよう要請」と報じており、放射能漏れなど危機感の後退に繋がるのか注目だ。
対して後者は、昨日中国人民銀行が今年3回目となる「利下げ」に踏み切ったこともあり、人民元が弱含み。発表された基準レートは「1ドル=6.8523元」となったほか、実際の取引では2年ぶりの安値である6.8550元をつける局面も観測されていたという。なお、中銀の利下げ実施にもかかわらず、市場では不動産リスクが依然として取り沙汰されているほか、景気悪化懸念も根強い。人民元の続落を警戒する声もあるようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円はさすがに上げ足が鈍ってきたものの、連日下値を切り上げる展開。リスクそのものは、依然としてドル高方向に高いとみて間違いないようだ。実際、前記したように本日東京時間にもドルは直近戻り高値を一時更新している。ただ、11日安値131.74円を起点としても2週間足らずのあいだに6円近いドル高・円安が進行しており、若干行き過ぎの感も。短期的には調整と思しき動きにも一応注意しておきたい。
日米金利情勢への関心が依然として高いなか、今週ならば週末にかけて開催されるジャクソンホール会合、なかでもパウエルFRB議長の講演に注目だ。また本日も引き続き発表される米経済指標そして、昨日終値ベースでも600ドル以上下落しているNYダウなど米株の動きにも注意が必要だろう。また、それとは別にパリティ割れのレベルで推移するユーロ/ドルの動きなどはドル/円よりも要注意、と警戒感を抱く声も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円はじり高。連日の高値更新となっている。かすかに年初来高値139.39円も視界内に捉えられているようで、リスクはドルの続伸か。まずは本日東京高値137.70円レベルの攻防に注目したい。
しかし、短期的にはやや行き過ぎの感もあり、ジャクソンホール会合を前にした調整への警戒も。ちなみに、そんなドルの最初の下値メドは昨日安値136.70円レベルになる。
一方、本日は米経済指標として、8月の製造業PMI速報や同リッチモンド連銀製造業指数などが発表される予定ほか、米財務省による2年債の入札も実施される見通しだ。そのほか先でも取り上げた国連安保理、ザポロジエ原発に関する会合などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.70-137.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値137.70円レベルが最初の上値メド。上抜ければ138円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、昨日ドル安値にあたる136.70円の攻防にまずは注目。ただ、割れ込んでも底堅いイメージだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2022.08.24
ドル円、不冴な米経済指標を受けて一時急落もすぐに反発。下値の堅さを再確認(8/24朝)
23日(火)のドル円相場は上昇後に急落するもすぐに反発。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。