ドルの堅調推移継続、米株の動きには要警戒(8/23夕)

23日の東京市場はドルが小安い。ザラ場ベースでは前日高値をわずかに更新する局面も見られたが、勢いは続かなかった。

ドルの堅調推移継続、米株の動きには要警戒(8/23夕)

ドルの堅調推移継続、米株の動きには要警戒

〇本日のドル円、137.70レベルまで一時値を上げ前日高値を更新するも急反落、137円前半での一進一退
〇上げ足が鈍ってきたものの連日下値を切り上げる展開、リスクは依然としてドル高方向
〇短期的にはやや行き過ぎの感もあり、ジャクソンホール会合を前に調整への警戒も
〇ジャクソンホール会合でのFRB議長の講演、米経済指標、米株の動きにも注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.70-137.90、137.70レベルが最初の上値メド
〇ドル安・円高方向は、136.70の攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場はドルが小安い。ザラ場ベースでは前日高値をわずかに更新する局面も見られたが、勢いは続かなかった。

ドル/円は137.45-50円で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。前日高値をわずかに超える137.70円レベルまで一時値を上げた。しかし、高値を示現後は急反落。一転して137円をうかがう様相となり、結果として割り込めなかったものの137円前半での一進一退に。16時現在では137.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、前日のNY時間に「パリティ(1ユーロ=1ドル)」を割り込んだユーロ/ドルは、その後も冴えない。むしろ、東京時間にはユーロ安値を更新する格好で推移していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ゼレンスキー大統領が24日の「ウクライナ独立記念日」に向けた、ロシア側からの一段の攻撃強化への警戒を呼び掛けるなか、「ロシア軍がウクライナ国境近くに戦闘機とヘリコプター、計約800機を集結させている」などとした報道も。一部では緊張感がさらに高まってきた感もある。一方、そうしたなかロシア通信は、ロシアサイドが「ウクライナ東部にあるザポロジエ原子力発電所に関する会合を23日に国連安全保障理事会で開催するよう要請」と報じており、放射能漏れなど危機感の後退に繋がるのか注目だ。
対して後者は、昨日中国人民銀行が今年3回目となる「利下げ」に踏み切ったこともあり、人民元が弱含み。発表された基準レートは「1ドル=6.8523元」となったほか、実際の取引では2年ぶりの安値である6.8550元をつける局面も観測されていたという。なお、中銀の利下げ実施にもかかわらず、市場では不動産リスクが依然として取り沙汰されているほか、景気悪化懸念も根強い。人民元の続落を警戒する声もあるようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はさすがに上げ足が鈍ってきたものの、連日下値を切り上げる展開。リスクそのものは、依然としてドル高方向に高いとみて間違いないようだ。実際、前記したように本日東京時間にもドルは直近戻り高値を一時更新している。ただ、11日安値131.74円を起点としても2週間足らずのあいだに6円近いドル高・円安が進行しており、若干行き過ぎの感も。短期的には調整と思しき動きにも一応注意しておきたい。
日米金利情勢への関心が依然として高いなか、今週ならば週末にかけて開催されるジャクソンホール会合、なかでもパウエルFRB議長の講演に注目だ。また本日も引き続き発表される米経済指標そして、昨日終値ベースでも600ドル以上下落しているNYダウなど米株の動きにも注意が必要だろう。また、それとは別にパリティ割れのレベルで推移するユーロ/ドルの動きなどはドル/円よりも要注意、と警戒感を抱く声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円はじり高。連日の高値更新となっている。かすかに年初来高値139.39円も視界内に捉えられているようで、リスクはドルの続伸か。まずは本日東京高値137.70円レベルの攻防に注目したい。
しかし、短期的にはやや行き過ぎの感もあり、ジャクソンホール会合を前にした調整への警戒も。ちなみに、そんなドルの最初の下値メドは昨日安値136.70円レベルになる。

一方、本日は米経済指標として、8月の製造業PMI速報や同リッチモンド連銀製造業指数などが発表される予定ほか、米財務省による2年債の入札も実施される見通しだ。そのほか先でも取り上げた国連安保理、ザポロジエ原発に関する会合などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.70-137.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値137.70円レベルが最初の上値メド。上抜ければ138円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、昨日ドル安値にあたる136.70円の攻防にまずは注目。ただ、割れ込んでも底堅いイメージだ。

ドルの堅調推移継続、米株の動きには要警戒

ドル円日足


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