ドルに続伸期待、発表される米指標に要注意(8/17夕)

17日の東京市場はドルが小高い。とくに終盤にかけ、値を上げる展開でドルは高値引けとなった。

ドルに続伸期待、発表される米指標に要注意(8/17夕)

ドルに続伸期待、発表される米指標に要注意

〇本日のドル円、133円台まで一時下落するが反発、134円台半ばで高値引け
〇過去2週間推移する上限(135.58)を意識した展開、上抜けを期待する声も
〇本日は米7月小売売上高、FOMC議事録要旨公開に注目集まる
〇数値次第では「0.75%利上げ」期待復活との見方も、ドル支援要因となるか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.00-135.40、134.80レベル21日線が最初の抵抗

<< アジア市場の動き >>

17日の東京市場はドルが小高い。とくに終盤にかけ、値を上げる展開でドルは高値引けとなった。

ドル/円は134.20円前後で寄り付いたのち、当初はレンジ取引。しかし底割れすると、133円台まで一時下落する局面も観測されていた。ただ下値も堅く大崩れしなかったことでドルは反発に転じると、大引けにかけてむしろ逆行高。134円半ばへと値を上げ、16時現在ではそのままドルの高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、東京時間の午後「北朝鮮が巡航ミサイル2発を発射した」との一部ニュースが伝えられており、それも為替市場で話題になっていたようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ザポロジエ原発付近の攻撃をめぐり、ロシアとウクライナの非難合戦が依然として続くなか、クリミアにおけるロシア軍の倉庫がまた爆発事故を起こし、こちらも新たな火種となっていた。ちなみに、ロシア国防省は「爆発は破壊工作」と指摘したほか、米紙NYタイムズは「ウクライナ精鋭部隊が関与」と断定している。また別途、フランス大統領とウクライナ大統領による電話会談が行われたほか、国連事務総長が18日にウクライナを訪問。ゼレンスキー氏らと直接会談する旨を明らかにしていた。

対して後者は、米国防総省が、日米韓3ヵ国は8-14日にハワイ沖で弾道ミサイルを探知・追跡する共同訓練を行ったと発表するなか、米韓が22日から合同演習を行うとも発表。さらに、後者は16日から事前演習も開始したという。そのため複数メディアで北朝鮮の反発について警戒感が取り沙汰されるなか、まさにその北朝鮮が本日東京時間の午後に「巡航ミサイル発射」という実際の威嚇行動に動いたようだ。なお、そうしたなか朝鮮中央通信によると、ウクライナ親露派から「互恵的な双務協力がなされると確信する」などとした祝電が金総書記宛てにとどいたという。

<< 欧米市場の見通し >>

期間をどこからとるのかによるが、ともかくドル/円は過去2週間程度推移しているボックス圏の上限(135.58円)を意識した展開となっている。つまり、依然として大枠ではレンジ内ではあるものの、今後それを上抜けてくる可能性もある。ただ、移動平均では足もと134.80円レベルに21日線が位置するなど、135円手前から上値が重くなるとの指摘も。簡単にレンジを超えていくことはなかなか難しいか。
市場の関心の根本的な部分は各国金利情勢で、実際本日東京時間も、NZの利上げをめぐりNZドル/円などが一時荒っぽい変動をたどっていた。そうしたなか、本日は発表される米経済指標、7月の小売売上高を注視している向きが多く、その内容にまずは要注意。発表される数値如何では、次回FOMCでの「0.75%利上げ」期待が復活するとの見方もあり、ドルの支援要因となる可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は大局的には依然としてレンジ内。ただ、その上限に接近しており、強気派のなかには上抜けを期待する声もある。ドル高方向の抵抗は134.80円前後に位置する移動平均の21日線で、ザラ場ベースはもちろんのこと、NYクローズで超えることが出来るかも重要。しっかり超えれば135円台乗せ、135.58円やフィボナッチポイントにあたる136円前後などがターゲットに。

本日は米経済指標として、7月の小売売上高などが発表されるほか、7月に開催されたFOMCの議事録要旨公開も予定されている。それ以外の材料はやや乏しいが、前記2つはともに市場の関心が高いことから、前後の金融市場には要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.00-135.40円。ドル高・円安方向は前記したように21日線が最初の抵抗。上抜ければ1週間ぶりの135円台も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値にあたる133.90円レベルの攻防にまずは注目。底堅いイメージだが、しっかり割り込めばそれでもなかなかの深押しか。

ドルに続伸期待、発表される米指標に要注意

ドル円日足

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