ドル円、良好な米小売売上高を背景に大幅続伸。米CPI後の下げ幅を全値戻し
〇ドル円、米7月小売売上高の一部数値の好調と米長期金利上昇に米国時間に135.51まで上昇
〇その後FOMC議事要旨での金利引き上げペース緩和可能性への言及に135.05まで値を崩す
〇ユーロドル米指標好調とユーロ圏2QGDPの不冴えに1.0146まで下落後1.0203まで急伸
〇ドル円、米CPI後の下げ幅の全値戻しを達成、地合いの好転を印象付けるチャート形状
〇目先は135.44の一目均衡表雲上限や、8/8高値135.59を突破できるか否かに注目
〇本日の予想レンジ:134.50ー136.00
海外時間のレビュー
17日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値133.91まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@日経平均株価の堅調推移(1/5以来、約7カ月半ぶり高値圏)や、A上記@を背景としたリスク選好の円売り圧力、B米7月小売売上高・除く自動車(結果0.4%、予想▲0.1%、前回0.9%、※前月比)の良好な結果、C米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは7/21以来となる2.91%へ上昇)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値135.51(8/8以来の高値圏)まで急伸しました。しかし、一目均衡表雲上限や8/8高値135.59をバックに戻り売り圧力が強まると、DFOMC議事要旨での「政策金利の引き上げペースをある時点で緩めることが適切となる可能性がある(it likely would become appropriate at some point to slow the pace of policy rate increases)との記述や、E上記Dを背景とした米長期金利の低下(米10年債利回りは2.91%から2.87%へ低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/18午前4時30分現在)では、135.05前後まで値を崩す動きとなっております。
17日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@米7月小売売上高の良好な結果や、A米金利上昇に伴うドル買い圧力、B欧州経済の先行き不透明感(エネルギー危機発生への警戒感→欧州株の冴えない動き)、Cユーロ圏4ー6月期GDP改定値(結果+0.6%、予想+0.7%、前回+0.7%、※前期比)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0146まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると(一目均衡表基準線をバックに押し目買い圧力が強まると)、Dドイツ債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力や、E米FOMC議事要旨のハト派的な結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0203まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/18午前4時30分現在)では、1.0183前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は、8/11に記録した安値131.73をボトムに反発に転じると、昨日は一時135.51まで急伸しました。米CPI後の下げ幅(8/10高値135.31→8/11安値131.73→8/17高値135.51)の全値戻しを達成するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。目先は135.44付近に位置する一目均衡表雲上限や、8/8高値135.59を突破できるか否かに注目が集まります(突破できれば、7/14高値139.40への全値戻しも射程圏内に)。
こうした中、本日は米8月フィラデルフィア連銀景況指数(21:30)や、米新規失業保険申請件数(21:30)、米7月中古住宅販売件数(23:00)、米7月景気先行指数(23:00)、カンザスシティ連銀ジョージ総裁発言(2:20)、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁発言(2:45)に注目が集まります。米経済指標が力強い結果を示す場合や、米当局者よりタカ派的な発言が報じられる場合には、米株上昇に伴うリスク選好の円売りと、米金利上昇に伴うドル買いが組み合わさることから、ドル円にはもう一段上昇圧力が加わるシナリオが想定されます。円ショートポジションが急減していることもドル円押し上げに寄与すると見られ(ドル円の上値が軽くなっているため)、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(来週のジャクソンホールに向けてドル高・円安が加速する展開を想定)。
本日の予想レンジ:134.50ー136.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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