ペロシ氏の訪台注視、ある種の正念場か(8/2夕) 

2日の東京市場ではさらなるドル安が進行。ついに6月半ばに示現した安値131.49円を下回り、6月6日以来の130円台を記録している。

ペロシ氏の訪台注視、ある種の正念場か(8/2夕) 

ペロシ氏の訪台注視、ある種の正念場か

〇本日のドル円、6/6以来の130円台へ一気に至る、上値重く16時現在130.80-85で推移
〇7/27高値から7円近いドル安進行、リスクは下方向で5/22安値126.36を目指す展開も
〇米景気減速懸念、ペロシ氏訪台巡る米中動向に注目集まる
〇本日は6月米雇用動態調査、欧米企業決算発表を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.00-131.50、131.49が今度は抵抗か
〇ドル安・円高方向は130.40-45の攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場ではさらなるドル安が進行。ついに6月半ばに示現した安値131.49円を下回り、6月6日以来の130円台を記録している。

ドル/円は131.60円レベルで寄り付いたのち、しばらくはドル底堅い。寄り付きを挟んでのレンジ取引をたどり131円半ばでは底堅さもうかがえたが、底割れするとそのまま一気に130円台へ。1円程度下落した130.40-45円では下げ止まるも、すでに上値は重く戻りも鈍い。ドルの上値も限られるなか、16時現在では130.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ペロシ氏の訪台」と「ロシア情勢」について。
前者は、これまでにも取り上げているように、ペロシ米下院議長はアジア歴訪を公言するなか台湾訪問については以前から明言せず。ただ動静をめぐり周辺がかなり喧しくなっている。昨日から本日にかけても、台湾紙が「現地時間の2日夜に入る見通し」と観測記事を掲載するなか、中国外務省は猛反発。報道官は「中国人民解放軍は決して座視することはない。必ず断固として強力な報復措置をとる」などと恫喝ともいえるコメントを発していたようだ。その後も米中を中心とした要人の発言が伝えられる状況下、ロイターが「中国軍機、台湾海峡の中間線に一時接近」と報じるなど、威嚇と思しき実際の行動も幾つか観測されている。予断を許さない。

対して後者は、「1日にも実施予定」とされたウクライナ南部オデッサ港からの貨物船出発が実行に移されたようだ。ゼレンスキー大統領は「結論を出したり、次を予測したりするのはまだ早い」と慎重な見方を崩さなかったが、無事に出航したことへはホッとしたコメントも発している。しかし、その一方で「エネルギー供給問題」はいまだ解決せず。むしろ、昨日もペスコフ報道官が「ノルドストリーム1」パイプラインの設備修理について、「解決に向けロシアができることはほとんどない」などと責任放棄を明言。少なくとも事態の長期化を呈しつつあることは間違いない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、7月27日高値137.46円からと考えてもおよそ7円、年初来高値139.39円を起点とすれば9円近い下押しが入っている計算になる。これは過去2年ほどのあいだで見ても最大規模のドル安進行で、以前にもレポートしたように単なる調整ではなく、トレンド転換も考えるべきなのかもしれない。テクニカルには、心理的な意味も含め130円前後では一旦下げ止まりそうな感があるものの、リスクはもちろん下方向。しっかり割り込めば5月22日安値126.36円を目指す展開も。

日米を中心とした金利問題に対する市場の関心は決して低くなく、本日東京時間に伝えられた「豪中銀の0.5%利上げ」や、4日に予定されている英中銀の政策金利発表なども警戒されている。ただ、それ以上に米景気減速懸念がクローズアップされているうえ、「ペロシ氏の訪台」をめぐる米中対立の深化も懸念されているようだ。とくに後者は、前段で取り上げたように「現地時間の2日夜、ペロシ氏が台湾に入る」との情報もある。本日の欧米時間がある種のヤマ場となるか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は完全に価格調整の様相で、ついに2ヵ月ぶりの130円台まで下落している。移動平均では136円台に位置する21日線に次ぎ90日線(131.10-20円)も下回った格好で、今度は同ラインが抵抗として寄与するのかに注目だ。一方、5月安値126.36円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは、早くも61.8%(131.35円)を割り込んでおり、次なる下値メドは76.4%戻し(129.45円)。一足飛びの展開をたどるか否かは別にして、130円割れの可能性も。

一方、本日は米経済指標として、6月の雇用動態調査が発表されるほか、欧米企業の決算発表なども予定されているが、材料的にはやや少なめ。ただ本日は、それよりも前記したペロシ氏の動静。本当に訪台するのか否か、そして訪台した場合の中国サイドの出方などに要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは130.00-131.50円。ドル高・円安方向は6月半ば安値でこれまでサポートだった131.49円が今度は抵抗か。上抜ければ132円台も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の130.40-45円の攻防にまず注目。割り込めば130円前後、そして129.45円などがターゲットに。

ペロシ氏の訪台注視、ある種の正念場か

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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