豪州中銀金融政策記者発表(22/8/2)

2022年8月2日開催分

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豪州中銀金融政策記者発表(22/8/2)

豪州中銀金融政策記者発表

(出所:豪州中銀HPから)

本日の会合で、中銀金融政策は従前の予想通り、0.5%の利上げを実施しました。今後もインフレ動向を見ながらの利上げ継続を示唆しています。豪ドル米ドル相場は利上げ発表後、予想通りの内容に60ピップス程度豪ドルが売られています。次回は9月6日(火曜日)に予定されています。

以下は今回の要旨です。

(金融政策決定)

本日の会合で、委員会はキャッシュレート(OCR)の目標を50ベーシス上げ1.85%への引き上げを決定した。同時に為替決済残高に関しては50ベーシス上げ、1.75%に引き上げた。

委員会は、経済の安定を続けながら、この先のインフレを2〜3%に回帰させることに高い優先順位を置いている。このバランスを達成するための道のりは狭く、少なくとも世界的な進展の為ではあるが、不確実性に覆われている。世界経済成長の見通しは、一層高まるインフレによる実質所得への圧力、ほとんどの国での金融引き締め、ウクライナへのロシア侵攻あるいは中国でのCovid封じ込め政策により下がっている。

豪州でのインフレは1990年代以降では最も高くなっている。総合インフレは6月末四半期で年率6.1%、コアは4.9%だった。世界的な要因がインフレ率上昇の大部分を説明している。しかし、国内要因もまたその役割を果たしている。強い需要・タイトな労働市場・経済の幾つかの部門での稼働率の制約で、より幅広い価格上昇圧力がある。また今年の洪水も一部の価格に影響を与えている。

インフレは今年末にはピークになり、その後は2〜3%の目標に向けて下がってくると予想している。予想されるインフレの緩やかな流れは世界の供給サイドで進行中の改善、商品価格の安定、あるいは利上げによる影響を反映している。中期的なインフレ期待値は十分に留まっており、この状況が続くことが重要である。CPIに関する中銀の予想中央値は、2022年で7.75%、2023年には4%を少し越え、2024年に約3%とみている。

豪州経済は引き続き今年は力強い伸びを続けると予想している。その後の成長ペースは鈍化する。雇用は力強く伸びており、消費支出は底堅く、企業投資の上振れが進行中である。国民所得もまた、史上最高の水準である交易条件の上昇により押し上げられ、中銀のGDP予想は2022年に3.25%、その後の2年間は各々1.75%の伸びとみている。

労働市場は長年に亘る状況よりも一層タイトなままである。失業率は6月に3.5%まで下がった。これは50年間で最も低水準である。求人と求人広告は非常に高い水準で、失業率の更なる低下はこの先数ヶ月予想されている。その先は、失業率の上昇が経済成長鈍化により予想されている。中銀の失業率予想の中央値は2024年に約4%になるとみている。中銀のビジネス窓口プログラムや企業への調査を見ると、タイトな労働市場内で企業が人材獲得を競いあう中、ここ数年低率だった賃金の伸びが上昇していることを指摘している。

不確実性の主な要因は引き続き家計消費の行動である。より高いインフレや金利が家計予算に圧力を掛けている。消費者信頼感もまた下がり、住宅価格はここ数年の上昇後、幾つかの市場で下がっている。他方で仕事に関し、人々は職を探し、より多くの労働時間を得ている。多くの家計は金融バッファー(余力)を構築しており、貯蓄率はパンデミック前よりも高いままである。委員会は、金融政策の適切な設定を評価する上で、これらの色々な要因を如何にバランス採るかに細心の注意を払っている。

今日の利上げは豪州で金融正常化への更なるステップである。ここ最近の利上げはインフレを目標に引き戻し、豪州経済においてより安定的な需給バランスを作り出すために必要である。委員会はこの先も豪州の金融正常化のプロセスに向けて更なるステップを採ると予想している。しかし、まだ事前に設定された道のりではない。将来の利上げ幅やタイミングは今後入手するデータ、あるいはインフレや労働市場に関する委員会の査定により導かれる。委員会は豪州内のインフレが時間経過と共に目標に戻ることを確実にするため、必要なことを行うと委ねられている。
(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:豪州中銀HP

豪ドル米ドル相場はシカゴポジション345内で、現在は戻り高狙いで0.7060、0.7110の抵抗線を狙える位置にいるとしましたが、昨日0.7048の高値を付け、最初の抵抗線までとなり、再度0.70の心理的壁も抜けています。現状では0.6940のサポートが維持できるかとなり、もし切れたら0.6910、0.6860のサポートを試す流れになります。
(2022年8月2日15時20分、1豪ドル=0.6958米ドル)

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