ドル高基調継続するも、目先は強保ち合いか
〇本日のドル円、積極的な動意に欠け、137円前半を中心とした50ポイント程度のボックス相場
〇昨日NY時間に年初来高値更新、一時137.75まで続伸、その後137円を割り込まず
〇明確な上値メドはしばらく見当たらず、米ファンダメンタルズや株価次第で再びドル高進展の可能性
〇短期的には、時間調整と思しき137円台を中心とした揉み合い続く展開か
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.60-137.80、昨日示現した高値137.75が最初のターゲット
〇ドル安・円高方向は137円レベルの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場はレンジ取引。前日、1.8円ほどと終日を通してなかなか大きな変動をたどったことで、本日東京は反動ともいえる小動きに終始した。
ドル/円は137.40-45円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。137円前半を中心とした50ポイント程度のボックス相場。途中、鈴木財務相からの口先介入や、凶弾に倒れ亡くなった安倍元首相の葬儀、日米財務相会談などに関するニュースも報じられたが、為替市場への影響は限定的だった。16時現在では寄り付きとほぼ同じ、137.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「日米為替スタンス」と「ロシア情勢」について。
前者は、鈴木財務相がイエレン米財務長官との会談前に、「為替はファンダメンタルズに沿って安定推移することが重要」などと口先介入。そののち日米財務相会談を実施後、鈴木氏は「日米財務相は通貨問題めぐり適切に協力」、「状況をイエレン氏に説明し、理解してもらった」と成果を強調するコメントを発していたが、方や米国サイドはブルームバーグによると、「日本が過度な為替変動に直面しているとは認識していない」、「介入が正当化されることを意味しない」などと説明しているという。かなりの温度差をうかがえる内容だ。どちらがより正しいのかは定かでないものの、これまでの「ドル高はファンダメンタルズに沿っている」という考え方を参考にすれば米国に理があるようだ。
対して後者は、トルコのエルドアン大統領がウクライナそしてロシアの大統領と、それぞれ個別の電話会談を実施。ウクライナ侵攻で穀物輸出が滞っている問題をめぐり、協議を行ったという。ただ、報道ベースではとくに目新しい内容や進展はなかったようだ。一方、それとは別に、「定期点検」を理由としロシアが主要パイプライン「ノルドストリーム」を通じた欧州への天然ガス供給を停止したことも話題に。保守点検作業が終了する21日以降に供給が再開される見込みだが、果たしてどうなるか。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円は年初来高値を更新し、NY時間には一時137.75円まで続伸している。その後、本日東京時間に至るまでの値動きを見てみると、一度も137円を割り込んでおらず、下値はかなり切り上がっているようだ。ドルの続伸にも要注意で、度々報じているように、明確な上値メドはしばらく見当たらないことから、先の137.75円を超えればさらなるドル高の進行も。
日曜日に投開票された参院選での自民党大勝もあり、日本の金融政策継続思惑が改めて取り沙汰されている。黒田日銀総裁が任期切れとなる来年4月までは、拡大する日米金利差をバックボーンとした円安傾向が続く可能性も否定できない。また、先でも取り上げたように、日米で為替相場をめぐる温度差が大きいようで、それも円売り安心感を醸している感がある。米ファンダメンタルズや株価の動きなどによっては、再びドル高が進展することもありそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日NYで137.75円の高値を示現後、足もとはやや上げ渋り様相。一方で底堅くはあるものの、再び調整局面入りしている感もある。短期的には時間調整と思しき137円台を中心とした揉み合いが続く展開か。ただ、137円を割り込めば136.50-70円を目指す反面、137.75円を超えれば138円台へとさらに上値を伸ばす展開が見込まれている。
一方、本日もそれほど大きな米経済指標の発表は予定されていない。ただ、米財務省による10年債の入札や、米リッチモンド連銀総裁による講演などが注視されている。またユーロ/ドルが久しぶりの「パリティ(1ユーロ=1ドル)」割れをうかがうなか、欧州ファクターにも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.60-137.80円。ドル高・円安方向は昨日示現した高値137.75円が最初のターゲット。超えれば138円台乗せを目指す。
対するドル安・円高方向は、年初来高値示現後に一度も割り込めていない137円レベルの攻防にまずは注目。ただ割り込んでも底堅そうなイメージだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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