ドル円、日米財務相会談を経て反落。本日は米6月CPIがメインイベント(7/13朝)

12日(火)のドル円相場は高値圏から急反落。

ドル円、日米財務相会談を経て反落。本日は米6月CPIがメインイベント(7/13朝)

ドル円、日米財務相会談を経て反落。本日は米6月CPIがメインイベント

〇ドル円、アジア時間午後の高値137.52から米国時間にかけ136.49まで下落
〇日米財務相会談後の鈴木財務相の円安警戒発言、株価の軟調、米長期金利低下が背景
〇ユーロドル 欧州朝方に19年7か月ぶりにパリティを示現後1.00台半ばに持ち直す
〇ドル円、急ピッチな上昇への反動売り出るもテクニカルの地合いは強く一時的押し目の可能性
〇ドル反落のきっかけとなった日米財務相会談も米側が介入認める可能性乏しいと判断できる内容
〇市場のインフレ警戒感強まる中、本日米6月CPIに注目
〇本日の予想レンジ:136.00ー138.00

海外時間のレビュー

12日(火)のドル円相場は高値圏から急反落。アジア時間午後にかけて、高値137.52まで上値を伸ばすも、前日記録した約23年10ヵ月ぶり高値137.76(1998年9月以来の高値圏)をバックに伸び悩むと、@急ピッチな上昇に対する反動売りや、A株式市場の冴えない動き(日経平均株価や欧米株の軟調推移)、B本邦における新型コロナウイルス感染再拡大、C上記ABを背景としたリスク回避の円買い圧力、D日米財務相会合での「G7・G20のコミットメントに沿って引き続き為替市場に関して緊密に協議し為替問題で適切に協力」「為替について日本の立場を説明してイエレン氏に理解して頂いた」との円安警戒発言、E米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間にかけて、安値136.49まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間7/13午前4時30分現在)では、136.80前後で推移しております。

12日(火)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの高まりや、A上記@を背景としたユーロ圏へのエネルギー供給不安(ノルドストリーム1の定期点検が行われるため、7/11から約10日間にわたって供給が完全停止)、B欧州経済の先行き不透明感、Cパリティ割れを狙った仕掛け的なユーロ売り・ドル買い、Dドイツ7月ZEW景況感指数(結果▲53.8、予想▲38.3、前月▲28.0)の冴えない結果(2011年11月以来の低水準)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、2002年12月以来、約19年7ヵ月ぶり安値となる1.0000まで下落しました。もっとも、心理的節目1.0000割れが阻まれると、E米金利低下に伴うドル売り圧力や、F短期筋のショートカバー(パリティ割れ失敗に伴うポジション手仕舞い)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間7/13午前4時30分現在)では、1.0045前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は前日7/11に記録した約23年10ヵ月ぶり高値137.76をトップに反落に転じると、昨日は一時136.49まで急落しました。急ピッチな上昇に対する反動売りや、重要イベントを控えたポジション調整、日米財務相会合での円安警戒発言がドル売り・円買いの背景と考えられます。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが控えていることや、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダーなど)が成立していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(昨日の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目と判断。これまで同様、一巡後に再び上昇トレンドに戻るシナリオを想定)。

また、昨日のドル円反落の切っ掛けとなった日米財務相会合についても、イエレン米財務長官は「米国の見解ではG7諸国の為替相場は市場で決定」「円買い支え介入の可能性は議論せず」「外為市場介入はまれで例外的な場合のみ正当化される」と発言しており、例え円安がもう一段進行したとしても、米政府・当局が日銀によるドル売り・円買い為替介入を認める可能性は乏しいと判断できます(米国は今後もインフレ抑制に繋がるドル高を容認し続ける公算大→日本政府・日銀は米国に配慮する形でドル売り・円買い為替介入には踏み切れない→為替介入観測後退→円売り材料)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。

尚、本日は日本時間21:30に発表される米6月消費者物価指数に注目が集まります。市場では前回の+8.6%を超える前年比+8.8%が予想されるなど、インフレ昂進への警戒感が高まっております(リッチモンド連銀バーキン総裁からも「6月CPIは高い数字になると予想」との牽制あり)。仮に市場予想を上回る結果となる場合には、米FRBによるタカ派傾斜に伴う米金利上昇と、過剰流動性相場逆流に伴う資産現金化需要のドル買いが重なることから、ドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察されます。本日海外時間はドル独歩高のシナリオに警戒が必要でしょう(ドル円は7/11高値137.76を試す展開、ユーロドルはパリティ割れを試す展開を想定)

本日の予想レンジ:136.00ー138.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、日米財務相会談を経て反落。本日は米6月CPIがメインイベント

ドル円日足

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