ドル/円は再び高値更新、基調変わらず(7/11夕)

11日の東京市場はドルが堅調裡。早朝を安値に1円を超えるドル高の進行、早くも年初来高値を更新してきた。

ドル/円は再び高値更新、基調変わらず(7/11夕)

ドル/円は再び高値更新、基調変わらず

〇本日のドル円、136円レベル日中安値に右肩上がり、137.25まで到達し年初来高値更新
〇日米金利差による円安は当面継続、参院選結果や日銀金融緩和継続姿勢がドル買い支援に
〇本日目立った米経済指標なし、米財務省3年債入札やNY連銀総裁による討論会参加には注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.00-137.30、137.25レベルが最初のターゲット
〇ドル安・円高方向は136.80前後の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

週明け11日の東京市場はドルが堅調裡。早朝を安値に1円を超えるドル高の進行、早くも年初来高値を更新してきた。

先週末は、ウクライナ侵攻以来初めてとなる、中国の王国務委員兼外相とブリンケン米国務長官の会談が実施され話題に。また、昨日投開票された日本の参院選は、自民党が改選議席の過半数となる63議席を単独で獲得し大勝している。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた136円レベルを日中安値に右肩上がり。途中、黒田日銀総裁から「物価安定目標の実現を目指し、必要な時点まで大規模金融緩和策を継続する考え」が示されたことも材料視されると、ドル高・円安がさらに加速した。137.00円を超える137.25円レベルまで大幅上伸。その後はやや上げ渋る展開となったが、すでに底堅く、16時現在では137.00円前後で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中関係」と「安倍氏死去」について。
前者は、前述したように中国の王国務委員兼外相とブリンケン米国務長官の会談が実施され、米国サイドは「台湾情勢めぐり中国に懸念表明」、「中露関係への懸念」も示していた。それに対し、中国サイドは「対中追加関税を速やかに撤廃し、中国企業への一方的な制裁をやめるべき」と要求したほか、「台湾をめぐる内政干渉の停止」も求めたという。双方の議論はほぼ平行線をたどったと言えるかもしれない。なお、そののちブリンケン氏は、「米中首脳が数週間内におそらくテレビ形式で対話する」との見通しを指摘していた。

対して後者は、先週末8日突然の訃報が伝えられた「安倍元首相死去」をめぐり、週末にかけては世界各国の首脳などから弔意が相次ぐ。中国の習国家主席やプーチン露大統領からも弔電がとどいたほか、バイデン米大統領は岸田首相に直接電話し、弔意と憤りを伝えたという。またブリンケン米国務長官は、予定を前倒しして11日に日本を訪問。本日午前に岸田首相などと会談したもようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、週内のどこかといったタイミングであれば、高値更新もあり得ると考えていたが、まさか週明け早々に達成するとは予想外だった。リスクは引き続きドル高方向にバイアスか。ドルの下値が切り上がっている感もあることで、きっかけ次第でこのあとの欧米時間に再び高値を更新する展開も想定できる。明確な上値メドはしばらく見当たらないことから、ドルの一段高にも一応要注意。
日米金利差が今後さらに拡大すると思われることは間違いないなか、先でも取り上げた黒田日銀総裁発言や、参院選での自民党の大勝を受けた、これまでの政策継続思惑などもドル買い・円売りを支援していた。いずれにしても、金利差をバックボーンとした円安傾向そのものはまだ当面続く見込みだ。一方、それとは別に政局不安が取り沙汰されている英国情勢そして、エネルギー危機が懸念される欧州情勢などを警戒する声もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間に年初来高値を再び更新。基本的なリスクはドル高方向ながら、市場では調整の動きも警戒されている。ただ、常に調整による反落リスクを喧伝されていることで、逆にポジションはそれほど偏っていないのではといった声も。仮に一時的な押しが入ったとしても、そこは絶好の買い場で大きな下げは予想しにくい気もしている。

本日は目立った米経済指標の発表が予定されていない。ただ、米財務省による3年債の入札や、NY連銀総裁による討論会参加などが注視されている。また欧州ファクターとして、ユーロ圏財務相会合などにも一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.00-137.30円。ドル高・円安方向は本日東京高値の137.25円レベルが最初のターゲット。超えれば軽い青天井状態で138円を目指す。
対するドル安・円高方向は、136.80円前後の攻防にまずは注目。ただ割り込んでも底堅そうで、目先の136円割れは微妙なところか。

ドル/円は再び高値更新、基調変わらず

ドル円日足

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