上抜け失敗、発表される米指標などに要注意
〇本日のドル円、135.85-90で寄り付いたのち右肩下がり、16時現在135.30-40で推移
〇昨日は137円届かず上値トライ失敗、短期的には135円台中心としたレンジ取引継続か
〇米景気後退懸念根強い、本日発表の米6月ISM指数、予想下回る場合ドル売り進展のリスクも
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.90-136.20、136.35が最初のターゲット
〇ドル安・円高方向は移動平均21日線に近い135円前後が短期的サポート
〇NYクローズで135円台を維持できるか否か注視
<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場はドルが小安い。前日、結果的にレンジの上抜けを失敗したこともあり、調整と思しき動きが優勢だった。
ドル/円は135.85-90円で寄り付いたものの、流れとしては緩やかな右肩下がり。オープンレベルを日中高値に夕方に掛け、ドルはじり安推移となった。しかし、135円を割り込むことなく下げ止まると、最終盤に掛けては逆にドルの買い戻しも。16時現在では135.30-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「中国情勢」について。
前者は、英中銀が金融安定報告を公表し、「銀行に対して嵐を乗り切るために資本バッファーを増強するよう求めた」ほか、ジョンソン首相がウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談を実施。そのなかで、ウクライナ軍が最近ロシア軍に占領された地域を奪還できると確信していると述べたことが明らかになるなか、相次ぐ首相の不祥事に反旗を翻す格好で、スナク財務相とジャビド保健相は相次いで辞任を表明した。これを嫌気し、ポンド/ドルは年初来安値を更新する展開に。なお、そののち新財務相にナザハウィ元教育相、首相首席補佐官を務めるバークレー氏を次期保健相に起用したとの報道も。
対して後者は、対米経済・通商交渉の責任者を務める劉副首相がイエレン米財務長官とオンラインで会談したことに続き、米国務省はG20外相会合が開かれるインドネシア・バリで米中外相会談を予定していると発表した。日程としては9日が最有力だとされている。一方、それとは別に中国不動産大手、「世茂集団がデフォルトした」との報道や、上海市が2500万人の住民の大部分を対象に新型コロナウイルスの集団検査を新たに2回実施すると発表するなどの興味深いニュースも複数観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円は、調整一巡のそぶりをみせ一時ドルの上値をうかがうも、結局のところは年初来高値137円にとどかず、上値トライは失敗に。よって、短期的には調整の継続が見込まれ、134.27-137.00円といったレンジ内での一進一退が続く見込みだ。油断は禁物だが、週末に発表される米雇用統計をにらみ、いましばらくのあいだ次の方向性を探るような値動きが続くだろう。
日米金利差の拡大観測に加え、欧米要人による「消極的な円安容認」もあり、基本的な流れは引き続きドル高・円安方向。ただ、昨日もNYダウが100ドルを超える下落となるなどパッとせず。米景気後退懸念が根強いだけに、本日発表される6月の米ISM非製造業景況指数などが予想を下回る数字となれば、さらにドル売りが進展しかねないだろう。材料的な面から敢えてリスクを指摘すれば、ドル安方向か。
テクニカルに見た場合、前述したようにドル/円はドルの上抜けを失敗した格好。そのため短期的には135円台を中心としたレンジ取引継続か。ただし、若干気掛かりなのは、これまでドルのサポートとして寄与してきた移動平均の21日線が、ついに135円前後までレベルを切り上げていること。本日以降、NYクローズでしっかりと下回ってしまうと「中期ドル高」という前提そのものも、考え直す必要がありそうだ。
本日は米経済指標として、6月のISM非製造業総合指数などが発表されるほか、6月に実施した米FOMCの議事録要旨も公開される見通しだ。また、昨日の流れからすると英政治情勢などを踏まえた広義欧州通貨の動きにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.90-136.20円。ドル高・円安方向は昨日高値136.35円が最初のターゲット。ただ、本日東京では一度も136円をつけておらず、まずは136円をめぐる攻防に注目だ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値であり、近くに移動平均の21日線も位置する135円前後が短期的なサポートか。前述したように、ザラ場ベースの動きもさることながらNYクローズで135円台を維持できるか否かも重要となる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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