ドル円、米経済指標の良好な結果とタカ派的なFOMC議事要旨で持ち直す展開(7/7朝)

6日(水)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、米経済指標の良好な結果とタカ派的なFOMC議事要旨で持ち直す展開(7/7朝)

ドル円、米経済指標の良好な結果とタカ派的なFOMC議事要旨で持ち直す展開

〇ドル円、米国時間朝方に134.96まで下落の後米国時間午後にかけて高値136.01まで急伸
〇米ISM非製造業景況指数の良好な結果、FOMC議事要旨のタカ派的な結果が背景
〇これらを受け、米株式市場は堅調推移、長期金利は急上昇、ユーロドルは1.0162まで急落
〇ドル円ダウンサイドに複数のレジスタンスポイントを控え、買いシグナルも複数点灯、地合い強い
〇ファンダメンタルズもFOMC議事要旨でFRBの景気よりインフレ抑制を重視する姿勢が明確化
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:135.25ー136.75

海外時間のレビュー

6日(水)のドル円相場は下落後に急反発。@世界経済を巡る先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締め→世界経済への強い逆風)や、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円急落→ドル円連れ安)、B米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りは6/14に記録した3.49%から昨日は一時2.75%へ急低下)、C資源価格下落に伴う円買い圧力(原油先物価格の軟調推移→本邦貿易赤字拡大懸念後退→円売り圧力後退)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値134.96まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、D米6月ISM非製造業景況指数(結果55.3、予想54.1)の良好な結果や、E上記Dを背景とした米株市場の堅調推移(米経済を巡る過度な悲観論後退→市場心理改善→リスク選好の円売り)、F米FOMC議事要旨のタカ派的な結果(楽観的な景気見通しを示す一方、インフレについては高インフレ定着に係る大きなリスクがあると発表→景気よりインフレ抑制を重視する構えを再強調)、G上記Fを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りが2.75%から2.92%へ急上昇→米ドル買い)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値136.01まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/7午前5時35分現在)では、135.87前後で推移しております。

6日(水)のユーロドル相場は大幅続落。@欧州経済を巡る先行き不透明感の高まり(スタグフレーション懸念が燻る中でのECBによる金融引き締め→欧州経済への強い下押し圧力)や、Aロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの悪化懸念(ロシアによるウクライナ攻撃激化→エネルギーの更なる供給不安)、B米6月ISM非製造業景況指数の良好な結果(ドル買い)、C米金利上昇に伴うドル買い圧力、D重要チャートポイント(心理的節目1.0200)を割り込んだことに伴う短期筋の見切り売り(パリティ到達を目指した仕掛け的なユーロ売り)が重石となり、米国時間にかけて、2002年12月以来、約19年7ヵ月ぶり安値1.0162まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/7午前5時35分現在)では、1.0183前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時134.96まで下げ幅を広げるも、135円アンダーの怒涛の押し目買いに下支えされる形で結局136円近辺まで値を戻す動きとなりました(下値の堅さを再確認)。ダウンサイドに複数のレジスタンスポイントを控えていること(押し目買いが出やすいチャート形状)や、強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダーなど)が複数点灯していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(注目された米FOMC議事要旨でも米FRBによるタカ派姿勢が明確化→米景気より米インフレ抑制を重視する構え→米長期金利が反転上昇)や、A日銀による金融緩和の継続姿勢(黒田総裁は市場で燻る緩和修正の思惑にゼロ回答→来年4/8の任期まで金融緩和政策を続ける可能性あり)、B上記@Aを背景とした日米金融政策格差、C米国によるドル高容認スタンス(インフレ抑制に繋がるドル高を容認する構え)など、ドル円相場のアップサイドリスクを連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。(尚、本日は21:15に予定されている米6月ADP雇用統計や、2:00のウォラーFRB理事およびセントルイス連銀ブラード総裁発言に注目。米6月ADP雇用統計が市場予想を上回る結果とれば、昨日の米ISM非製造業景況指数の良好な結果や、週末の米6月雇用統計への期待感も相俟って、米経済を巡る過度な悲観論がもう一段後退する可能性あり。この場合、米FRBはインフレ抑制の金融引き締めに動きやすくなるため、米株上昇に伴うリスク選好の円売りと、米金利上昇に伴うドル買いが組み合わさることで、ドル円が6/29に記録した高値137.01に向けて続伸する恐れあり)。

本日の予想レンジ:135.25ー136.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米経済指標の良好な結果とタカ派的なFOMC議事要旨で持ち直す展開

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