米株の動きなど注視、ドル続伸の可能性も
〇本日のドル円、135.70レベルで寄り付き当初からドル買い優勢、136円台へとしっかりと乗せる
〇早くも調整一巡、再びドルの上昇リスク強まりつつある様子、年初来高値137円が再び意識されるか
〇本日は3連休明けとなる米株の動静に注目、明日以降週末にかけて注目材料多い
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-136.80、ドル高・円安方向は136.80レベルに弱い抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値である135.60レベル、そして135.50も短期的なサポート
<< 東京市場の動き >>
5日の東京市場はドルが小幅高。136円台へとしっかり乗せ、137.00円の年初来高値を視界内に捉えた動きとなっている。
ドル/円は135.70円レベルで寄り付いたものの、当初からドル買い優勢。先週後半からの数日間しっかりと超えられなかった136円の壁を超え、136円台へとしっかりと乗せている。日中高値である136.30円レベルではさすがに上げ渋るも底堅く、押しが入っても136円は割り込めない。16時現在、ドル/円は136.15-20円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、東京昼過ぎに豪中銀が0.5%の利上げを発表した豪ドルは小じっかり。ただ、対円では94円にとどかず、終盤に向けては利益確定売りも。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ロシアがルハンスク州の完全支配と作戦完了を宣言し、今後の焦点はウクライナが東部戦線の拠点を置くドネツク州に移った感がある。ここ最近、何度かレポートしているように戦闘に関しては、完全にロシア軍が攻勢であるようだ。そうしたなか、ウクライナのシュミハリ首相は国際会議で、ロシアの侵攻にともなうウクライナの復興費用が7500億ドル規模に達する可能性があるとしたうえで、西側諸国がすでに凍結した最低でも3000億ドル超とされる新興財閥資産活用などを含め、「ロシアの富裕層が費用を負担すべきだ」との見解を示していた。
対して後者は、ブルームバーグが「バイデン氏、早ければ週内にも対中関税の一部撤回へ」などと報じるなか、米財務省の発表によると「イエレン財務長官が中国の劉副首相とオンライン会談を行い、中国の経済慣行に懸念を示した」という。それに対し、中国商務省の発表では「建設的な対話ができた」うえ、両国間で対話とマクロ政策調整の強化が必要との認識で一致したとされている。一方、それとは別に、中国外務省の趙副報道局長から「尖閣諸島は中国固有の領土だ。とやかく言う権利は日本にはない」などとする発言が聞かれるなか、本日早朝にも今年15回目となる「尖閣周辺での中国船の領海侵入があった」と海上保安庁から発表されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
早くも調整は一巡か。6月29日に高値137.00円を示現後、ドル/円は調整局面入りしたと考えていたが、本日東京で136円台へとしっかり乗せてくるなど、再びドルの上昇リスクが強まりつつあるようだ。足もと136円台に明確なテクニカルポイントは存在しないだけに、意外に早いタイミングで前述した137円へ到達、そして更新する可能性も否定できないだろう。
日米金利差の拡大観測に加え、欧米要人による「消極的な円安容認」もあり、基本的な流れはやはりドル高・円安方向。そうしたなか本日注目されているのは、3連休明けとなる米株の動静か。時間外で取引されているNYダウなどは強含みでの推移となったが、NY時間の実勢相場は果たして如何に。また、それほど注目度が極端に高い指標ではないが、それでも5月耐久財受注など発表される米経済指標の内容には一応要注意だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は依然として大局的にはレンジ内。ただ、136円台へとしっかり乗せており、137円という年初来高値が再び意識されているようだ。「米株高=ドル高進行」といった構図にともなう137円接近の展開にも注意を払いたい。
ただ、仮に上値トライが失敗に終われば134.27-137.00円というレンジ取引が続くことになりそうで、一転しての下値トライもあり得るだろう。
一方、本日は米経済指標として、5月の製造業受注や同耐久財受注などが発表されるものの、若干材料に乏しい感もある。ただ明日以降、週末にかけて注目材料が多いだけに、仮に小動きで終わっても「嵐の前の静けさ」であるのかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.60-136.80円。ドル高・円安方向は136.80円レベルに弱い抵抗があり、抜けるといよいよ137.00円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である135.60円レベル、そして135.50円も短期的なサポートか。大崩れは予想しにくいが、それでもそれらレベルを下回ると134円台突入も否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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