ドル円、136円を挟んで方向感に欠ける展開。米ISM非製造業とFOMC議事要旨に注目
〇ドル円、3連休明けの米主要株価指数急落等に米国時間に135.54まで下落
〇ユーロドル、米国時間にかけて、2002年12月以来、約19年7ヵ月ぶり安値1.0235まで急落
〇欧州圏のリセッション懸念、欧州債利回り低下、ウクライナ情勢悪化懸念が背景
〇ドル円売り買い両サイドの材料を背景に、振れを伴いつつも方向感を見出しづらい時間帯が続く
〇本日米6月ISM非製造業景況指数と米FOMC議事要旨に要注目
〇本日の予想レンジ:135.25ー136.75
海外時間のレビュー
5日(火)のドル円相場は振れを伴いつつも方向感を見出しづらい展開。アジア時間朝方にかけて、高値136.35まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@欧米株の冴えない動き(3連休明けの米主要株価指数は急落→市場心理悪化)や、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力、B米長期金利の急低下(米10年債利回りは5/27以来となる2.78%へ低下)、C原油先物価格の急落(WTIは4/26以来となる97ドル台へ急落→本邦貿易赤字拡大懸念の後退→円買い)が重石となり、米国時間にかけて、安値135.54まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、D対ユーロや、対英ポンド、対資源国通貨でのドル買い圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間7/6午前6時00分現在)では、135.88前後で推移しております。
5日(火)のユーロドル相場は大幅下落。@欧州経済を巡る先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締めは景気への強い逆風)や、A欧州株の冴えない動き(リスク回避のユーロ売り圧力)、B欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの悪化懸念(ロシアによるウクライナ攻撃激化)、D市場参加者に意識されていた6/15安値1.0359や、5/13安値1.0350を下抜けたことに伴う仕掛け的なユーロ売り・ドル買い(ロング勢の大規模ロスカット)が重石となり、米国時間にかけて、2002年12月以来、約19年7ヵ月ぶり安値1.0235まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/6午前6時00分現在)では、1.0265(←訂正×1.0465)前後で推移しております。
本日の見通し
リスク回避の円買いや米金利低下に伴うドル売りが「ドル円の下落要因」として機能する一方、資産現金化需要のドル買いや、対ユーロ・対英ポンド・対資源国通貨でのドル買いが「ドル円の上昇要因」として機能するなど、ドル円は両サイドの材料を背景に、振れを伴いつつも方向感を見出しづらい時間帯が続いております。但し、ダウンサイドに複数のレジスタンスポイントを控えていることや、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や強気のパーフェクトオーダーなど)が点灯していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(136円台でもみ合った後、再び上昇基調に転じる可能性が高い)と判断できます(日米金融政策格差に伴うドル買い・円売りや、米政府当局によるドル高容認観測などもドル円の構造的な支援材料)。
こうした中、本日は、米6月ISM非製造業景況指数と米FOMC議事要旨(6/14ー6/15開催分)に注目が集まります。米6月ISM非製造業景況指数が市場予想を上回る場合(既に弱い内容が織り込まれているため、ポジティブサプライズに要警戒)や、米FOMC議事要旨でタカ派的なスタンスが確認される場合(金融政策や景気認識においてFOMC参加者間の意見相違が小さい場合=タカ派傾斜について参加者間のコンセンサスが一致しているとみなされる場合)には、米景気を巡る過度な悲観論後退に伴う円売り圧力(米株上昇→リスク選好の円売り)と、米FRBによるタカ派傾斜に伴うドル買い圧力(米金利上昇→米ドル高)が組み合わさることから、ドル円に強い上昇圧力が加わる展開が想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(米金利と米株を睨みながらの神経質な展開が継続。両者が下げ止まり次第、ドル円は再び上昇基調に転じると予想)。
本日の予想レンジ:135.25ー136.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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