NY休場で材料難のなか、時間調整継続か(7/4夕)

4日の東京市場はドルが小高い。NY休場もあってか動意の乏しいなか、とくに終盤にかけてドルの買い戻しが目に付いた。

NY休場で材料難のなか、時間調整継続か(7/4夕)

NY休場で材料難のなか、時間調整継続か

〇本日のドル円、134.80まで一時値を下げる、夕刻にかけ135円半ばへ回復
〇中期的ドル高基調のなかの調整局面入り、目先は方向性乏しい
〇米国の基本的スタンスは「消極的な円安容認」、再びドル高に振れる可能性も
〇本日NY休場で新規材料難、エネルギー情勢含む欧州及び欧州通貨動きには注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.80-136.00、135.60-70が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は134.70-80レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

週明け4日の東京市場はドルが小高い。NY休場もあってか動意の乏しいなか、とくに終盤にかけてドルの買い戻しが目に付いた。

先週末は、ウクライナ侵攻における東部ルガンスク州の最後の要衝リシチャンスクがロシア軍の手によって陥落したと伝えられ話題に。一方、中国で新型コロナの感染拡大が報じられたことも、週明けの波乱要因として取り沙汰されていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は135.20円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り先行。135円を割り込み134.80円程度まで一時値を下げた。しかし、徐々に回復へと転じると135円をまず回復。さらに夕方に掛けて上値を伸ばすと、135円半ばへ。Vの字型の戻りを記録すると、16時現在でもそのままドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、戦闘に関し前述したようにロシア軍の攻勢が引き続き伝えられるなか、豪州のアルバニージー首相が、首都キーウ近郊のブチャなど3ヵ所を訪問・視察したと報じられている。その豪州や米国が食糧や武器の支援を表明しており、まだまだ予断を許さない。なお、それとは別に、英紙FTが「米シティグループ、ロシア事業売却で現地銀と協議」と報じたほか、トルコ税関当局が「盗品」と思しきウクライナの穀物を運搬していたロシアの貨物船を「拘束した」との報道も観測されていた。

対して後者は、中国の不動産開発会社である世茂集団が、ドル建て社債10億ドル相当について、3日の期日に償還できなかったと発表。落ち着いたかにみえた不動産リスクが再び懸念され始めているようだ。また別の話として、前述した「新型コロナの感染拡大」に関する話題が相次ぐ。たとえば、宿州市泗県が県封鎖されたことに続き、新たに宿州市霊璧県が1日午後4時から閉鎖されたという。長期化すれば、世界的なサプライチェーンに与える影響なども懸念されそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

6月29日に高値137.00円を示現したドル/円だが、足もとは調整局面入りしている。実際、前記高値を含めたここ2週間程度は134.27-137.00円とやや広いものの、3.7円ほどのレンジ取引をたどっている。目先は方向性が乏しく、いましばらくは次のトレンドを探る動きが続く可能性もある。ただ、敢えてリスクを指摘すれば、ドル安方向。
岸田首相をはじめ、本邦政府筋などの多くが円安に懸念を持っていることは言うまでもないが、米国などの基本的なスタンスは「消極的な円安容認」。「日米金利差などを考えれば円安はファンダメンタルズに合致したもの」という見方が有力となっている。したがって、米ファンダメンタルズの悪化懸念が最小限に抑えられ、NYダウなどの株価が底堅く推移すれば再びドル高へと振れてもまったく不思議はない。もっとも本日は米独立記念日にともないNYが休場となるだけに、大きな変動は期待しにくい。

テクニカルに見た場合、中期ドル高基調のなかの調整局面。足もとは3円弱というレンジ取引で、価格ではなく時間調整の様相を呈している。ただ、移動平均や一目均衡表のおける主要線の多くは右肩上がりの傾向で、とくに移動平均の21日線はすでに134円台と、なかなかのレベルまで達してきた。今後さらに上昇することが予想されるなか、NYクローズでしっかりと割り込んでくるようだとドルの下押し圧力が強まることにもなりかねない。

本日はNYが休場ということもあり、米経済指標の発表や米当局者による講演などの発言機会もとくには予定されていない。新規材料難の様相だが、エネルギー問題などを含めた欧州情勢ならびに欧州通貨の動きには一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.80-136.00円。ドル高・円安方向は135.60-70円が最初の抵抗で、抜けると先週末高値の135.99円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日を含めて時間足など短期的には少なくとも3度は下げ止まっている134.70-80円レベルの攻防にまずは注目。ただ、下回っても取り敢えずは底堅そうだ。

NY休場で材料難のなか、時間調整継続か

ドル円日足

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